ソフトバンクモバイル「PhotoVision HW001」

~写真付きメールで受信・表示できる7型デジタルフォトフレーム

 今やデジタル家電の一ジャンルとして定着した感があるデジタルフォトフレーム。この1年で多様化も進み、無線LANへの対応や、PCのサブディスプレイとして使用できる製品なども登場している。このコーナーでは、デジカメWatchがピックアップしたデジタルフォトフレームについて、特徴的な機能や使用感を紹介する。

PhotoVision HW-001

 今回紹介するデジタルフォトフレームは、7型液晶パネルを採用したソフトバンクモバイルの「PhotoVision HW001」(以下、HW001)。一般的なデジタルフォトフレームを「デジタルカメラ向けのアクセサリー」とするならば、本製品は「携帯電話向けのアクセサリー」というベクトルの製品だ。直販価格は1万8,960円。

 「デジタル写真」の多くは、当然デジタルカメラで撮影したものだろう。しかし、携帯電話に内蔵されたカメラも忘れてはならない。

 HW001は、そんなカメラ付き携帯電話を使って写真を撮る人に向けて、「写真を簡単に楽しみたい」という要望に応えた製品といえる。

 主な特徴は、携帯電話から送られてきた写真付きメールを受信できる点だ。本体の専用スロットにUSIMカードを挿入することで、各個体が個別に電話番号を持ち、同社の携帯電話で使用できる「S!メール」を受信して画像を表示する仕組み。さしずめ「受信専用の携帯電話」といったところだろう。

正面背面
側面
電源ボタン背面下部には、カードスロットとUSIMスロット、電源プラグがある。カードスロットはSDHC/SDメモリーカードとMMCに対応している
縦向きに設置したところ横向きに設置する場合はスタンドを右に90度、縦向きに設置する場合には左に180度回転させる
向かって正面右側にはタッチキーを備える。電源のON/OFFに利用する「電源ボタン」を除き、基本的な操作はタッチキーを利用するタッチキーは上から、「カレンダーを表示/非表示」「時計を表示/非表示」「方向キー」「スライド表示の一時停止/再生、メニュー項目などの選択」「メニューを表示/非表示」
メニュー表示写真データの表示効果(スライドショー効果)は、「切り替え効果無し」を含め「ランダム」、「クロス」、「回転」など14種類
受信したメールの本文を表示するには、「表示する」に設定スライド表示中にタッチキーの「時計」を押すことで時計を表示できる
同様に、タッチキーの「カレンダー」を押すことでカレンダーの表示も可能メニュー表示中、左上には本体の受信携帯番号が表示される

 メール受信機能の利用には、「Photo Vision」専用の通信サービス「フォトビジョン ライトプラン」への加入が必要。料金は定額制で、月額980円。現在は月額料金が半額となる「フォトビジョンデビューキャンペーン」を実施しており、2010年1月12日まで申し込みを受け付けている。

 また、送信側のキャリアにも制限があり、ソフトバンクモバイルもしくはディズニー・モバイルの携帯電話で送信されたメールのみ対応する。

 HW001が受信専用端末であるという特徴は、送信者が離れていても使えるという意味では面白い試みだ。たとえば、月額料金の支払いの問題さえクリアできれば、田舎の父・母にプレゼントして、息子や娘の成長をメールで送るといった使い方ができる。ポイントは7型液晶ディスプレイのサイズで写真を見られるという点だ。携帯電話から送った写真を携帯電話で見るよりも、大きな画面で楽しめる。

 「文字(絵文字含む)だけのメール」や「写真+デコレメールorマイ絵文字」の表示はできないが、「写真+文字(絵文字)」という形であれば写真と文字の両方を表示できるので、「運動会で1位をとりました!」とか「お遊戯会の様子」といったコメントをつけて送ることができるのだ。

対応する携帯電話のメール機能を使って、携帯電話で撮影した写真データを送信できる。宛先はHW001のメニュー表示で確認できる受信携帯番号だ。送信したい写真データを添付して送信すればOKで、HW001側で本文の表示を可能にしておけば、本文を写真と一緒に表示できる
メールの受信中は、アイコンが表示されるメールを受信し終わると、「メールを受信しました」のメッセージが表示される。メールを開けば、受信した写真データをすぐに確認可能
受信した写真データを再生中

 曲線を活かしたボディデザインは上品で、必要以上にボタンを配置しないシンプルな構造には好感がもてる。ボタンの代わりに利用するタッチキーの感度は良く、一度タッチキーに触れるとバックライトが点灯するので、暗所でも操作可能。

 液晶ディスプレイは約38.4万画素と、一般的なデジタルフォトフレームと比較すると少なく感じるかもしれないが、それはスペック上の話。実際に使ってみると充分に高画質であり、携帯電話で撮影した写真データであっても満足できるレベルだと思う。欲を言えば、リモコンや自動で写真を回転させる機能がほしいところだが、操作はシンプルなので、使い始めれば特に気にならない。

 デジタルフォトフレームとしての基本的なスペックは、約384MBの内蔵メモリーを搭載し、SDHC/SDメモリーカードやMMCが使用可能。一般的なデジタルフォトフレームと同じように、メモリーカード内の画像を表示させることもできる。

 ソフトバンクモバイル/ディズニー・モバイル携帯を利用していて、月々の支払いという条件をクリアできれば、面白い製品といえるだろう。



(飯塚直)

2009/9/10 19:02