ミニレポート
子どもポートレートには「ASTIA」がぴったり!
(FUJIFILM X-T1)
Reported by水咲奈々(2014/5/2 12:00)
富士フイルムのミラーレスカメラ、Xシリーズ。以前から気になっていたのですが、防塵防滴ボディの「FUJIFILM X-T1」が発売されたのをきっかけに、購入に踏み切りました。
Xシリーズの良さといえば、なんといっても色の再現性でしょう。自分でパラメーターをいじったりRAW現像時に好みの色味にすることはできますが、カメラそのものが持っている色再現の特性を楽しむのも、デジタルカメラで撮影することの楽しさのひとつだ思います。
今回は、特に肌色の再現性にこだわったフィルムシミュレーション「ASTIA」についてレポートしたいと思います。
このASTIAは「ソフト」設定とも説明書には記載されていますが、いわゆるソフトフィルターがかかるわけではありません。肌色が自然な色合いになり、風景の鮮やかさも損なわないポートレート向きの画作り設定なのです。
ASTIA以外のフィルムシミュレーションを見てみると、通常は標準的な色合いで幅広い被写体に向く「PROVIA」で撮影することが多いと思います。PROVIAはスタンダードという位置づけになっており、Velviaはビビッド。この3種類が、カラー撮影における基本的なフィルムシミュレーションと考えられます。
ここでは比較のため、「ASTIA」モードを含めた3モードの作例を並べてみたいと思います。RAWで撮影し、カメラ内RAW現像で各モードに変換してJPEGに出力しました。
※XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS、+1/3EV、ホワイトバランスオートで撮影
屋外で三輪車に乗る子どもを撮りました。露出補正はプラス1/3です。
まず一番肌色が多い部分が右の頬ですが、ASTIAの色味が一番健康的で優しい肌色になりました。そして子どものジャケットを見てみてください。一番さわやかな色合いになったのもASTIAでした。
Velviaもジャケットがきれいな青色になっていますが、全体にメリハリが強いので子どもの顔を優しく撮るには向いていないように思います。
子どもが左手で掴んでいる三輪車の赤いハンドルを見た目の色に一番近く再現したのはPROVIAでした。
※XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS、+2/3EV、ホワイトバランスオートで撮影
次に室内での撮影です。外からも自然光が入るミックス光の状態です。+2/3EVの露出補正を行なっています。
子どもの頬と左手に持っている赤いミニカーを見るとわかりやすいのですが、ASTIA、PROVIA、Velviaの順に赤味が強くなりました。
どのモードも過度な発色はせず自然な色味を再現しているので好みは分かれるかも知れませんが、子どもの柔らかい頬のふくらみを自然に見せるならASTIA、元気に遊んでいて少し頬に赤味が差してきたイメージを表現したいならPROVIA、カラフルな室内と子どもをポップなイメージで描きたいならVelvia……といったところでしょうか。
屋外、室内共に不自然な発色や見た目から大きく逸脱するような色再現はなく、どのモードも好感のある画作りをしてくれました。
※XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS、+1/3EV、ホワイトバランスオートで撮影
子どもの頬、シャツの青と白のコントラスト、ベビーカーの背もたれのパープルの色の強さに各モードの差が大きく現れています。遊びで子ども用のサングラスを買ってあげたら大喜びでかじっていました(笑)
※XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS、+2/3EV、ホワイトバランスオートで撮影
室内の遊び場で、壁の穴にボールを入れる遊びをしているところ。手に持っている緑色のボールの発色はVelviaが一番鮮やかですが、主役はあくまでも子ども。室内でもこれだけ自然な肌色を描き出してくれる「ASTIA」モードえらい!
※XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS、+2/3EV、ホワイトバランスオートで撮影
きぐるみがあったので着せてみました。ポートレート的にはやっぱりASTIAが筆者的には好みですが、こんなお遊びシチュエーションならVelviaもかわいいですね。
さすが!買って良かった!!……じゃなくて、親として実際にアルバムに入れるのにどの写真を残そうかと考えたときに、子どもの写真はASTIAを選ぶことが多くなりそうです。子どものぽにゃぽにゃした柔らかさを表現してくれるASTIAにベタ惚れ状態です!