ミニレポート

あつかいやすい画角の「SIGMA 19mm F2.8 DN」

(ソニーα6000)

 この3月にカールツァイスTouit 12mm F2.8とセットでα6000を買って、この間のレポートで2本目のレンズの話を書いたばかりで申しわけないが、つい出来心で手を出したのがSIGMA 19mm F2.8 DN。またもシグマ、またも非純正である。

今回もまたシグマのレンズ(今度は19mmである)をゲットしたのである

 19mmというのは、α6000では28.5mm相当の広角である。個人的には35mmや24mmのほうが好みだが、28mmは28mmで使い勝手のいい画角だと思っている。

 お値段はSIGMA 60mm F2.8 DNと同じく税別2万4,000円だが、大手量販店の実売価格は税込1万6,670円前後で、60mm DNより3,000円ほど安い。スペックの近い純正のE 20mm F2.8に比べると、大きくて重いという難点はあるものの、実売価格は半分に近い。お財布に優しいレンズは大好きである。

 振るとカタカタ音がするのは60mm DNと同じ。AF駆動にリニアモーターを使用しているために、電源が入っていない状態ではフォーカス群が自由に動く状態になっている関係で、カタカタと音がするのである。

 フォーカスリングは滑り止めもなにもない金属製で、実のところ、北国の冬をなめくさっているのではないかと心配していたのだが(北海道在住)、試しにフリースの手袋を着用した状態で操作してみたところ、まったく滑らずに回すことができた。疑ってごめんなさいである。

 実写での画質は、60mm DN同様に文句なしである。

 絞り開放ではMTFデータそのままの印象で、画面中心部はとてもシャープ、周辺部は少しふわっとするものの、広角〜標準ズームの広角端にありがちな見苦しい流れがない。

 中心部は1段ほど絞るとわずかに解像力が向上し、周辺部もアマさがとれてくる。四隅はF6.3あたりがピークとなる。

 タル型の歪曲収差は、量としてはそれほど大きくないし(補正前提のズームに比べればどうということはない)、形も素直なので、後処理での補正は容易だろう。とはいえ、Artラインの単焦点レンズとしては、もうひと頑張りして欲しかったなぁ、と思う。

 後ボケは心持ちうるさい感じはするものの、あまり気にしない人も多そうなレベル。

 周辺光量の低下は絞り開放でもそれほど目立たない。問題になる場合は2段ほど絞ればいいし、個人的には(絞って改善されるという条件付きでなら)もっと落ちてくれてもいいぐらいだ。

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石蔵を改装したカフェらしい建物。壁の画のポップさに目を引かれた。19mm F2.8 DN / 1/800秒 / F6.3 / ISO100 / 絞り優先AE / 19mm
PLフィルターいらずの澄んだ青空をバックに、真っ赤な看板を狙ってみた。このシャープさ。19mm F2.8 DN / 1/500秒 / F8 / ISO100 / 絞り優先AE / 19mm
回折の悪影響が気になり出すのはF11を過ぎてから。F8あたりまでは安心して絞れる。19mm F2.8 DN / 1/400秒 / F8 / ISO100 / 絞り優先AE / 19mm
タル型の歪曲収差はこれぐらい。お値段を考えれば文句はいえないレベルではある。「FREAKS」「GEEK」そして「米穀」。よくわからない。19mm F2.8 DN / 1/125秒 / F8 / ISO100 / 絞り優先AE / 19mm
絞り開放のボケは、微妙にうるさいような感じ。60mm DNと同じく、電子先幕シャッターによる露出ムラはないようだ。19mm F2.8 DN / 1/3,200秒 / F2.8 / ISO100 / 絞り優先AE / 19mm
28.5mm相当の画角は、何を撮るにもあつかいやすい画角だと思う。これで手ブレ補正があったらなぁというのは無い物ねだり。19mm F2.8 DN / 1/25秒 / F8 / ISO100 / 絞り優先AE / 19mm
イタリアンレストランの外壁。絞りF5だと、周辺部はまだ少しアマさが残るものの、見苦しく流れたりしないので使いやすい。19mm F2.8 DN / 1/60秒 / F5 / ISO100 / 絞り優先AE / 19mm

 弱点は、純正のE 20mm F2.8との大きさ、重さの差である。

 E 20mmはマウント面からの長さが20.4mmの、いわゆるパンケーキタイプで、重さは69gと軽い。

 対する19mm DNは、長さは45.7mm、重さも150gある(公称値はマイクロフォーサーズ用の数字なので、Eマウントのは2mmほど長いはず。その分重さも増えるだろう)。

 それから、多くのユーザーは、キットレンズのE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSか、以前からのE 18-55mm F3.5-5.6 OSSを持っているだろうから、そういう人たちにとっては、1絞り弱明るいだけで手ブレ補正なしというスペックは、あまり魅力的でないかもしれない。

 が、ほどほどの広角レンズで、四隅までかちっとシャープに撮れるレンズが欲しいのであれば、このレンズはとてもよい選択肢だと思う。α6000のユーザーにかぎらず、APS-CサイズのEマウント機を使っている人にとっては、ボーナスみたいなレンズである。

 ◇           ◇

 で、今回のオマケネタは、レンズのリアキャップである。

 Eマウントのレンズなら、カールツァイスでもシグマでもα6000には取り付けられるが、カールツァイスのEマウントとシグマのEマウントがまったく同じというわけではない。Eマウントとの互換性が保たれる範囲で、微妙に規格が違っているのだ。当然、そこに取り付けるリアキャップも、微妙な違いがある。

Eマウント用のリアキャップ。右上がカールツァイス、左上がソニー純正、下がシグマ。それぞれレンズに付けたときの締まり感が微妙に違う

 例えば、シグマのリアキャップをTouit 12mm F2.8に付けると、取り付けられる3か所のうち、正規の位置(取り付けマーク同士を合わせた状態)以外の2か所ではきちっと締まってくれない。ぎゅっと回しても締まりきらずにゆるいままである。これがちょっと落ち着かない。駄目というのではないが、バッグの中で、何かの拍子に外れてしまいそうな気がして、もうひとつ安心感が持てない。

Touit 12mm F2.8にシグマのリアキャップの組み合わせは、正規の位置以外ではきちんと締まってくれない

 反対に、カールツァイスのリアキャップをシグマのレンズにとり付ける分には、どの位置でもしっとり締まってくれる。これがまた「しっとり」という表現がぴったりな締まり具合で気持ちがいいのである。このリアキャップで統一すれば、レンズ交換のたびに微妙な気分になることもないだろう。

カールツァイスのリアキャップはシグマのレンズとも相性がいい。ただし、お値段はけっこう高い

 ただし、カールツァイスだけあって、リアキャップでさえお値段が張る。税別で1,700円もするのだ。1個で、である。お徳用3個パックとかではない。

 結果、対応策として採用したのは、ソニー純正である。レンズは純正じゃないが。お値段は税別で600円。リアキャップとしては安くないほうだが、カールツァイスのと比べたら十分お徳用である。

締まりのよさと経済性を考えた結果、純正で統一することにした。一応、キャップにも取り付け位置にテープを貼ってみている

 しっとりした締まり感はないものの、カールツァイス、シグマのどちらのレンズでもちゃんと締まってくれる。シグマのEマウントレンズと、カールツァイスのリアキャップの相性の悪さにお悩みの方には、強くおすすめしておく。まあ、何人いるかは分からないが。

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら