富士フイルムFinePix X100【第5回】

簡単! クラカメ風ドレスアップ

Reported by澤村徹


 FinePix X100のデザインは、往年のレンジファインダーカメラを彷彿とさせる。それだけに、外付けファインダーやレンズフードを付け、よりクラカメっぽいスタイルで持ちたいという人も少なくないはずだ。

 本誌デジカメドレスアップ主義「ネオクラシック・デジタル、最初の挑戦」にてその一例を紹介したが、ドレスアップがはじめてという人には、少々ハードルが高かったかもしれない。そこで今回の長期リアルタイムレポートは、ドレスアップのポイントとアプローチを、わかりやすく解説していこう。

オールドスクールスタイルのFinePix X100は、クラカメ用アクセサリーで簡単にドレスアップできる

アクセサリーシュー

 FinePix X100はアクセサリーシューを搭載している。本来はクリップオンストロボなどを装着する場所だが、クラシックカメラ用の外付けファインダーが装着可能だ。アクセサリーシューはサイズがほぼ規格化されており、古い外付けファインダーでも問題なく取り付けられる。

 FinePix X100は35mm判換算35mm相当のレンズを搭載しているので、35mm用ファインダーを付けるのがセオリーだ。ただし、実用性についてはさほどナーバスになる必要はない。本機はハイブリッドビューファインダーを搭載しているため、外付けファインダーに頼る場面はきわめて少ないからだ。ドレスアップパーツと割り切り、広角用や標準レンズ用の外付けファインダーを付けてもかまわないだろう。

ライカ用35mmファインダー、SBLOOを付けてみた。FinePix X100に対してかなり大きいツァイスイコンの432/5は35mmレンズ用のファインダーだ。前面がボディとそろい、バランスがよい
フォクトレンダーの35mm View Finder Mは収まりのよいサイズ感だ。シルバーもあるあえてライカの50mmファインダー、SBOOIを付けてみた。画角は異なるがルックスは上々だ

 アクセサリーシューは、外付けファインダー以外のカメラアクセサリーも装着できる。実用と見た目を両立するアイテムなら、シューカバーがオススメだ。アクセサリーシューを保護すると当時に、軍艦部をフラットに見せてくれる。見た目重視ということであれば、距離計がおもしろいだろう。AFカメラに距離計を付ける必要性はないが、クラカメっぽいテイストが俄然増してくる。こういう遊び心もわるくない。

関東カメラサービスのアクセサリーシューカバーはアルミ製だ。ブラックバージョンもある旧フォクトレンダーの距離計を載せてみた。距離計は様々なデザインがあるので、好みのものを選んでみよう

レンズフード

 レンズフードは、純正オプションのフードアダプター「AR-X100」を介して装着する。レンズ外周のリングを外し、代わりにAR-X100を装着。AR-X100には49mm径のねじ切りがあるので、スクリュー式の49mm径フードが装着可能だ。口径を広げる場合はステップアップリングを使おう。フィルターやステップアップリングを付けた上から、カブセ式フードを付けることもできる。装着するフードは35mmレンズ用が基本となるが、いくつかのフードを試してみたところ、50mmレンズ用フードでケラレなしで撮影できることが多かった。フード選びは準標準から標準域で探してみるとよいだろう。

レンズフードを付けるときは、フードアダプター「AR-X100」が欠かせないペンタコンのスクリュー式メタルフードを付けてみた。49mm径なので直接付けられる
カブセ式フードも装着可能。49-52mmステップアップリングを付け、その上から旧フォクトレンダー製のフードをかぶせているユーエヌのドームフード49mmブラックを付けてみた。先端にねじ込み式のキャップが付く

シャッターボタン

 FinePix X100のシャッターボタンはねじ切りが施してあり、ここに様々なカメラアクセサリーが付く。もっとも代表的なのはソフトレリーズボタンだ。シャッターフィーリングを向上させるアイテムで、多様な種類が発売されている。フィーリングだけでなく、デザイン面も含めて好みのソフトレリーズボタンを選んでみよう。値段も手頃なので、ファーストドレスアップにオススメだ。

 よりクラシカルなアイテムとしては、ケーブルレリーズとセルフタイマーが挙げられるだろう。ケーブルレリーズは実用性があり、実のところFinePix X100のマニュアルにも長秒撮影用に推奨しているほどだ。

シャッターボタンの穴にねじ込むだけで装着できる。実用とドレスアップを兼ねたアイテムだソフトレリーズボタンは安価なので、ワンポイントドレスアップとしてオススメだ
ライカ用のケーブルレリーズを付けてみた。取扱説明書にも載る実用アイテムである外付けセルフタイマーは、集合写真の雰囲気を盛り上げるときに役立つかもしれない

ストラップ

 FinePix X100はストラップを選ばないカメラだ。吊り環を付けた状態であれば、テープ式のストラップが装着可能。吊り環を外せば二重リング式のストラップが装着できる。取り付けの制約があまりないので、大半の市販ストラップが装着可能だ。レザーストラップで渋くまとめてもいいし、ファブリック製のストラップでカジュアルに仕立ててもいい。ストラップひとつでカメラの表情がかなり変わるので、その日の服装やバッグに合わせて付け替えるのも一興だろう。

吊り環が標準付属しているので、テープ式ストラップがそのまま装着できる二重リング式ストラップを付けるときは、吊り環を取り外す。取り付け補助具が付属している




(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2011/4/25 00:00