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ソニーNEX-5【第3回】

高感度ノイズを検証

Reported by 小山安博


 NEX-5は、撮像素子としてAPS-Cサイズ相当の「Exmor APS HD CMOSセンサー」を搭載している。つまり本体だけならコンパクトデジタルカメラ並と言ってもいいコンパクトボディに、従来のデジタル一眼レフカメラと同じサイズの撮像素子を積んでいるのが最大の特徴だ。大型の撮像素子を搭載するメリットはいくつかあるが、今回はその中でもISO感度について見てみたい。

 撮像素子全体のサイズが大きくなると、その中に含まれる個々の画素サイズも大きくなる。Exmor APS HD CMOSセンサーの場合、23.4×15.6mmのAPS-Cサイズで約1,460万個の画素を搭載している。最近はコンパクトデジカメでもこのクラスの画素を搭載しているが、たいていの機種の撮像素子サイズは、1/2.33型で対角8mmもないサイズだ。大きさが違うのに同じ数の画素を搭載するため、1つ1つの画素は極端に小さくなってしまう。

 デジカメではレンズから入る光を画素にあるフォトダイオードが取り込んで、それをデジタルデータ化するわけだが、画素が大きい方が光を多く取り込めるため、(ほかの機能が同じなら)より高画質になる、とされている。特に影響が大きいのが高感度画質だ。フォトダイオードに取り込める光が多くなれば、無理なく感度が上げられ、画質の低下が避けられる。デジタル一眼レフカメラの方がコンパクトデジカメよりも高感度画質がよいのは、これが理由のひとつだ。

 というわけで、APS-Cサイズの撮像素子を搭載したNEX-5は、コンパクトデジカメ並のコンパクトサイズながら、コンパクトデジカメにはない高い高感度画質を実現できるはずだ。

 これは、コンパクトデジカメから移行したユーザーにとっては大きなメリットになる。特にNEX-5はストロボが外付けであるため、ストロボを使わないで撮影するシーンも多くなるだろうから、高感度画質は気になる部分だ。

 前回も書いたとおり、NEX-5のUIはちょっと冗長で、ISO感度を変更するためには深い階層をたどらなくてはならないし、ISO感度を手軽に切り替えて使うことはできない。そもそもiAUTOで撮影する場合はISO感度オートしか選べないので、多くのユーザーはISO感度オートで撮影するだろうと思う。

 ISO感度オートの場合、シャッタースピードで1/30秒をめどにISO感度が上がるようで、最高でISO1600まで増感する。それ以上のISO感度を指定したい場合は、メニューからISO感度を設定することになる。最低感度はISO200からと高め。

 実際にISO200からISO1600までの画質を見てみると、さすがAPS-Cサイズだけあって、十分な画質を維持している。ISO1600までくるとノイズと解像感の減少は目立つが、まだ実用的なレベル。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、別ウィンドウに800×600ピクセル前後で表示します。その後、クリックした箇所を拡大表示します。

・高感度ノイズリダクション:オート

※共通設定:NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約4.0〜5.3MB / 4,592×3,056 / F10 / 0EV / WB:オート / 29mm
ISO200 ISO400 ISO800
ISO1600 ISO3200 ISO6400
ISO12800    

・高感度ノイズリダクション:弱

※共通設定:NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約4.0〜6.1MB / 4,592×3,056 / F10 / 0EV / WB:オート / 29mm
ISO200 ISO400 ISO800
ISO1600 ISO3200 ISO6400
ISO12800    

 iAUTO以外のモードでISO感度をマニュアル設定する場合は、ISO3200、ISO6400、ISO12800まで選択できる。個人的にはISO3200でもまだ実用に耐えられるレベル。ISO6400までくると、ノイズと解像感の喪失が強く出始める。ISO12800までくるとさすがに厳しいが、それでもコンパクトデジカメの高感度画質に比べれば大きな差がある。この辺りは、実際に使ってみて個人的に許容できるかどうかだが、コンパクトデジカメのステップアップユーザーであれば十分と感じるのではないだろうか。

・高感度ノイズリダクション:オート

※共通設定:NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約3.9〜5.5MB / 4,592×3,056 / F10 / 0EV / WB:オート / 44mm
ISO200 ISO400 ISO800
ISO1600 ISO3200 ISO6400
ISO12800    

 メニューの「セットアップ」からは「高感度ノイズリダクション」を「オート」または「弱」で設定できる。「弱」の方がノイズは残るが、解像力は維持されるようだ。これも好きな方を選べばいいだろう。ただし、オートと弱の違いはあまり大きくはないので、基本的にはオートでいいと思う。どちらかというと、オートとオフの方が分かりやすいような気がするが、オフにはできないらしい。

 全体として、高感度時の画質はマイクロフォーサーズ陣営より良い印象で、大きな撮像素子を積んだメリットが発揮されているようだ。個人的には、シーンによっては多少画像が荒れてもISO1600以上を使って明るく撮影したい、手ブレ・被写体ブレを抑えたいという場合もあるから、ISO3200くらいまではiAUTOでも使えると良かったように思う。

iAUTOで撮影した場合(左)の上限はISO1600。ISO200(右)と比べてみると、やはり画質の差は大きいが、手ブレを避けるためには十分使えるレベル

 ちなみに、RAW画像では、タイミング良く市川ソフトラボラトリーの「SILKYPIX Developer Studio Pro」が「Early Preview版」で対応したため、ざっと現像を試してみた。ISO6400とISO12800について、ノイズ低減機能をすべて最大にして現像してみたところ、JPEGに比べて解像感を残したままさらにノイズを減らすことができた。状況にもよるが、ISO12800でも使えるシーンがありそうだ。

SILKYPIX Depeloper Studio Proで現像したRAW画像。左がISO6400、右がISO12800。ノイズ低減関連以外はすべてデフォルトのまま。書き出し時にアンシャープマスクを適用している。あまり設定を追い込まずに最大のノイズ低減をかけているが、比較的うまく処理されている

・そのほかの高感度撮影サンプル

NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約4.1MB / 3056x4592 / 1/40秒 / F4 / 0EV / ISO1000 / WB:オート / 24mm NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約3.7MB / 4,592×3,056 / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 55mm
NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約3.9MB / 4,592×3,056 / 1/25秒 / F5.6 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 24mm NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約3.9MB / 4,592×3,056 / 1/40秒 / F4 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 24mm
NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約3.9MB / 4,592×3,056 / 1/10秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 55mm NEX-5 / E 18-55mm F3.5-5.6 OSS / 約4.9MB / 4,592×3,056 / 1/80秒 / F32 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 55mm


小山安博
某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。

2010/6/18 00:00