デジカメアイテム丼

4通りの持ち方ができるカメラホルスター

ハクバ「GW-PRO カメラホルスターG2」

みなさんは一眼レフを持ち歩く時どうしているだろうか? デジタル一眼レフでの撮影で多くの人が悩むのが嵩張るカメラの持ち運びだ。カメラバッグ、速写ケース、あるいはむき身という方もおられるだろう。

できるだけコンパクトに、かつ素早くカメラを取り出せるものが欲しい……。という要望に応えてハクバ写真産業から登場したのが「GW-PRO カメラホルスターG2」(以下:カメラホルスターG2)だ。実勢価格は税込7,970円前後。

D810+AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIを収納したところ。ショルダーベルトはクッション性に富んだパッドが付属

カメラホルスターG2は、一見するとトップローディングタイプのカメラバッグのような形状だが、袋状になっているカメラバッグと違い、レンズ先端が露出した状態で収納されるのが特徴となっている。またジッパーによる開閉ではなく、バックルをワンプッシュしてそのままカメラを引き抜いてしまえば直ぐに撮影態勢をとることができる。よりシンプルに、より素早くというわけだ。

前モデルである「GW-PRO カメラホルスター」と比較した場合、カメラホルスターG2では、メインバックルにITW-NEXUS製アウタープッシュ式を採用することで、手袋などを装着していても簡単にフラップの解除ができるようになった。

新しくなったメインバックルは、ITW-NEXUS製アウタープッシュ式を採用。従来はバックルを押しながら引き抜くという感覚だったのが、両サイドをギュッと押すとパチンとバックルが飛び出し簡単に外せるようになった

また新たにレインカバーが付属し、突然の雨が怖くなくなった。カメラやレンズの露出部が多いだけに、これは嬉しい改良点。このレインカバーは未使用時は小さなポーチに収納でき、またそのポーチにはナスカンが付いているので、カメラホルスターG2本体のリングにブラ下げておけるようになっている。「気づけばレインカバーを紛失していた」といったことがないよう細やかな配慮がなされている。

レインカバーはフードを逆付けした状態の70-200mm F2.8レンズまで無理なくカバーできる

盗難防止用補助ベルトも従来通り付属してるため、カメラのストラップホールや三角カンとカメラホルスターG2をストラップで繋いでおけば、混雑するイベントなど人混みの中での撮影も安心して行うことができる。

盗難防止用ベルトは、カメラ本体とカメラホルスターG2を繋いで使用する

70-200mm F2.8クラスのレンズまで対応

カメラホルスターG2が対応するレンズは最大径で110mmまでとなっている。当然フードを使用する場合にはレンズ最大径ではなく、フード装着時の最大径が110mmまでのレンズ、例えば70-200mm F2.8程度までの使用が適正となっている。ちなみに筆者が計ったところ実測値では、ベルクロをしっかりと留まっていると思えるギリギリの位置まで伸ばすと内径が120mmまで伸ばすことができたが、出し入れを考えるとやはり最大径で110mmまでのレンズで使うのが良いだろう。

レンズ径による幅調整はベルクロを採用しており、レンズの口径に合わせてフィットさせることができる

カメラボディに関しては今回使用したD810をはじめ、APS-C一眼レフ及び35mmフルサイズ一眼レフのほとんどの機種に対応するが、バッテリーグリップを使用した場合、長さ調節可能なベルクロを安全と思える目一杯まで伸ばしてもバックルが届かずフラップを留めることができなかった。バッテリーグリップを装着したい方や、フラッグシップ機などでは使用できないため注意されたし。

ショルダーベルトのバックルは、DURAFLEX社製特殊ダブルロックバックルを採用。サイドを押しながら中央のボタンを押すことで解除されるため必ず両手で外すようになっており、不意の誤操作によるカメラの落下を防止

カメラバッグとの違い

トップローディングタイプのカメラバッグと違い、カメラホルスターG2には使用するレンズの長さに制限がない。そのため短いレンズの時にバッグの底に沈み込んだり、長いレンズの時に入らないといった事がなく、無駄に大きなバッグを持ち歩く必要がないのも嬉しい点。

トップパッドは長さを調節してカメラがホルスター内で揺れるのを抑えることができる。長さはそのままでは調節しづらいため、トップパッドとカメラホルスター本体とを結合しているベルクロ部分に付属の樹脂ボードを差し込み、ベルクロの固定を剥がすことで調整できる

カメラホルスターG2のように、腰などにカメラを装着するものとしては、カメラの三脚穴に専用のクイックシュープレートなどを取り付けた上で、ズボンのベルトに付けた専用ホルダーに差し込むタイプも他社から発売されている。

一方、カメラホルスターG2の場合三脚穴を使用しないため、好きなクイックシューのプレートを使えることや、レンズを包み込むような形状になっているので点で固定するホルスターよりも、歩行時のレンズの揺れが少なく重量のあるレンズでも使えるのも魅力となっている。

4つのスタイル
チェストバッグスタイル
胸下に止めるチェストバックスタイルは最も身体とのフィット感が高く、山登りなどでも揺れにくいのが特徴
斜め掛けスタイル
ストラップを短めにし、メッセンジャーバッグのように背負うこのスタイルはやや取り出しに手間取るものの、前かがみの姿勢になるサイクリングなどで使いやすい
ウェストバッグスタイル
腰で重量を支えるため疲れにくく手ブラで歩く感覚が感じられ、散歩中のスナップ撮影などホルスタータイプの良さを満喫できるスタイル
ショルダーバッグスタイル
ショルダーバッグのようにシンプルに運ぶこのスタイルは掛けたり下ろしたりが容易で、結局気がつけばこのスタイルで運んでいた

気分は西部劇

使用した印象としては、最初はカメラの取り出しやすさを重視して腰の斜め前に装着したために、歩くたびにレンズが太ももに当たってしまい気になったが、カメラホルスターG2を体の横に回すと具合が良く、D810+AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIというかなり重量のある組み合わせを快適に持ち運ぶことができた。

また使っていて気づいたのだが、トップローディングタイプのカメラバッグと違い、レンズ先端が露出しており、トップパッドが液晶画面をさけるように二つに分かれているため、設定を変えないという条件付きではあるが、本当に急いでいる時はレンズキャップさえ外せば、ホルスターから取り出すことなくそのまま撮影ができるという裏技的な使い方もある。

スナップ派や、私のように一眼レフと大きなレンズでもできる限り身軽に撮影に出かけたいというわがままな要望にも応えるアイテムとなっている。

ブリリアント山崎

(ぶりりあんとやまさき)フリーカメラマン、写真講師。カメラメーカーの講師や作例集制作を経て現在に至る。写真とカメラの事ならネジ一本に至るまで、ありとあらゆることを知りたいと思っている。都市風景写真が好き。将来は壮大なスタジオを経営したい。フォトマスター検定エキスパート(総合)。家電製品アドバイザー(総合)。「ブリリアントの写真教室」主宰。Webサイト:Amazing Graph
※山崎の「崎」の字は本来異なりますが、環境により表示されないことがあるため「崎」で代用しています。