デジカメアイテム丼
細かい高さ調節が可能になった一眼レフ対応のテーブル三脚
マンフロット「PIXI EVOミニ三脚」
Reported by 北村智史(2015/11/10 15:30)
マンフロットの「PIXI EVOミニ三脚」は、ちょっと未来的なフォルムのテーブル三脚だ。
オリジナルの「PIXIミニ三脚」は、2013年7月の発売で、ボタンを押しているあいだだけボールがフリーになって、指を離すとロックするというユニークかつわかりやすい操作と、およそ三脚とは思えないキュートなデザインを採用していて、かなりそろられたのだが、縦位置撮影に対応してないという、個人的には気になる点があったので、泣く泣くパスしたのだった。
そのPIXIを、ひとまわり大きくしたハイパフォーマンスバージョンが、今回紹介するPIXI EVOである。大手量販店の店頭価格は税込で5,000円弱。溜まったポイントでひょいっとゲットできるお値段だ。
テーブル三脚自体は昔から存在するもので、中には着脱&伸縮可能なポールを併用して高さを変えられるものもあるが、たいていは高さは固定である。カメラをセットしてファインダー像やモニター上のライブビュー映像を見て、「もうちょっと高く(あるいは低く)したいなぁ」、と思っても何もできない。PIXIもそうである。
一方、PIXI EVOの脚は2段式である。長さが5段階で変えられる。しかも、開脚角度も2段階。そういう機構をスマートに盛り込んでいる。おかげで、テーブル三脚でありながら、非常に細かく調節できる。つまり、カメラポジションの自由度が、ぐっと高いのである。
ちなみに、スペックについては、どういうわけか、日本語のマンフロットのサイトと、英語のサイトで書かれている数字が違っていたりするので、定規とキッチンスケール(ようやくデジタル化した)で測ってみた。
PIXIは高さが130mmで、重さは224g(お借りしたブラックの実測値。ウェブサイト上の数字は190gである)。対するPIXI EVOは、通常開脚で脚を縮めた状態で157mm、ローアングル開脚時は104mmまで下がる。脚を伸ばして高くすると195mmとなる。おおざっぱに100mmの範囲でポジションが選べるというわけだ。
遠景を撮る分には100mmの高さの差はないに等しいが、マクロ域では大きな違いとなる。地面すれすれのローアングル撮影やテーブルフォトを好む人には、高さが細かく変えられるメリットはかなり大きく感じられるはずだ。
ちなみに、重さは色によって違う。理由は分からないが、実測値はブラックが264g、レッドは270g、ホワイトが271gだった。PIXIに比べれば多少重くはなっているとはいえ、持ち歩きが苦になるわけでもないので文句はない。
それから、縦位置撮影が可能になったのもうれしい点。しかも、耐荷重が1kgから2.5kgに増え、一眼レフも載せられるようになった。縦位置への対応を心待ちにしていた人にとっては見逃すことのできない進化だ。これだけで十分に飛びつく価値はありそうだ。
ただし、首の部分の強度がやや低めな感じがするので、そこのところはご注意いただきたい。エントリークラスの一眼レフとコンパクトタイプの標準ズームの組み合わせぐらいまでならいいが、丈の長い望遠ズームや、広角系であっても重さのあるレンズを付けると、しなりによるフレーミングのズレや、シャッターボタンを押したときの振動によるブレが問題になるかもしれない。筆者個人としては、ミラーアップ機能と電子レリーズまたは5秒ぐらいのセルフタイマーを併用して慎重に撮ることをおすすめしたい。
とまあ、気になる部分もなくはないが、草花やキノコなどを低いポジションから撮る機会の多い人、テーブルトップでの静物の撮影が好きな人にとっては使いでのある製品だと思う。特に、バリアングルモニターを搭載したカメラとの相性はばっちりだ。