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ハクバGW-PROショルダーバッグ

こだわり満載のユニークなカメラバッグ

 ハクバの「GW-PROショルダーバッグ」は、一見すると昔からある横長のカメラ用ショルダーバッグと変わらない製品と思われるかもしれない。しかし実は、今までにない斬新な要素が多数盛り込まれているのだ。

 最も特徴的なのは、内部の仕切配置だろう。近年のカメラバッグは、レンズをつけたカメラボディを下向きに入れることを前提としている。一方、GW-PROショルダーバッグの場合、写真を見ていただいてわかる通り、これが横置きとなる。

 中折れ式の仕切りの上側をすべて倒すことで、フラットな空間が完成。ここに70-200mm F2.8をつけたボディがそのまま置ける。その下側、底面に近い下段にに予備のボディや交換レンズを収納する仕組みだ。

上段に70-200mm F2.8をつけたボディを配置。フードをつけたまま収納できた 下段にはサブボディと交換レンズを収納できる
上段に24-70mm F2.8を置いたパターン。70-200mmはF2.8は縦置きに。ただしフードは逆付けだ

 この方式だとトラディショナルな大型のショルダーバッグ(LoweproでいえばステルスリポーターAWなど)より収納力で劣るものの、スペース効率は良い。そのため幅50cmのカメラバッグにしては奥行きが24cmと比較的短く、肩に担いだときの収まりは良い。奥行きが短いと、人ごみを抜けるときも楽だし、木々にひっかかる確率も低くなる。しかもレンズをつけたまま収納できるので、速写性も犠牲にしていない。

 さらにユニークなのは、ノートPC収納スペースだ。カメラのグリップの張り出しで生じた余剰を活かす形で、13型ノートPCの収納スペースが設けられている。

 このクラスのバッグになると、ノートPCへの対応は長らく15インチが基本となっていた。これは、プロシューマーに15インチMacBook Proユーザーが多かったことからきている。13インチにした理由をハクバに聞くと、「バッグの外寸とスペース効率を優先して設計しました。たまたま13インチがちょうど良かっただけ」(ハクバ)といさぎよい。

 ここでセオリー通り15型ノートPCに対応すると、いまより奥行きが増すのは必至。また、最近はカメラとともに、Macbook AirやiPadを持ち出す人が増えていることを考えると、15インチMacBook Proの収納に固執する必要もないのかもしれない。

 メイン収納部の開閉は、ジッパーで留めるタイプのワンフラップ式。ジッパーに加えて、2カ所に装備されたバックルも利用できる。移動中はジッパー+バックル、撮影地に着いたらバックルのみという運用が使いやすかった。メインバックルのメス側が、ヒモではなくバッグそのものに固定されているため、片手でバックルの操作が可能だ。片手がふさがっていても開けられるのは、想像以上に快適だった。

ジッパーに加え、2カ所のバックルでフラップを固定できる。バックルは片手で開閉可能だ

 フラップの上のハンドルにも工夫が見られる。良くあるのがスナップボタン2つでハンドルを留める方式だろう。留めるにも外すにも面倒なもので、つい外したまま行動しがちだ。が、本製品のハンドルにはマグネットが仕込まれており、素早く外したりまとめることが可能。速写性の向上に一役かっている。

ハンドルはマグネット式。素早く外すことができる

 フラップ上部には薄手のポケットを装備。旅客機の搭乗券を入れるのにちょうど良いサイズで、パスポートも一緒に入れておけば、空港では便利に使えそうだ。空港ではセキュリティチェックなどの都合で、パスポート、搭乗券、ノートPCを取り出す必要がある。このバッグならいずれも取り出しやすい位置にあるので、重宝しそうだ。

搭乗券とパスポートを入れるのに便利なポケット。肩にかけたまますぐに取り出せる

 フラップ上部には三脚も装着できる。下に取り付けるタイプと異なり、三脚をつけていない状態と同様、地面や床に置くことができる。しかも左右それぞれの取り付け部をずらすことで、三脚を斜めに装着することが可能。斜めにすることでフラップの上で安定するし、体への当たりも少なくできる。

三脚取り付け部。通し穴の位置を変えることで、三脚を斜めに装着可能だ
三脚(ハクバHG-504MX)を装着したところ

 フラップの内側には透明素材のポケットがついている。レンズキャプなどを入れておくのに便利そうだ。ユニークなのは、ポケットの上下それぞれにジッパーがついていること。バッグを担ぎながらフタを開けたとき(90度開く)には上側のジッパー、バッグを下ろして全開にしたとき(パタンとバッグ背面にくっつく)には下側のジッパーが使いやすい。

フラップ内側のポケット。透明のため入れたものが確認しやすい 上側にも下側にもジッパーを装備。どちらからも開閉できる

 さらにポケットは、前面と両サイドにも用意されている。前面ポケットには小物用の仕切がある他、防水素材で覆われた内ポケットが存在する。ここへは、折り畳み傘を収納すると良いそうだ。確かに、使用した折り畳み傘の収納にはいつも悩んでいたので、このアイデアには感心してしまった。

前面ポケット。メモリーカード類の収納に 防水素材で覆われたスペースには、折り畳み傘を入れると便利だ

 バッグの背面には、キャリーケースのカートハンドルを通すことが可能だ。ここまでなら良くある話だが、本製品のハンドルに通す部分は、珍しく二重になっている。この部分は使用頻度が高くなると緩くなりやすいとのことで、耐久性や安全性を考えて二重にしたという。

 また、背面には左右にひとつずつDリングが配置されているが、これは市販のリュックベルトを取り付けるためのもの。使わない場合は完全に隠しておけるので邪魔にならない。

市販リュックベルトの装着を想定したDリング。使わないときはリング上側のポケットに収納できる

 バッグ底面には、ゴムボートなどで使われる防水素材、ハイパロンを使用。屋外では濡れた地面に置くことも考えられるので、この心遣いはうれしい。並行に4つ並ぶ脚部も頑丈そうで、安心感は高い。

底面は丈夫な防水素材。濡れた地面に気軽に置ける

 なお、付属のレインカバーはフラップを覆うように装着でき、底面のみ覆われない。そのため雨中でも素早く開け閉めでき、撮影を中断せずにすむ。底面が防水素材だからこそ生まれた発想だ。

 側面下にあるハンドルは、列車の網棚や旅客機のラゲッジスペースからバッグを取り出す際に使える。この手のバッグは機材が多くて重くなりがちなので、こうしたギミックはうれしいもの。また、肩掛けでの移動時に、このハンドルでバッグを軽く支えると楽だ。

側面下に設けられたハンドル。網棚などから取り出す際に便利 機材の重さをハンドルで緩和。反対側のハンドルも持てばさらに効果的だ。走って移動するときにも揺れを抑えられる

 ショルダーベルトにも工夫が見られる。バッグへの取り付けリングは特殊なもので、ベルトが斜めになるよう上部が傾いている。おかげでねじれず、重心のバランスも良くなるとのこと。取り付けらたリングはこのバッグの専用品で、一般的なものより太くて頑丈だという。

ショルダーベルトが傾くよう作られたリング

 また、ショルダーベルトのテープアジャスターは、珍しいことに片側につき2つ付いている。ひとつあれば長さ調整は事足りるが、もうひとつ加えられているのは、ベルトのよれ防止のためだ。

テープアジャスターは片側につき2つ。よれを防止するという 3Dショルダーパッドの表面は滑りにくい素材。疲れにくい形状だ

 本体素材は耐久性に優れた1680デニールナイロン。擦れやすい場所には、耐摩耗性に秀でた840デニールナイロンを採用するなど、耐久性についても考慮されている。背面のみ、スレによるダメージを服に与えにくい600デニールポリエステルを使用している。

 ハクバによると、この製品のコンセプトは、「速写性」「効率的な収納」「耐久性」「快適な持ち運び」だという。そのための工夫が随所に設けられているのがわかる。開発過程での試作品は数多かったそうだ。

 実勢価格は2万3,000円ほど。サブボディ+いわゆる「大三元」+α程度を収納でき、三脚も取り付け可能。本格的な撮影のため大型のカメラバッグを探している人に、ぜひお勧めしたい製品だ。




本誌:折本幸治

2012/6/18 00:00