写真展レポート

“使用機材=スマートフォンのみ”の写真展が開催中

その名も「AQUOSというカメラの写真展」 プリントはプロラボのクリエイト

Androidスマートフォンで撮影した写真のみが展示されている写真展が、東京・銀座の富士フォトギャラリー銀座で開催中だ。その名も「AQUOSというカメラの写真展」。向上著しいスマートフォンのカメラ性能に加え、プロラボによるプリント品質の高さもあわせて体験できる展示になっている。

展示名からも分かる通り、作品はすべてシャープ株式会社のスマートフォンAQUOS(AQUOS ZETA SH-04H、AQUOS Xx3、AQUOS SERIE SHV34)で撮影された。撮影に使ったスマートフォンAQUOSは、2,260万画素の撮像素子に、27mm相当F1.9レンズを組み合わせたAndroidスマートフォン。レンズはリコーの画質認証プログラム「GR certified」を取得。さらに光学式の手ブレ補正機構などを搭載するなどカメラ機能に力を入れており、キャッチフレーズはずばり、“AQUOS史上最高のカメラ”と強気だ。

作品を撮影したフォトグラファーの黒田智之さんは、スマートフォンAQUOSによる公式作例を約2年間撮り続けている。これまでも製品発表会などで、自身のスマートフォンの画像がプリントされ展示されたことはあるものの、まとまったかたちで展示されるのは、今回が初めてとなる。

右が作品を撮影したフォトグラファーの黒田智之さん。左はプリントを担当した富士フォトギャラリー銀座の伊藤玄司さん(富士フイルム イメージングシステムズ株式会社クリエイト営業部)

その黒田さんをして、スマートフォンAQUOSの画質は「ついにここまできた」といわしめるほどのもの。70×70cmの比較的大きなサイズのプリントながら、一見してスマートフォンの画像とはわからないレベルにある。スマートフォンにしては輪郭が素直で、明暗比の大きなシーンもしっかり再現。スローシャッターによる作品が含まれるなど、一般的な写真展と同様に見応えがある。

黒田さんにカメラとしてのスマートフォンAQUOSについて尋ねてみると、「起動も速く、設定できる項目も多いです。レンズの良さも感じられます」との答えが返ってきた。1回目のタッチでAF/AE、2回目のタッチでシャッターが切れる動作も使いやすく、スマートフォンとして珍しい白とび・黒つぶれ表示機能も、明暗差のあるシーンで便利とのこと。

黒田さんが撮影した今回の画像は、無補正のままクリエイトの伊藤玄司さんに渡され、ここに飾られている銀写真プリントとして仕上げられた。これまでも伊藤さんは、黒田さんが撮影したスマートフォンAQUOSの作例をプリントしているが、今回の画質には感心したそうだ。プロラボのクリエイトがスマートフォンの画像を手がけている。このことも展示の見どころのひとつである。

なお展示にちなみ、富士フォトギャラリー銀座では現在、スマートフォンからのA5サイズプリント体験も行われている。

開催中の銀座での展示は、いったん12月22日で終了する。その後は大阪に巡回し、また銀座に戻ってくる予定だ。そのときには点数も増えるとのことで、より見応えのある展示になりそうだ。

スケジュール

1回目

会期:2016年12月16日(金)〜12月22日(木)
会場:富士フォトギャラリー銀座
住所:東京都中央区銀座1-2-4 サクセス銀座ファーストビル4階

2回目

会期:2017年2月9日(木)〜2月15日(水)
会場:富士フォトギャラリー大阪
住所:大阪府大阪市中央区本町4-6-17 IS本町ビル1階

3回目

会期:2017年3月24日(金)〜3月30日(木)
会場:富士フォトギャラリー銀座
住所:東京都中央区銀座1-2-4 サクセス銀座ファーストビル4階

おまけ

黒田さんが教えてくれたスマートフォンでの撮影のコツ。接写のときは、スマートフォンを逆さに持つと、余計なパースペクティブがつきにくくて良いとのことだ。なぜかというと……

スマートフォンの場合、レンズは本体の上部についている。つまり、カメラでいうところのファインダーにあたる、液晶画面の中央にレンズが正対していない。

従って被写体に近づくほどに斜め上から撮ることとなり、それを意識していないと意図しないパースペクティブがついてしまう。加えて大抵のスマートフォンのレンズの画角は広角であり、これもパースペクティブが強調される要因になる。

そこでスマートフォンを逆さにすると……レンズが下にくるので被写体の正面にレンズが位置しやすくなり、パースペクティブがつきにくくなる。一般的なカメラと違い、撮影した画像は天地が逆になることはない(回転表示の固定をOFFにすること)。さらにスマートフォンをしっかり握り込めるようになるので、手ブレやタッチブレにも強くなり一石二鳥。なるほど!

本誌:折本幸治