写真展

姫崎由美写真展「平和のつくりかた ~ポートレイツ オブ 旅順 II~」

(ニコンサロン)

今は中国の人たちが暮らし、彼らのかけがえのない故郷となっている旅順には、かつて日本人が暮らす時代もあった。作者が初めてこの町を訪れた時、「私は日本人である」というアイデンティティを意識せざるを得ない出来事に遭遇したという。

なぜ自分の生まれていない時代のことで、自分が傷つけられたような気持ちにならなければならないのか。その時から作者は、「平和の作り方を知りたい」と本気で思うようになった。

その答えを探すように、この町で暮らす人たちとカメラを通して向き合ってみた。そうすることで、自分の知らない人たちの人生を、少しでも想像してみることができるのではないかと思ったのだ。

旅順で撮影した人たちのポートレイトを通して、今、作者は、どの人の人生も自分の人生と等価だということ、遠く離れていてもそのことを忘れないでいたいと強く思っている。

カラー約43点。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:ニコンサロンbis大阪
  • ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2015年7月9日木曜日~2015年7月15日水曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

岡山県倉敷市生まれ。1990年から2011年まで写真家・松本路子の写真ワークショップ「エムズ・ワークショップ」に参加し作品を制作。09年「gifted―誰かが誰かを思うこと―」で、第15回酒田市土門拳文化賞受賞。

写真展に、97年「愛しのオストレル」(東京写真文化館/東京)、98年「君といた時間~牧場の詩~」(The Third Gallery Aya/大阪)、2008年「gifted―誰かが誰かを思うこと―」(ギャラリーかれん/横浜、カフェ・パーチェ/東京)、09年土門拳文化賞受賞作品展「gifted―誰かが誰かを思うこと―」(土門拳記念館/山形県酒田市、新宿ニコンサロン、大阪ニコンサロン、たんぽぽの家アートセンターHANAギャラリー/奈良)、10年「gifted―誰かが誰かを思うこと―」(アートセンター・コスモス/山梨、Green Cafe/東京)、11年スクリーンギャラリーの可能性「gifted―誰かが誰かを思うこと―」(京都シネマ/京都)、13年「gifted―誰かが誰かを思うこと―」(大阪・Port Gallery T) 、14年「その場所の記憶~ポートレイツ オブ 旅順~」(Roonee 247 photography/東京)がある。

(本誌:河野知佳)