写真展

日本写真家協会日本写真保存センター 渡辺義雄写真展「伊勢神宮 イタリア・モスクワ」

(ニコンサロン)

本展では、日本写真家協会の名誉会長を務めた故・渡辺義雄氏の作品「伊勢神宮」(1953年)、「イタリア」「モスクワ」(1956年)の写真原板から、新たにプリントした作品を展示する。写真原版は、同氏の遺族が同協会に寄贈した全作品の資料(写真原板約3万枚、プリント約5,000枚)の一部である。

「伊勢神宮」は、御垣内が初めて写真に収められたモノクローム作品で、式年遷宮の直前に撮影された。地面の白玉石がレフ板の役割を果たし、直射日光を受けた建物全体の素木(そぼく)の柱や千木(ちぎ)、堅魚木(かつおぎ)の飾り金具が光り輝いて、荘厳な建築美を醸し出している。

「イタリア」と「モスクワ」は、第二次大戦が終わって復興が進んでいたイタリア、途上にあるモスクワを訪れて撮影した作品である。西欧の文化や人々の暮らしぶりに対して、日本人の営みの差異を素朴に感じ取り、生きることへのたくましさに驚きの眼差しを向けている。渡辺氏の社会情勢を見る眼の鋭さが、短期間のスナップでありながら的確に表されている。時代を透視した味のある作品群である。

モノクロ約55点。

大阪ニコンサロン 2016年11月 - 写真展 - ニコンサロン|ニコンイメージング

会場・スケジュールなど

  • ・会場:大阪ニコンサロン
  • ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2016年11月24日(木)~11月30日(水)
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

日本写真家協会 写真セミナー

・日時:11月25日(金)14時~16時 (受付13時30分~)
・講師:松本徳彦(日本写真家協会副会長)
・会場:ニコンプラザ大阪セミナールーム

※入場無料、定員80名、先着順。要申し込み。

作者プロフィール

1907年新潟県三条市生まれ。25年小西写真専門学校(現東京工芸大学)に入学。国際文化振興会の写真部門や『NIPPON』の撮影、国際報道写真協会などの仕事に携わる。53年伊勢神宮の第59回式年遷宮に際し、初の内宮、外宮の御垣内を撮影。以後、73年、93年と遷宮の際に神宮を撮り続けた。58年日本写真家協会会長、日本大学芸術学部教授、71年日本写真著作権協会会長に就任するなど積極的に戦後の日本の写真文化の再興と普及に努める。57年「アジア諸国のすがた」で日本写真協会年度賞、59年「コロンボの声」で世界平和協議会総会銀メダル、90年写真界で初の文化功労者に認定されるなど受賞多数。78年勲三等瑞宝章受章。90年~95年、設立に尽力した東京都写真美術館の初代館長を務め、退任後は名誉館長に就く。日本写真家協会名誉会長、ニコンサロン名誉館長など要職多数。写真集多数。2000年93歳で逝去。