ニュース

パナソニック、LUMIX LX100などの新製品発表会

LX100はマルチアスペクトを採用

 パナソニックは10月1日、デジタルカメラ新製品の発表会を都内で開催した。ここではその模様をお伝えする。

LUMIX DMC-LX100(左)と、フォトキナで未発表だった「LUMIX DMC-GM1S」(右)

 なお、フォトキナ2014で発表されたスマートフォン型デジタルカメラ「LUMIX DMC-CM1」は引き続き国内発売未定となっており、会場に展示は無かった。

“真のマルチアスペクト”に対応したLUMIX DMC-LX100

 「LUMIX DMC-LX100」は、4/3型センサーを搭載した高級コンパクトデジタルカメラ。かつてマニュアル操作で好評だったという1/1.7型センサー搭載モデル、「LUMIX DMC-LC1」の操作性を継承しながら大型センサーを採用した。

LUMIX DMC-LX100
シャッター速度ダイヤルにはT(タイム露出)を備える

 アスペクト比を変更しても画素数がほぼ変わらない「マルチアスペクト」(パナソニックでは“真のマルチアスペクト”と呼んでいる)を搭載する。なお、マルチアスペクト実現のため4:3撮影時でも4/3型よりやや小さなエリアで撮像する。従って、4/3型センサーのサイズは1.33型だが、有効撮像エリアは1.23型相当となる。レンズの35mm判換算焦点距離が24-75mm相当なのに対して、実焦点距離は10.9-34mmなのはそのため。

LUMIX DMC-LX100の分解モデル
センサー

 絞りリングとシャッター速度ダイヤルも備える。双方のダイヤルを「A」ポジションにするとプログラムオート、絞りリングをAにするとシャッター優先、シャッターダイヤルをAにすると絞り優先、双方をA以外にするとマニュアル露出となる。「カメラを知っている人が一番使いやすい操作系を目指した」(パナソニック イメージングネットワーク事業部 コンシューマービジネスユニットの沢田宣明氏)。

小型のストロボ「DMW-FL70」を新発売する
カメラから電源を供給するため小さい
DMC-LX100に装着したところ
電源供給のためホットシューの接点を増やした。そのため、現在はDMC-LX100およびDMC-GM5のみ対応する
自動開閉式キャップも用意する
ビームコーポレーションが「COTTA」ブランドで本革のアクセサリーを用意する。日本製で職人が作るという。COTTAブランドの製品は今回のものが第一弾
パナソニックもケースなどを用意する
4Kフォトも引き続き訴求した
4Kフォトの作例
4Kフォトのアスペクト比が変更可能になった

レンズ交換式のGMシリーズにも新機種

 ミラーレスカメラの「LUMIX DMC-GM5」は、従来機「LUMIX DMC-GM1」とほぼ同じサイズにEVFを内蔵したモデル。「DMC-GM1がレンズ交換式カメラのサブカメラとして好評だが、その中でEVF搭載が大きな要望だった」(沢田氏)。ホットシューの搭載で、上級機と同じストロボなどのアクセサリーが使えるようになった。

オプションのストロボを装着
オプションのハンドグリップを装着
GMシリーズ用のCOTTAブランドアクセサリー

 「LUMIX DMC-GM1S」はDMC-GM1の後継モデルで、デザインを変更したほか、機能も向上させた。ブルーとブラウンを用意する。標準ズームレンズ付属で店頭予想価格は7万6,000円前後の見込み。

オプションのハンドグリップを装着

 DMC-GM5と同じく短い動画をスマートフォンに転送しショートムービーを作れる「スナップムービーモード」を搭載した。SNSに投稿する動画として想定する。またP/A/S/Mモード時にもクリエイティブコントロールと同じ22種類のフィルターが使用可能になった。

 さらに、スマートフォンとWi-Fi接続する際に、カメラに表示されたQRコードを読み取ることでペアリングできるようになった。

QRコードでのペアリングなどに対応した
スナップムービーモードも新設

 新レンズ2本の展示もあった。いずれもGMシリーズにマッチするデザイン。レンズの外径もGMシリーズのマウント部分の径に合わせている。

新レンズの「LUMIX G VARIO 35-100mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.」
同じく新レンズ「LUMIX G 14mm/F2.5 II ASPH.」

 また同日、発売済みのミラーレスカメラ「LUMIX DMC-GH4」および、高倍率カメラ「LUMIX DMC-FZ1000」のファームウェアVer.2.0のダウンロードを開始した。

 新たにDMC-LX100で採用した「4Kフォトモード」が加わる。両機は当初から4Kフォトに対応していたが、新ファームウェアでは切り出しに最適な撮影設定が一括で行えるようになった。また4Kフォトはこれまで16:9のみだったが、4:3、3:2、1:1での記録が可能になった。Exif情報も付加される。さらに、切り出したいフレームの探索に便利なマーキングを撮影中に打てるようになった。

4Kフォトモードの新機能

 なお、DMC-GH4のみループ記録機能が加わる。いつ起きるかわからない決定的瞬間を記録するためのもので、最新の12分の動画が残るようになっている。

ドイツではミラーレス比率が4割超に

 登壇したパナソニック イメージングネットワーク事業部の杉田卓也氏はミラーレスカメラの市場について、「パナソニックが2008年にミラーレスカメラに参入してから6年でミラーレスカメラの構成は3割まで来た。カメラ大国のドイツでは2013年までは同2割だったが、直近では4割を超える店もある。レンズ交換式カメラの主流はミラーレスになると考えている」とした。また杉田氏は4Kフォトを「新しい撮影スタイルの提案」として訴求に注力していく考えを示した。

パナソニック イメージングネットワーク事業部の杉田卓也氏
パナソニック イメージングネットワーク事業部 コンシューマービジネスユニットの沢田宣明氏
世界でミラーレス比率が高まっているという
ドイツでもミラーレスが約4割となった
今後は4K/60pや8K解像度を目指すとした

(本誌:武石修)