ソニー、自分撮り機能が充実の「NEX-F3」


 ソニーは、Eマウントカメラ「NEX-F3」を6月15日に発売する。価格はオープンプライス。

 店頭予想価格は「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」が付属するズームレンズキット(NEX-F3K)が6万5,000円前後、ズームレンズキットに「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」を加えたダブルズームレンズキット(NEX-F3Y)が9万円前後の見込み。カラーはブラック、ピンク、ホワイト。

ズームレンズキット
ダブルズームレンズキット

 2011年6月に発売した「NEX-C3」の後継モデルで、レンズ交換式のノンレフレックスカメラ(ミラーレス)。NEXシリーズのエントリーモデルに当たる。新たに内蔵ストロボ、「オートポートレートフレーミング」機能、180度可動式液晶モニターなどを搭載したほか、動画撮影機能も強化している。NEX-C3は併売する。

 外観はNEX-C3のテイストを踏襲しているが、グリップをより握りやすい形状に改良したという。また、これまでシリーズ中、NEX-7のみだった内蔵ストロボ(ガイドナンバー6、手動ポップアップ式)を搭載した。

 撮像素子はAPS-Cサイズの有効1,610万画素CMOSセンサー。今回は最高感度を従来のISO12800からISO16000に引き上げた。レンズ収差補正にも新たに対応した。

 「α57」で採用した「オートポートレートフレーミング」機能をNEXシリーズで初めて搭載した。人物の顔をカメラが認識し、構図の3分割法に基づいてトリミングするもの。超解像技術を用いてフル画素にした上で保存できる。元画像も保存可能。同社では、“プロの構図を学べる”機能として訴求する。

 連写速度は5.5コマ/秒と従来と同じだが、新たに追尾フォーカスに対応した。レリーズタイムラグも従来の約0.1秒から約0.02秒に高速化し、NEX-5Nと同等になっている。

 液晶モニターは3型約92万ドットの上下チルト式だが、上180度まで回転可能になった。真上まで上げた状態では、カメラの前方から見えるため自分撮りに便利だとする。自分撮り用のセルフタイマーを備えており、オートポートレートフレーミング機能と併せての使用も可能。なお、下側へのチルトは13度になった。

液晶モニターは正面から見ることができるようになった
下側へのチルトは13度までになった

 NEX-C3では非対応だった外付けEVFにも対応した。約235万ドットの「FDA-EV1S」(3万4,650円)を装着できる。

 画像エフェクト機能「ピクチャーエフェクト」では、NEX-C3に無かったソフトハイキー、ソフトフォーカス、ミニチュア、リッチトーンモノクロが利用できるようになった。

ポップアップ式ストロボを内蔵した

 NEX-C3で「おまかせオート」として搭載していたシーン認識機能は、「プレミアムおまかせオート」になり「手持ち夜景」と「オートHDR」を追加。画像の重ね合わせ技術でより暗いシーンや逆光のシーンに対応できるとしている。

 動画はAVCHDのフルHD撮影に対応した。NEX-C3は1,280×720ピクセルで、露出プログラムはオートのみだったが、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル露出で撮影可能になった。

USB充電に対応

 バッテリーは従来と同じ「NP-FW50」だが、撮影可能枚数が400枚から470枚に向上している。USBによる本体充電になり、単体の充電器はオプション扱いになった。なお、ACから充電できるアダプター「AC-UB10」が付属する。

 充電時間は、パソコン経由およびAC-UB10の場合が約280分、別売のACアダプター「AC-UD10」の場合が約115分、別売の充電器「BC-VW1」の場合が約250分となっている。

E 18-55mm F3.5-5.6 OSSの装着例
E 16mm F2.8の装着例
E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LEの装着例

専用ボディケースなどもラインナップ

・ボディケース&ストラップキット「LCS-EBS3」

 NEX-F3専用のボディーケースとストラップのセット。価格は6,300円。発売は6月15日。ケースのカラーは、ベージュとブラウン。ストラップはストライプ模様をあしらった。

ベージュブラウン

・ボディケース「LCS-EB31」

 NEX-F3専用のボディケース。価格は4,200円。発売は6月15日。カラーはブラック、ブラウン、ホワイト、ピンク。

・アクセサリーキット「ACC-VW」

 バッテリー「NP-FW50」と充電器「BC-VW1」のセット。発売は6月15日。価格は1万500円。おのおのを単体で購入するよりも3,840円前後安価になっている。

・モニター保護セミハードシート「PCK-LM10」

 液晶モニター用の保護シート。発売は6月15日。価格は1,260円。


主な仕様
製品名NEX-F3NEX-C3NEX-5N
発売年月日2012年6月中旬2011年6月24日2011年9月9日
撮像素子サイズ23.5×15.6mm
有効画素数約1,610万約1,620万約1,610万
動画記録形式AVCHDMPEG-4AVCHD
動画記録画素数最大1,920×1,080最大1,280×720最大1,920×1,080
記録メディアSDXCメモリーカード、メモリースティックPRO-HGデュオなど
ピクチャーエフェクト15種類11種類15種類
感度ISO200-ISO16000ISO200-12800ISO100〜ISO25600
液晶モニターチルト式3型約92万ドット
チルト角度上約180度/下約13度上約80度/下役45度
シャッター速度30-1/4,000秒、バルブ
最高シンクロ速度1/160秒
連写性能(速度優先)約5.5枚/秒約10枚/秒
使用電池NP-FW50
撮影可能枚数約470枚約400枚約430枚
外形寸法約117.3×66.6×41.3mm約109.6×60×33mm約110.8×58.8×38.2mm
重量(本体のみ)約225g約225g約210g
質量(撮影時)約314g約283g約269g

【2012年5月18日】充電時間について追記しました。
【2012年5月18日】表中、NEX-C3の有効画素数を約1,220万としていたのを、約1,610万に改めました。
【2012年5月17日】記事初出時、表中でNEX-5Nの感度を「ISO200〜ISO25600」と記載しておりましたが、正しくは「ISO100〜ISO25600」です。





(本誌:武石修)

2012/5/17 13:56