ニコン、「COOLPIX」2011年秋モデルの発表会

~“新世代デジタルカメラ”は「まだ投入の時期ではない」

 ニコンは24日、コンパクトデジタルカメラ「COOLPIX」シリーズ新モデルの発表会を都内で開催した。

COOLPIX S8200(左)とCOOLPIX S6200(右)

 ここでは、発表会の模様を中心にお伝えする。各機種の詳細については記事末のリンクを参照されたい。

2011年度は国内シェア15%を目指す

 冒頭、ニコンイメージングジャパン社長の五代厚司氏が挨拶した。

ニコンイメージングジャパン社長の五代厚司氏

 コンパクトデジタルカメラの世界市場規模は、2010年実績の1億900万台から2011年には1億1,600万台になるとのCIPA予測を挙げた。2010年に関しては、サムスンなどCIPAの統計に含まれないメーカーもあるため実際にはさらに上乗せされているとした。

 ニコンのコンパクトデジタルカメラは北米で2割のシェアを持つ。ただ国内シェアは10.8%と、北米、欧州、日本を除くアジアのうち最下位。五代氏は、「国内シェアは2009年から上昇しており、2011年度は15%に手が届くところを目指したい。商品の力、サービスの力、マーケティング・プロモーションの力、販売の力を結集する。新製品6機種をテコに、国内でのポジションを上げていきたい」との抱負を掲げた。

コンパクトデジタルカメラの世界市場ニコン製コンパクトデジタルカメラの地域別シェア

 COOLPIX新製品については、「さまざまな調査をしているが“高画素”、“高倍率”、“暗所での撮影性能”をユーザーの要望として認識している。COOLPIX S8200とCOOLPIX S6200はこの3つの要望をクリアしたモデル」(五代氏)と紹介。この2機種をCOOLPIXシリーズの主力モデルと位置づける。

 一方の、COOLPIX P7100、COOLPIX AW100、COOLPIX S1200pj、COOLPIX S100の4機種は、「多用なニーズに応える個性派モデル」として訴求する。

COOLPIXの2011年秋モデル

「幅広いユーザーに応えられるバリエーション」

 続いて、ニコン映像カンパニーマーケティング本部 第一マーケティング部ゼネラルマネージャーの笹垣信明氏が製品の説明を行なった。

ニコン映像カンパニーマーケティング本部 第一マーケティング部ゼネラルマネージャーの笹垣信明氏

 「秋のCOOLPIXは多彩なバリエーションを用意した。気軽に写真を楽しみたい方から本格的な撮影をしたい方、また、アウトドアで使いたい方からその場で撮った写真を共有したい方まで非常に幅広いユーザーに使っていただけると考えている。コンパクトデジタルカメラ市場の拡大は緩やかになっているが、こうした新しい価値の提案で、より多くのユーザーに満足してもらえる」(笹垣氏)と説明した。

・COOLPIX P7100

 計6個のダイヤルを備え、マニュアル露出やRAW記録に対応したCOOLPIXのフラッグシップモデル。発売は9月22日で、店頭予想価格は6万円前後の見込み

チルト式液晶モニターは、真上向きからほぼ真下向きまで可動できる
前面に「サブコマンドダイヤル」を新設。軽いクリックと側面のローレットにより軽快に回せる。機能はユーザーが割り当て可能。例えば、背面ダイヤルと合わせて、マニュアル露出時に絞り値とシャッタースピードをそれぞれのダイヤルで設定することなどができる
スペシャルエフェクト機能を新搭載指定した色の部分だけを残して他をモノクロにするといった表現も可能になった
会場ではCOOLPIX P7100で撮影したプリントも展示した

・COOLPIX AW100

 ニコン初のタフネスモデル。水深約10mまでの防水性能、約1.5mからの耐落下性能、約-10度までの耐寒性能を有する。発売は9月8日で、店頭予想価格は4万3,000円前後の見込み。

水槽に沈めて防水性能をアピールした
地図や電子コンパスの機能を搭載移動ルートを記録して表示できる
GPS情報を元に内蔵地図にマッピングできる。ランドマーク名は世界の約140万カ所が登録済みで、動的に表示されるカメラを振って操作できる「アクション操作」の画面。振るごとにアイコンが移動していき、側面の大きなボタンを押すと機能が確定する
12月31日までに購入するとボトルケースやワレットなどが先着5,000名にプレゼントされるキャンペーンを実施する

・COOLPIX S1200pj

 最大で60型までの投影に対応したプロジェクター内蔵モデル。発売は9月22日で、店頭予想価格は5万円前後の見込み。

プロジェクター部分にスライドバリアを設けた
iPhoneと接続して投影することもできる12月31日までに購入してカスタマー登録すると、iPhoneと接続するためのケーブルをプレゼントするキャンペーンを行なう

・COOLPIX S100

 3.5型のタッチパネル式有機ELパネルを採用したモデル。タッチシャッター機能なども搭載。発売は9月8日で、店頭予想価格は3万2,000円前後の見込み。

・COOLPIX S8200

 広角25mm相当(35mm判換算)からの14倍ズームを搭載したモデル。発売は9月22日で、店頭予想価格は3万8,000円前後の見込み。

 人物以外の被写体であっても、カメラが自動的に主要被写体にピントを合わせる「ぴったりAF」を新搭載

・COOLPIX S6200

 COOLPIX S8200に対して、ズーム比を10倍にするなどして価格を抑えたモデル。発売は9月22日で、店頭予想価格は2万8,000円前後の見込み。

 10倍ズーム機ではクラス最小レベルのボディサイズだとする

 COOLPIXのイメージキャラクターは、今期から6年目に入る木村拓哉さんが引き続き務める。9月22日から木村拓哉さん出演のテレビCMを全国で放送する。

 なお、兼ねてから開発を明らかにしている「新世代デジタルカメラ」については、「世界的な市場動向を見ているが、少なくとも今はまだ投入の時期ではない。これが今年になるのか来年になるのか、具体的なことは何も言えない。(新世代デジタルカメラは)デジタル一眼レフカメラと同じではなく、新しい市場を開くものでなければならない。(投入は)そうした判断ができた段階になる」(笹垣氏)と述べた。




(本誌:武石修)

2011/8/24 18:27