【CES/PMA】「FUJIFILM X-Pro1」が人気の富士フイルムブース

〜FUJIFILM X100限定ブラックバージョンの実機展示も

 2012 International CESの会期前日、レンズ交換式のAPS-Cミラーレスカメラ「FUJIFILM X-Pro1」を発表した富士フイルム。CES会場でもFUJIFILM X-Pro1の人気は高く、初日は常に人だかりができていた。

Xシリーズ専用を大きくアピール前日に発表したFUJIFILM X-Pro1を展示。装着レンズはXF 35mm F1.4 R

 実機はXシリーズ専用コーナーに2機用意され、どちらもハンズオン可能だった。ボディは他社のEVFなしミラーレスカメラより大柄で、FUJIFILM X100のような凝縮感は薄い。その分ボタン配置に無理がなく、フルマニュアルでの操作性に優れている印象を受けた。ダイヤルの質感の良さはFUJIFILM X100ゆずり。シャッターボタンには、針式のケーブルレリーズを装着するための溝が設けてある。

 トップカバー表面の塗装はシボによるざらつきがなく、さらりとした触感。装着してあったXF 35mm F1.4 Rの鏡筒も同様だ。トップカバーにはMADE IN JAPANの文字が見える。ボディのトップカバーと底面以外を覆う合皮は、FUJIFILM X100やFUJIFILM X10に近い。また、ファインダー接眼部はFUJIFILM X100ほど突出しておらず、ボディラインに対して大きく違和感のない見た目になっている。

 注目のHybrid Multi Viewfinderは、使用時にレンズが1種類しかなく、レンズによる倍率の切替が体験できなかった。OVFの表示自体はFUJIFILM X100とほぼ同様の美しさ。EVFとOVFの切替は素早い。また、アイピースセンサーによる液晶モニターとファインダーの切替も行なえる。

 メニュー画面はFUJIFILM X100などの流れを汲むデザイン。ただしタブが細かくなるなどのアレンジが施されているようだ。

Hybrid Multi Viewfinderの概念図。OVF時はレンズによって倍率が変わり、さらにレンズに合わせた大きさの撮影画角が表示される新開発X-Trans CMOSは、カラーフィルターの配列をベイヤー式から変更。モアレを低減し、ローパフィルターの省略につながっている
メニュー画面バッテリーおよびメモリーカード室

 日本で11日に発表されたFUJIFILM X100 BLACK Limited Editionの展示もあった。世界限定1万台で、2月18日に発売。予約は11日から受け付けている。開場では透明ケースの中での展示に限定されており、手にとることはできなかった。

 同梱されるブラックカラーのレザーケース、レンズキャップ、レンズフード、アダプターリング、プロテクトフィルターも実物を確認できた。

FUJIFILM X100 BLACK Limited Edition。専用ケースとストラップを装着した状態
本体と同梱品

 Xシリーズ以外では、会期直前に発表したFinePixシリーズの製品のうち、主要な機種が一部展示されていた。いずれも日本での正式発表はまだない。

 レンズ一体型高倍率ズームモデルのFinePix HS30 EXRは、24-720mm相当の30倍ズームレンズを搭載。撮像素子は、有効1,600万画素の1/2型裏面照射型EXR CMOSセンサー。3型チルト式液晶モニターを備える。レンズのズームリングはマニュアル式だ。

 米国での価格は499.95ドル。発売時期は3月。

FinePix HS30 EXR

 FinePix SL300は、電動ズームを採用するレンズ一体型高倍率ズームモデル。カバーする焦点距離は上位機種のFinePix HS30 EXRと同等。ただし撮像素子が1/2.3型有効1,400万画素のCCDセンサーとなり、液晶モニターは固定式の3型46万ドットとなる。

 米国での発売時期は2月。価格は299.55ドル。

FinePix SL300

 FinePix F770EXRは、1/2型EXR-CMOSセンサーを搭載するスリムコンパクトの最上位モデル。GPS機能、25-500mm相当の光学20倍ズームレンズなどを採用する。

 従来機種FinePix F600EXRとボディラインはほとんど変わらないが、表面がラバー系の触感塗装になっていた。

 米国での発売時期は3月。価格は379.95ドル。

FinePix F770EXR

 FinePix XP150は、従来の同社タフネスシリーズと異なり、アウトドアアイテムらしさを前面に押し出したスタイリングになった。防水10m、耐落下2m、耐低温-10度、防塵のタフネス性能とGPS機能を搭載する。

 本体上にGPS専用ボタンを装備。GPS関連の設定メニューを呼び出せる。ロガー機能や再生画像の撮影地点までの距離や方位を表示することも可能だ。

 米国での発売時期は3月。価格は279.95ドル。

FinePix XP150

 FinePix XP50は、従来のXPシリーズのデザインを組む製品。ベーシックモデルと位置づけられており、カラーバリエーションも5色と多い。

 タフネス性能は上位機種に劣るものの(防水5m、耐落下1.5m、耐低温-10度)撮影機能はFinePix XP150など上位機種と同等だ。

 米国での発売時期は3月。価格は199.95ドル。

FinePix XP50



(本誌:折本幸治)

2012/1/11 14:41