DNPフォトルシオ、開発者による「Capture One 6 Pro」の説明会を実施


 DNPフォトルシオは20日、フェーズワン(PHASE ONE)のRAW現像ソフト「Capture One 6」のメディア向け説明会を都内で開催した。

フェーズワンでCapture Oneの開発責任者を務めているニールス・クヌーセン氏説明会を行なった東京都中野区のDNPフォトルシオ本社

 説明を行なったのは、フェーズワンでCapture Oneの開発責任者を務めているニールス・クヌーセン氏。最新版となるVer.6.2の新機能などを解説した。なお、DNPフォトルシオは、フェーズワン製品の国内総代理店となっている。ダウンロード版の価格は「Capture One 6 Pro」が5万2,290円、一部の機能を省略した「Capture One 6 Express」が1万3,440円。パッケージ版も発売済み。

 なおクヌーセン氏は、23日にスタジオエビスで行なわれる「中判デジタルカメラサミット2011」でも講演を行なう。

 Capture Oneは、フェーズワン製のデジタルバックだけではなく各社のデジタルカメラに対応したRAW現像ソフト。クヌーセン氏は、「クオリティ、速度、ワークフローのどれをとっても、ライバル製品より優れている」と自負する。

Capture One 6.2のハイライトオンラインヘルプが日本語化された

 新バージョンでのハイライトは、彩度や透明度の向上、OpenCLおよび64bit対応、キヤノンのEOS-1Ds Mark IIおよびEOS-1D Mark IVでのノイズリダクション性能の向上、ソニーNEX-5/3および富士フイルムFinePix X100への対応など。また、これまで英語だったオンラインヘルプは、このたび日本語化された。

 Capture Oneのデモでは色調整、HDR画像の作成、ノイズリダクション、モアレ除去などを披露した。

 カラーエディターという色調整機能では、画面の一部の色を取得するとその部分の色などを調整できる。このときカラーホイールに調整する色の範囲が現れ、この部分を変えると調整できる色の範囲を変更できるようになっている。調整値はプリセットとして他の画像に適用できるほか、ICCプロファイルとして書き出すことで他のシステムに読み込ませることなども可能となっている。

カラーエディターによる色補正空をより青くしたところ
画像の一部だけ色を残すこともできる。カラーホイールで細かく色の範囲を調整可能肌の色ムラをなくす機能も搭載

 HDRは1枚の画像から作成可能。搭載するHDRツールでも作成できるほか、LCCと呼ばれるレンズの光量ムラを補正する機能やマスク機能を活用してHDR画像を生成する方法を説明した。それぞれ仕上りの効果は異なるため、よりさまざまな仕上げが可能になっている。

3種類の異なった方法で生成したHDR画像
ノイズリダクションのデモも実施。カラーノイズやピクセル的なノイズなど細かいノイズの処理が行なえるノイズを除去したところ

 続いてクヌーセン氏は、服のモアレを比較した画像を提示。35mmフルサイズのハイエンドデジタル一眼レフカメラと比較してフェーズワンのデジタルバック「P45+」のほうが強いモアレが発生するが、Capture Oneのモアレ除去機能でほとんど見えないまでにモアレを除去してみせた。一方、8,000万画素のデジタルバック(IQ180)の画像では、モアレは撮影段階からあまり発生しておらずモアレに強い点をアピールしていた。

P45+で撮影した布を拡大したところ。モアレが発生しているCapture Oneのモアレ除去機能できれいにモアレを除去できた
会場では、フェーズワンの中判カメラ645DFに装着したIQ180も展示。DNPフォトルシオによると、8月のファームウェアアップデートでライブビューに対応するという
5日に発売した「Capture One Pro 6公式ガイドブック」(Y2 湯浅立志氏著、2,940円)も展示

 マイクロソフトから買収し、リニューアルしたメディア管理ソフト「Media Pro」も紹介。Media Proは、Capture Oneとは別のソフトとして発売する。クヌーセン氏によれば、買収した当時のにあったバグなどの除去は完了したという。新たにCapture Oneとの連携機能を備え、例えば画像のクロップなどの情報を両ソフトで共有できるようにした。Media Proはオリジナルファイルを参照せずにサムネイルを生成して管理を行なうこともでき、ユーザーのワークフローやディスクスペースといったリソースに応じて柔軟に運用できるとした。

Media ProはユーザーインターフェースもCapture Oneに合わせている
Media Proの画面

 さらに、Capture Oneの画像をiPadやiPhoneで参照できるアプリ「Capture Pilot」(1,700円)にも触れた。単に画像をiOS端末で参照できるだけでなく、レーティングなども端末から設定可能。ほぼリアルタイムでCapture Oneに取り込んだ画像に反映される。またCapture Pilotからカメラのシャッターを切るといった操作も可能で、「高い場所にセッティングしたカメラで撮影する際に便利な機能」(クヌーセン氏)とする。

カメラもコントロールできるiOSアプリ「Capture Pilot」Capture Pilotにより、iPhoneから画像のレーティングを変更しているところ

【2011年7月26日】記事初出時「Media ProはCapture Oneに付属している。」と記載しておりましたが、Media ProはCapture Oneとは別のソフトとして発売します。




(本誌:武石修)

2011/7/21 00:00