商業写真向けイベント「PHOTO NEXT2010」の概要が発表


PHOTO NEXT2010のロゴ

 プロメディア、写真感光材料工業会、日本カラーラボ協会、日本写真映像用品工業会は30日、営業写真館やブライダル業界向けのイベント「PHOTO NEXT2010」を2010年6月29日と同30日に東京ビッグサイトで開催すると発表した。

 PHOTO NEXT2010は、2004年から2009年まで「スタジオ写真フェア」として開催していたイベントをリニューアルするもの。新たにテーマを「PHOTO」とし、撮影、流通、出力といったビジネスをターゲットに実施する。主催団体は上記の4団体で、スタジオ写真フェアを主催していたプロメディアが主催およびオーガナイザーを担う。また、日本営業写真機材協会が特別協賛する。

 11月下旬に出展者説明会を行ない、出展の募集を開始する。その後2010年2月下旬に出展申込みの締切りを行ない、同4月中旬に小間割を決定し開催の内容を発表する。

 出展料や入場料は未定だが、前回のスタジオ写真フェアをほぼ踏襲した体系になるという。出展社数は過去最高となった前回から25社増の120社、コマ数は同101小間増の300小間を見込む。また、目標来場者数は2万4,000人に設定。前回は1万9,888人だった。

 なお、カメラ映像機器工業会(CIPA)、日本写真映像用品工業会、写真感光材料工業会、日本カラーラボ協会の4団体で共催していたフォトイメージングエキスポ(PIE)からは前回のPIE2009をもってCIPAが離脱し、CIPA主催の「CP+」として開催することが決まっている。残り3団体はCIPAの離脱後、イベントの開催について協議を続けていた。ただし3団体のうち、日本写真映像用品工業会はCP+に協賛というかたちで参加が決まっている。

 30日に都内で開催された概要発表会で、各主催団体の代表が挨拶した。

各主催者の代表。左から日本営業写真機材協会の岡芳男会長、日本写真映像用品工業会の中谷幸一郎会長、プロメディア代表取締役の北島茂社長、日本カラーラボ協会の杉原和朗会長、写真感光材料工業会の境裕之会長代行PHOTO NEXT2010のキーワード

「写真業界にいて夢が語れるフェアにしたい」

スタジオ写真フェアにおける出展社数の推移

 プロメディア代表取締役社長の北島茂氏は、「写真の歴史は200年足らず。日常を簡単に撮れるようになってから50年程度しか経っておらず、文学、美術、音楽などに比べれば、まだ揺籃期を過ぎた程の歴史しかない。写真はまだ始まったばかり」とし、写真という分野のこれからの時代に焦点を当てたフェアを開催すると意気込みを見せた

 テーマである“PHOTO”については、「写真」や「イメージング」といった概念のすべてを込めたものという。デジタルカメラや携帯電話で撮る映像も“イメージング”ではなく、あくまで“PHOTO”として位置づけている。

 ターゲットは、従来通り「プロフェッショナル&フォトビジネス」とした。プロフェッショナルは、スタジオ記念写真、ウエディングフォト、広告写真、報道写真、観光写真、証明写真、イベント写真など撮影ビジネスを指す。一方のフォトビジネスは、機材の流通販売、現像プリント業、写真店、DPEショップ、フォトブックなどを始め、医療写真、屋外広告、プリントシール機といった写真のビジネスマーケットを指している。スチルとムービーを使用した新しいソリューションもフォトビジネスに含む。

 イベントのコンセプトは“NEXT”としており、銀塩からデジタルというだけでなくさらにマーケットの拡大を見越して次の時代を見据えた展示を行なうという。詳細は検討中としているが、会期中に行なうシンポジウムやセミナーなどもNEXTを意識したものになるとのこと。

 北島氏は、「個人の店が基本の写真館や個人の力量で撮影していた写真家がある一方で、スタジオアリスやアマナといった企業スタイルでビジネスを行なうところが増えてきた。さらに、ネットワークやデジタルテクノロジーを通じての新ビジネスもどんどん増えている。そうしたものを提案していきたい」と抱負を述べた。

 今後、日本写真家協会(JPS)や日本広告写真家協会(JPA)などにも呼びかけを行なう。出展社および入場者数増への取り組みについては、「各メディアで採り上げていただけるよう、ユニークな中身を考えている」(北島氏)とした。

「PHOTO NEXT2010で逆境をチャンスに」

 続いて、写真感光材料工業会の境裕之会長代行(富士フイルム執行役員イメージング事業部長)が主催業界団体を代表して挨拶した。

 境氏は、「写真業界全体が大変革のまっただ中にあり、ビジネスの変化への対応を求められている。しかし、この逆境はビジネスチャンスと捉えている。新しいフェアを立ち上げるのは時期を得たもの」と述べた。同氏は、これまでのスタジオ写真フェアがユニークな展示会として業界では定着していることを挙げ、「主催の3業界団体がカバーする広い領域によりフェアが発展し、真のビジネストレードショーが実現できる。業界が元気になるようにとの気持ちで大きく育てていきたい」と語った。

 また、日本営業写真機材協会の岡芳男会長(光陽モネカ代表取締役社長)は、「気持ちを新たにしてイベントに協力していく」との姿勢を示した。「写真業界はなかなか元気にならない。どうしたら元気になるかを考えたときに、こうしたイベントが身近にあるというのは大変結構なこと。業界の方には今までやっていなかったことにもチャレンジして欲しいという気持ちでいる」と述べた。





(本誌:武石修)

2009/9/30 21:25