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Xレンズ新ロードマップが公開 FUJIFILM X-T2発表会で

23mm F2、50mm F2、80mm F2.8マクロが加わる

富士フイルムは7月7日、9月に発売するミラーレスカメラの新モデル「FUJIFILM X-T2」の発表会を都内で開催した。ここでは発表会の模様をお伝えする。製品の詳細は下記の記事を参照されたい。

発表会での新情報としてはレンズロードマップの更新があった。開発予定レンズに加わったのは「XF 23mm F2 R WR」(2016年発売)、「XF 50mm F2 R WR」(2017年発売)、「XF 80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」(2017年発売)の3本。

人物は富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長の高橋通氏

このうち23mm F2(35mm判換算での焦点距離35mm相当)と50mm F2(同76mm相当)は、発売済みの「XF 35mm F2 R WR」と同じく開放F2とすることで小形軽量を狙ったシリーズとなる。デザインも35mm F2のテイストを引き継ぐ。

一方80mm F2.8(同122mm相当)は、Xシリーズのレンズで初めて等倍撮影可能となる中望遠マクロレンズ。防塵防滴性能や手ブレ補正機構も盛り込む。テレコンバーターにも対応する。本レンズは、従来のロードマップでは120mm(同180mm相当)とアナウンスしていたレンズで、この度市場の要望から小型軽量化を図るため80mmとして開発することが決まった。

APS-Cとミラーレスの組み合わせは最高

発表会の冒頭挨拶した富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長の高橋通氏は、「一眼レフカメラは機能の追求で大きく重くなってしまった。一方、小型化を追求したカメラは画質が犠牲になっている。フィルム時代は一眼レフも小型で楽しく撮れたことを思いだす。カメラは気持ちよく写真を撮るための道具で無ければならず、写真を撮る際の重荷になってはならないというのがFUJIFILM Xシリーズに込めた想い。APS-Cセンサーとミラーレスという組み合わせは最高と考えている。トータルで小形軽量、高画質、快適な操作性などを実現した。そこに、当社80年の歴史で培った色再現の技術を投入することで比類ないカメラになる」と話した。

市場動向についても説明があった。デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラは共に大幅な下落トレンドという。だが、ミラーレスカメラは1月~5月では14%のプラスになっており、全体に占める割合が3割まで上昇した。「この先もミラーレスカメラの割合は上昇していくだろう」(高橋氏)。

また、平均単価についてはミラーレスカメラのほうが一眼レフカメラよりも15%高いという。高橋氏は、「ユーザーがミラーレスカメラに価値を見いだしていることの表れだ」と分析している。

AFの強化で全方位対応に

X-T2は、FUJIFILM X-T1の後継モデルという位置づけ。発表会では特にAFの強化に時間を割いてプレゼンが行われた。「これまで苦手とされていたスポーツ写真にも自信を持ってお薦めできるカメラになった。Xシリーズに苦手な分野は無いといっても過言では無い。X-T2はミラーレスカメラの決定版」(富士フイルム 光学・電子映像事業部 営業グループ 統括マネージャーの飯田年久氏)。

上面のダイヤルにはロック機構が設けられた。押し込むとロックされ、もう一度押すとフリーとなる。またEVFのアイカップも深く広くなり、メガネ使用者でも見やすくなったという。

上面ダイヤルは高さも増した。寒冷地でグローブをしている場合でも使いやすいようにと、プロの意見を聞いて決めた。

SDカードスロットがデュアルスロットになった。

センサーや画像処理エンジンは3月に発売したFUJIFILM X-Pro2と同じものだが、この半年間でAFのアルゴリズムなどを改善し、動体の追従性を高めたという。プロ用一眼レフカメラのような動体追従に関するセッティングが可能となり、プリセットで簡単に適用できるようにした。そのうち、コンティニュアスAF時の設定では被写体の順敏さや速度変化のほか、被写体の前を何かが横切ったりした場合の乗り移り特性も設定できるようになった。

上記の設定を簡単に適用できるように、5種類のプリセットも用意されている。

カスタムした設定を保存して呼び出すこともできる。

会場ではAF追従の性能をアピールするため、バレリーナを連写し、どのコマにもピントが来ていることを確認した。

また、従来AFが合いづらかった低輝度のシーンや低コントラストの被写体でも合焦率が飛躍的に上がったとしている。

加えて、一眼レフカメラに比べてミラーレスカメラの弱点とされる連写時のファインダーにおけるブラックアウト時間も大幅に低減した。飯田氏によるとX-T1では連写中に被写体を見失うこともあったが、X-T2では連写中の60%でライブビューを視認できるようになったという。X-T1では15%の時間しか映像が見えていなかった。

EVFは最大100fpsという滑らかな表示に対応した。輝度も従来の2倍にできる。

撮像素子は、有効2,430万画素でAPS-Cサイズ相当の「X-Trans CMOS III」センサー。新たに銅配線を用いることで電気抵抗が少なくなり、ノイズを低減できた。そのため、常用感度はX-T1から1段増のISO12800となった。

オプションとして縦位置パワーブースターグリップを用意する。装着することで、連写速度が8コマ/秒から11コマ/秒に増えるほか、AF速度などもアップする。

X-T2は、これらの性能向上で従来以上に様々な分野での活躍ができると訴求した。

なおFUJIFILM X-Pro2に対して、X-T2と同じ新アルゴリズムのAFのほか、ファインダーのパララックス補正フレーム表示といった機能向上のファームウェアを10月に公開する。

テザー撮影ソフトも10月に公開することを明らかにした。

防塵防滴のクリップオンストロボEF-X500も投入する。ワイヤレスの多灯ライティングにも対応する。

Xシリーズとして初めて4K動画に対応したとあって、動画撮影を意識した展示もあった。また、大型の4Kテレビでの作品上映もしていた。

会場ではX-T2の作品も多数展示していた。