女子のための動きモノ写真教室~ブルーインパルスを撮ろう!撮影設定編~
「絞り優先AE」では思うような写真が撮れるようになってきたけど「シャッタースピード優先AE」で動いている物を撮るのは苦手……という女子のための動きモノ写真教室の第2回目は、実際に撮影をする前のカメラの設定編です。数字やカメラ用語も出てきますが、実際にカメラを持って設定しながら読むと意外とすんなり頭に入ってきますので、ぜひカメラをお手元に持ってきてからご覧ください。
望遠レンズを装着したボディの設定
ブルーインパルスを撮影する際は望遠ズームレンズを付けたボディと広角レンズを付けたボディ、もしくは広角で撮影できるコンデジなどを用意して2台体制で臨みましょうと前回お話ししましたが、まずは望遠ズームレンズを付けたボディの設定をお話しします。
まず露出モードは「シャッタースピード優先AE」がオススメです。シャッタースピードは1/1,000~1/1,600秒を目安にしてください。シャッタースピードは速くすればするほど動いている物を写し止められるんでしょ? だったらどんどん数字を上げればいいんじゃない? と思うかも知れませんが、ブルーインパルスの課目は機体が前後に重なったり、スモークの軌跡が綺麗な物が多いです。そのようなときは機体もスモークもくっきりと写し撮れるように被写界深度にも気を配りたいものです。
基礎のおさらいになりますが、シャッタースピードを速くすれば絞りは開くので被写界深度は浅くなります。機体が目の前を横切って飛ぶような『4ポイント・ロール』のような課目であれば被写界深度に神経質になる必要はありませんが、『コーク・スクリュー』のようにスモークでらせんを描くような課目では被写界深度も頭に置いてシャッタースピードを調節するようにしましょう。
ISO感度は晴れていれば最低常用感度(拡張感度は使用しません)にしましょう。カメラにもよりますがISO100か200ですね。曇っている場合はISO400位まで上げましょう。それでもブレが見られる場合はもっと上げて機体を写し止めることを優先して構いません。
AFは動体撮影向きのコンティニュアスAFサーボ(AF-C)、レリーズモードは高速連続撮影にしましょう。AFエリアモードはダイナミックAFか3D-トラッキングがオススメです。AF/AEロックボタンに「AF-ON」を割り当てる親指AFを使用すると重いカメラでも人差し指の負担が減ってピント合わせが楽になるのでぜひ試してみてください。
ホワイトバランスは晴れているときは太陽光モードが青と白のコントラストが綺麗に出るのでおススメですが、オートでも構いません。望遠レンズにフォーカス制限切り替えスイッチが付いている場合は、「∞-6m」などの遠景にしておくと、不意にフレームインした前の人の頭にピントが合ってしまったというようなケアレスミスをなくすことができます。三脚は使用しないので、手ぶれ補正のスイッチはもちろんONにしておきましょう!また、撮影直後の画像確認はしないに設定して撮影へのタイムロスをなくしましょう。
広角レンズを装着したボディの設定
次に広角レンズを付けたボディの設定のお話です。こちらは一眼レフじゃなくてコンパクトデジタルカメラやスマホなどで撮影してもいいですよ。
露出モードは絞り優先AEでF8前後に設定しましょう。レンズは16-35mmのようなレンズがあれば大空いっぱいに描かれるバーティカルキューピッドやスター・クロスなどを難なく撮れるのでベストです。ISO感度などの設定は望遠レンズのボディの設定と同様です。ただ、連写機能は使わずに1枚ずつ撮る設定にすることをおススメします。連写しても同じような画ばかりになってしまいますので(笑)。
今回は数字の設定ばかりなので堅苦しく感じたかもしれませんが、次回はついに実践編です。動きモノが苦手な女子でもちょっとのコツでブルーインパルスをかっこ良く撮る方法をお教えしちゃいます!
撮影機材:ニコンD4S、D610、AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR、AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR