今年こそ!いつものミラーレスカメラで花火を撮ろう

夏本番を迎え、花火大会が楽しみな季節。夜空の美しい大輪を写真に写してみましょう。花火の撮影は難しいイメージがありますが、基本の設定さえ覚えておけば、思ったより簡単なものです。

今回は道具編と撮影編、準備編に分けて、ミラーレスカメラを使った花火撮影のポイントを解説します。

道具編:何はなくとも三脚をゲット!

花火撮影の必須のアイテムとは何でしょうか。カメラボディ、レンズ、記録メディア、バッテリーは当たり前ですが、加えて必要なのが−−三脚です。

実は打ち上げ花火をちゃんと写真にするには、花火が打ち上がって炸裂してから、開ききるまでシャッターを押しっぱなしになければなりません。その間、カメラを持っている手のぶれが伝わり、写真もぶれてしまいます。そこで三脚の出番。カメラを三脚に固定するとカメラは動かなくなるので、シャッターボタンを数秒間押しっぱなしにしても、ぶれた写真にはなりません。

ゆっくり広がる花火をすべて写し込むなら、シャッターをずっと開けなければなりません。この写真の場合は10秒。三脚でカメラを固定しないと、絶対にこうは撮れない写真です。

ところで三脚というと、大げさで重いものを想像しませんか? 三脚にはカメラとレンズがぐらつかないしっかりした強度と重さが求められますが、最近はミラーレスカメラにぴったりの小さくて使いやすい三脚が人気です。ミラーレスカメラは一眼レフカメラより小型なので、そんなに大きな三脚は必要ないのです。

こうして見ると結構大きく見える三脚ですが…
縮めるとこれくらいの長さに。ベルボンのシェルパ435 IIという製品です。
三脚にカメラをしっかり取り付けます。
操作するときはこんな感じ。構図が決まったら、手を離して撮影します。
カメラを縦にして撮りたいときはこうです。
カメラを真上に向けたい場合は、前後逆さまにカメラを取り付けます。花火を撮影するときに覚えておくと便利です。

花火以外にも夜景など別の撮影でも活躍しますので、これを機に、三脚について調べてみてはいかがでしょうか。

三脚と合わせてブレを防ぐアイテムが、ケーブルレリーズです。

花火の撮影は基本的にシャッターボタンを押し続ける必要があるのですが、ずっとカメラに触れていることになるため、指先の揺れが伝わりがちです。せっかく三脚を使っているのに、これではもったいない。

ケーブルレリーズがあれば、手放しの状態で撮影でき、よりぶれが防げます。機種に合ったものを購入しましょう。

ケーブルレリーズがあれば、カメラを指でぶらすことなく撮影できます。

レンズでおすすめは高倍率ズームレンズです。広く全体を写せる標準ズームレンズ、アップで写すなら望遠ズームレンズの2本を1本でカバーできるからです。レンズ交換の手間がないので、、シャッターチャンスを逃しにくくなります。

花火撮影は忙しいので、レンズ交換せずにどんどん撮りたいもの。おすすめは高倍率ズームレンズ。標準ズームレンズより、望遠側の焦点距離が伸びます

もちろん、標準ズームレンズ1本でも撮れますが、こういう迫力あるアップの写真は難しいでしょう。

望遠ズームレンズの最望遠で撮影しました。標準ズームでこの構図は無理です。

ちなみに、明るい高価なレンズは必要ありません。数秒間シャッターを開けっ放しにするため、どのみち絞りを絞って撮るからです。

また、花火は遠くで打ち上がっていることもあり、明るいレンズを使って背景をぼかすこともないでしょう。つまり標準ズームレンズなどの一般的なズームレンズで十分なのです。

もうひとつ重要なアイテムに、カメラが水平になっているかどうかわかる水準器があります。打ち上げ花火が微妙に斜めに写っているのは悲しいですよね。花火をまっすぐ写し取るには、水準器があった方が確実です。最近は液晶モニターでカメラが水平になっているか確かめられる機種もあるので、それを使っても良いでしょう。

また夜なので、小さなライトがあると手元や足元を照らすのに便利です。

撮影編:設定は意外に簡単!花火が開き終わるまでシャッターを開け続けよう

光がコロコロ変わる日中に比べて、暗い夜空に打ち上がる花火。時間が経っても、光に大きな変化はありません。基本設定さえ間違えなければ、意外と簡単に花火が撮れるのです。

基本設定は以下の通りです。操作がわからない場合は説明書に従って、ひとつひとつ設定しましょう。

  • 露出モード:マニュアル露出
  • 絞り:F11
  • シャッター速度:BULB(バルブ)
  • ISO感度:200
  • WB:太陽光
  • ピント合わせ:マニュアルフォーカス

まず露出モードはマニュアルにします。絞りもシャッター速度も任意で設定することができます。

絞りはF11を基本とし、撮ってみて写真が暗ければF8に、明るければF16にします。

基本のF11、ISO200、BULBで撮影しました。約1秒間、レリーズケーブルのシャッターボタンを押しています

マニュアル露出に露出補正はないので、写真の明るさは絞りで調整します。花火の種類、あるいは単発か連続で打ち上がるかによって明るさが異なりますので、絞りで調整しましょう。

しっとり暗めに撮りたかったので、絞りをF11からF13に変更して、明るさを調整しました。シャッター速度は約2秒です。

シャッター速度は「BULB」にします。これは花火や星などの長秒露光撮影に使用するものです。通常はシャッターボタンを押すと露光が始まり、自動的に露光が終わりますが、BULBではシャッターボタンを押している間ずっと露光します。

BULBにするにはどうしたらいいか、良く質問を受けます。たいてのカメラでは、シャッター速度を遅い方に設定していくと、BULBが現れるので試してみてください。カメラによっては露出モードのひとつとして、単独で用意されていることもあります。

撮影のタイミングは、花火が上がったらシャッターボタンを押して露光を開始し、そのまま押し続け、開いて終わるまでシャッターボタンを押し続けます。

2発以上重ねたい場合はその間まで開けておきましょう。多少シャッター速度が長くなっても背景が暗い夜空なので極端に露出オーバーにはなりません。

順番にあがる花火を写しとめます。このとき、構図が気になりますが、カメラは絶対動かさないで!

ISO感度はなるべく低感度(基準感度)にします。せっかく三脚を使用しているのですから、なるべく高感度ノイズを抑えましょう。感度によって基本の絞り値が変わります。上の設定ではISO200、F11ですが、ISO感度100の機種ではISO100、絞りはF8を基準にしてください。

ホワイトバランスは基本的に太陽光にします。花火によっては蛍光灯にすると、クールな仕上がりになります。

ホワイトバランスを蛍光灯にしてみました。この花火の場合、クールな仕上がりになりました。

鮮やかにしたい場合は、仕上がり設定でビビッドや風景などのモードを選んでみましょう。

ピント合わせはマニュアルフォーカスとしましたが、オートフォーカスでも合わせることができます。花火が上がっている間に花火を狙えば合います。その後、マニュアルフォーカスにしても切り替えても良いのですが、ズームをするとピント位置が変わるので合わせ直しましょう。

意図的にピントをずらす表現方法もあり、シャッターを開けている間にピントを合わせた状態からフォーカスをずらすテクニックです。花が開いたようで美しいので、撮影に慣れたら挑戦してみましょう。

シャッターを開けているときにピントをわざとずらします。すると、こんなファンタジックな花火写真に。

注意してほしいのは、撮影後のノイズリダクション。シャッターを開けた時間とほぼ同じ時間だけ、撮影ができなくなるのです。次々と撮りたいならばノイズリダクションをオフにしますが、ノイズが気になる場合はオンにしておきましょう。

花火撮影で難しいのは、構図をどうするかでしょう。んな大きさの花火がどの位置に上がるかは、大会が始まってみないとわかりません。始まってしばらくは、ダメもとでどんどん撮るしかありません。

シャッターをいつまで開け続けるかも、慣れるまで難しいかもしれません。なるべく大きく花火を写したいなら、開き終わるまで、じっと耐えてください。

まとめ

花火大会の情報を事前に入手しておければベストです。撮影ポジションはどこがいいのか、どんな花火が上がるのか……毎年行っている花火大会なら、雰囲気がわかって有利ですし、大会プログラムがあると役立ちます。

また、花火の煙が増えてくると写真がもやっとしてくるので、大会のはじめの方がシャッターチャンスです。

湖面に花火が写る+後ろに山並みが入る場所を探して三脚をセットしました。良い場所を確保するには、早めに会場に向かいたいものです。

当日は早めに会場に到着し、撮影に適した場所を確保しましょう。前に人が立たれにくい通路の先端、土手の斜面が最適です。うっすらと明るいうちに機材をセットし、撮影モードを設定しておきましょう。たくさんの観客に囲まれるような場所では、小さな折りたたみいすを用意し、座って見上げるように撮影すれば、他の人の邪魔になりません(三脚は低くセットします)。

夏の夜に出逢える美しい花火。事前の準備をしっかりして、撮影にチャレンジしてくださいね。

制作協力:ベルボン株式会社

(2014/8/1)
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。日本自然科学写真協会(SSP)会員。