【女性向け講座】オリンパスPhotoRouge

きょん♪先生に教わる! レストランで撮る美味しい料理撮影会

「PhotoRouge(フォトルージュ)」とは、オリンパスが主催する女性専用の写真講座。女性の講師をお迎えして、雑貨やカフェ、おさんぽ撮影など女性に人気の被写体の撮り方を学びます。

今回は人気で予約がすぐに埋まってしまう川野恭子さんこと、きょん♪先生のフォトルージュにお邪魔して、横浜山手西洋館レストランで行われたランチ撮影会をレポートします。

横浜・山手レストラン、エリゼ光できょん♪さんと一緒にパチリ♪
講師の川野恭子さんこと、きょん♪先生。ゆるかわ写真家。日常生活に見え隠れする「かわいい」や「素敵」を夢ごこちなやわらかいトーンで切り取るのが得意。講師だけでなく、雑誌・書籍への作品掲載や執筆など幅広く活躍しています

光、色、構図を意識して自分の“美味しい”を表現しよう

最初は横浜中華街にあるきょん♪先生のアトリエ フォトチョコに集合。きょん♪先生が撮影した写真のスライドを見ながら、料理を美味しく撮るカメラの設定や撮り方のコツを教えていただきました

きょん♪先生が事前にエリゼ光で撮影した料理写真を見ながら、撮影のポイントを教えていただきました
ポイントとなるカメラの設定は、メニュー画面をプロジェクターに映し参加者と一緒に事前に設定しました

きょん♪先生の美味しい写真レッスン

1. 料理の基本は光から
料理は光の向きで印象が変わります。光の向きは、お料理の斜め後ろ(半逆光)が美味しく写ります。ただし、露出補正を使って明るくしないと暗くなってしまうので注意してくださいね。

2. 美味しく見える「色」で撮る
色味はホワイトバランスで調節します。温かい料理は「曇天」などの暖色系、冷たい料理は「電球」などの寒色系の色味で撮ってあげると美味しそうに見えますよ。またピクチャーモードを「Vivid」にして素材の色を鮮やかに見せるとより美味しさがアップします。

3. レンズは望遠側で固定!
きれいにセッティングされた料理を前にすると、つい欲張ってたくさん写そうと広角側を使いたくなります。でも広角側で撮ってしまうと、余計なものが写り込みやすく料理以外のものに目が行きやすくなります。レンズは望遠側に固定して、自分が“美味しそう”と感じた部分だけを切り取りましょう。また望遠側にすることで、ぼけやすくなり素敵な印象になりやすくなります。オリンパスの単焦点レンズなら25mmか45mmが使いやすいと思うのでオススメです。

4. 構図の基本は縦位置がオススメ
横位置の写真より縦位置の方が余計な空間が入らず、すっきりおしゃれな印象に。また、縦位置の方が奥行き感や立体感が出しやすく、ボケも作りやすくなります。

5. 料理の顔を見つける
料理は運ばれたままの向きが正解とは限りません。正解はないんです。まずは料理を観察すること。いちばん美味しそうに見える「料理の顔」を見つけましょう。

6. 料理にグッと寄って写す
フランス料理はお皿が大きいのでお皿を切るには勇気がいると思います。しかし、主役はあくまで料理。グッと寄って料理の顔を大きく写した方が、素材感やシズル感が伝わる美味しい写真になります。お皿や料理は全部を入れる必要はなく、自分の食べたいところが見えれば美味しさが伝わります。また、切り取るなら料理の顔がきれいに見える明るい部分を切り取りましょう。もし料理の顔が影になるようだったら、白いナプキンを使ってレフ板代わりに使うのも◎。白い洋服もレフ板代わりになるので、撮影の時は意識的に着るのがオススメですよ。

7. 料理の高さでアングルを決める
料理の角度は「いただきます」と料理を食べる人が座った状態から見た斜め45度のアングルから撮れば万能です。ただし、平べったい料理は上から料理全体が見えるように、背の高い器の料理は横から写し高さを強調してあげた方がバランスがよい時もあります。ワインボトルと前菜のように背の高いものと低いものを一緒に撮るのはとても難しいです。

8. キラキラが美味しさの決め手
半逆光から写すと、料理はキラキラとテカリが出てきます。キラキラ=シズル感(美味しそうと感じること)です。テカリの反射はちょっとした角度で見え方が変わります。キラキラの面積が大きいと、素材の質感や色が伝わらなくなるので、うまく調節して入れましょう。

9. お皿の配置は「斜め」か「くの字」
料理やカトラリーを斜めに配置すると、視線が奥まで誘導され奥行きが感じられるようになります。また複数の要素がある時は、くの字やジグザグに配置すると視線が画面をまんべんなく動きバランスよく感じられます。

10. 食べている途中も画になる
きれいに盛られた料理だけでなく、食べている途中の写真も残してみましょう。動きのある写真になり、写真にバリエーションが増えます。もし片手で撮るのが難しいようでしたら、隣の人に声をかけて撮らせてもらうのもいいですよ。

11. かわいく撮るなら玉ボケや前ボケを
お店の照明を利用したキラキラ玉ボケ、手前のものを大きくぼかしたフワフワの前ボケを写真に取り入れるとかわいらしい印象がアップします。

料理撮影のポイントを学んだら、いよいよ美味しいフランス料理撮影の始まりです。15分ほど歩いて横浜山手にあるフランス料理店 エリゼ光に移動しました。時刻は14:00ごろ。みなさん、お腹ペコペコで撮影に挑みました。

中華街のアトリエ フォトチョコから、元町・中華街駅のエスカレーターを上り、アメリカ山を経由して、横浜山手の外人墓地前にあるナチュラルフランス料理店エリゼ光へ
店内は自然光がたくさん入り、窓の外は春に桜並木、夏は横浜の夜景と共に花火、秋冬には富士山を見ることができるそうです
美しい絵皿の上に乗ったナプキン。いよいよフランス料理が運ばれてきます
前菜のトウモロコシの冷製スープ。フレッシュトウモロコシと一緒にいただきます。まず、なにも考えずに座った状態でカメラの設定も変えず撮ってしまいました。ここからきょん♪先生に教わったことを順々に試してみました
露出補正を使って明るくしました。明るくしただけで写真が一気に華やかになりました。
レンズを望遠側にして、料理にググッと近づきました。私の背中に窓があるので、光は順光の状態です。料理は目立ちますが美味しさは今ひとつの印象
自分の席の料理は順光だったので、半逆光になる隣の人の料理を撮らせてもらいました。料理に立体感やビンに透明感が出てきました
縦位置の構図に変更。周りの余計なものがなくなり、料理に視線が集まるようになりました。ただ後ろの人の髪が写り暗い部分ができて、料理より目立ってしまっています
背景に暗いものが写らないようにアングルを整えました。また、最初はホワイトバランスを「曇天」で撮影していましたが、冷製スープだったのでホワイトバランス「オート」にWB補正でブルーを足して寒色系にしました。最初の写真から比べると、美味しそうに写っているでしょうか?
フレッシュトウモロコシだけを主役にして、ググッと寄って撮影しました
参加者のみなさんは、「撮りたい…でも美味しいうちに食べたい」と葛藤しながら、撮影と料理を楽しんでいました
2品目は桃とトマトのガスパチョとカレイのカルパッチョ。「立っているトマトの皮の透けた感じが表現できると素敵に写りますよ」と、きょん♪先生からみなさんにアドバイス
自家製のライ麦パンはジャガイモのオリーブオイル煮込みに付けていただきました。とても美味しかったです
醤油パンは、その場でサーブしていただきました。サービスの方の仕草もシャッターチャンスですね
シャンデリアの玉ボケと料理を多重露光で撮影する方法を学びました。1枚目はシャンデリアをぼかした玉ボケを撮影します。暗めに撮影すると2枚目が写りやすくなるとのこと
2枚目にサワラのポワレモロヘイヤのソースを多重露光で重ね合わせます
シャンデリアの玉ボケとポワレが重なり合い、“美味しそう!”と撮影者の脳内イメージが表現できました。料理の顔を意識して、時にはモロヘイヤの葉っぱの位置を移動させるなどよりよい顔にするのもテクニックだそうです
料理を食べている途中の写真も撮影しました。サワラのポワレは、皮がパリッとしていて本当に美味しかったです
きょん♪先生は参加者をまわり、その人が撮りたいイメージを丁寧にアドバイスしていました
4品目はお待ちかねの肉料理。牛肉のサーロイン、焼きなすのソースです。蓋がオープンするたびに「わぁ!」と歓声が上がりました。蓋を開ける時もシャッターチャンスですね
お肉の断面がとくに美味しそうに見えたので、ピクチャーモードを「Vivid」にしてお肉の色を強調しました
お肉も多重露光で脳内イメージを表現してみました。玉ボケが主役に邪魔しない位置に来るように調整しながら撮影するのが難しかったです
デザートは三浦のメロンのクープ。背の高い盛りつけなので、みなさん苦労しながら撮影していました。「全体を写すのではなく、下から狙ってシャンデリアの玉ボケと組み合わせるのもかわいいですよ」と、きょん♪先生
きょん♪先生のアドバイスを元に、シャンデリアが玉ボケになる下からのアングルを探し撮影しました。デザートも冷たい料理なので、WBでブルーとメロン色のグリーンを足しました
撮るハードルが高いデザートは、どう切り取ったらかわいいか、みなさんいろいろなアングルや撮り方でトライしていました
食後の飲み物はコーヒーか紅茶が選べました。カップの柄は1人ひとり違っていてかわいかったです
エリゼ光の六川シェフとサービスの藤野さん。美味しい料理をありがとうございました!

美味しいフランス料理と料理撮影を堪能したら、アトリエ フォトチョコに戻り講評会です。1人1枚ベストショットを発表し、きょん♪先生に講評してもらいました。

きょん♪先生は講評で参加者の作品のよいところを見つけ褒めてくれ、さらによりよくなるポイントをアドバイスしてくれます。

みなさん、一生懸命先生の話を聞き、メモを取っていました。他の人の作品を見ることも勉強になったようでした。

1人ひとりの作品を壁に映し、講評していただきました
時には撮影データを見ながら、他の人がどのように撮ったのか解説したり、よりよくなる方法をアドバイスしていました
RAWで撮影しておけば、撮影後でも明るさや色味が変えられるカメラ内RAW現像の方法も教えていただきました

最後に横浜山手・西洋館レストランでランチ撮影会に参加した方の作品と感想をご紹介します。

松村尚子さん。「コーヒーカップの模様と色に惹かれ、色の設定を同系色に変えて撮り始めたら天井の照明が映り込んでいたので、映り込みの位置を何度もチェックしながらシャッターを切りました。映り込みに意識がいって、カップの持ち手まで入れられず、おまけに泡をそのままだったので、しっかり講評で突っ込んでいただきました(笑)」
シバさん。「レストランで思う存分に撮影する機会などないので、とても楽しくやりがいのある時間を過ごすことができました。思いがけず多重露出についても教わることができたのも収穫でした。おかげさまで、美味しかったデザートの脳内イメージな1枚が撮れました♪」
kitasyanさん。「きょん♪さんから直々に構図や被写体の『観察』の仕方から、カメラの使い方(設定やRAW現像まで)教わり、本当に目からウロコばかりでした! 他の参加者の方のお写真を拝見できたのも、同じ被写体なのに違う切り口で勉強になりました」
tomoさん。「きょん♪先生のわかりやすい講義と素敵なお写真に夢中になった前半はあっという間で、後半はいよいよ撮影。緊張するかと思いましたが、色も美しいお料理に、気づけば撮影に没頭していました。とても楽しかったです」
hitomiさん。「普段撮影するのは難しいフレンチレストランでの撮影会は周りに気兼ねすることなく楽しく撮ることができました。きょん♪さんの気さくで楽しい教習と、OLYMPUSのスタッフさんの懇切丁寧なサポートがあって楽しく充実した時間を過ごせました」
akikoさん。「座学で教えていただいても、いざ被写体を前にすると忘れていたりして、なかなか思うものが撮れないのですが、今日はきょん♪先生のRAW編集で素敵な写真に生まれ変わりました!これが撮影会の醍醐味です」
いづみさん。「今日の講座は、暑い中でしたが参加者の熱気もあって楽しく過ごしました。具体的な作例を見て撮ることができ、わかりやすいと思います。女の人だけなのもいいですね~。コンデジからミラーレスにして三年になり、最近二台目を購入してしまいました^^; カメラよりセットになっていたレンズ目的です。今日はそのレンズを初めて使って撮影しました」
ここちゃこさん。「きょん♪さんの撮影前レクチャーはとてもわかりやすく「なるほど」と頷くのに、いざ撮影会になると何から組み立てていけばいいのか…。でも、撮影会途中もきょん♪さんやオリンパスさんがカメラ操作も含め質問にすぐに応えてくれるのが嬉しかったです。参加者さんの写真にも刺激をたくさんもらいました。また次がんばります」
ここちゃこさんの講評中にきょん♪さんが「もう少し明るくして青みを足した方がいいかも」とアドバイス。きょん♪さんがその場でカメラ内RAW現像で調整してくれた作品です
斎藤風子さん。「今まで、漠然と縦撮りがいいかな、とか自然光で撮ろう、程度しか考えていなくて微妙~な写真ばかりだったのですが、どう撮れば素敵な写真になるのかポイントをググっと教えていただけたのでこれからはもっと美味しそうなお料理写真が撮れそう(撮りたい!)と思っています。寄るのと、くの字、食べている最中も…というのがすごく勉強になりました」

最後にきょん♪先生からメッセージをいただきました。

「今回は撮ること・食べることが同時で大忙しでしたが、オリンパスさんならではの機能をご紹介し、お料理の基本の撮り方、脳内イメージの表現方法まで、楽しみながら撮影していただけたと思います。ご参加頂きました皆さま、ありがとうございました。フォトルージュでは、オリンパスさんのカメラをお持ちでない方もご参加いただけますので、参加してみたいけど…とお悩みの方はお気軽にご参加くださいね」

きょん♪さんのフォトルージュは、今後も夜景撮影会や遊園地撮影会など、いろいろ企画されています。興味のある方は参加してはいかがでしょうか。

(2015/8/11)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!