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ロープロ「スリングショット300AW」

〜背負ったまま機材が出し入れできるリュック

スリングショット300AW。撮るときに背中から前に回して機材を取り出す。人物はLowepro海外セールス担当のLary Frank氏
 カメラバッグにもいろいろあるが、リュックタイプの欠点は、機材を出し入れする際、リュックを下ろさなければならないことだろう。ショルダータイプの愛用者曰く、「リュックだと歩きながらレンズ交換できない」ということになる。リュック愛用者の反論はおおむね「バッグを担いだまま写真を撮ることなんてない」というもの。しかし、リュックをいつも地面に置けるとは限らないし、バッグを下ろすにしてもショルダーの方が早い。ついでにいうと、同じ外寸法なら、ショルダーの方が収納力や収納に関する自由度も優れている。

 その代わり、目的地までの移動は圧倒的にリュックが楽だ。肩にかかる重みが両肩に分散する上、両腕が自由になる利点は見逃せない。徒歩での移動距離が長かったり、さらには悪路だったりすると、そのありがたみが良くわかる。

 リュックが持つ体への負担の少なさと、ショルダーの利便性を組み合わせたバッグはないものか。そんな欲張りな人に試して欲しいのが、ロープロの「スリングショットAW」シリーズだ。国内ではサイズ別に、2005年秋から「100AW」(1万5,750円)と「200AW」(1万7,850円)が流通しており、今春からは最大サイズの「300AW」(2万3,100円)が出回り始めた。

 タウンユースのリュックでいえば、いわゆるワンショルダータイプに属するのが100AWと200AW。どちらも幅広の肩掛けベルト1本を装備し、背中へは斜めに背負う。右脇腹を通るハーネスを本体に装着し、各部を締めると真っ直ぐに背負える。右下のハーネスを外してからリュック全体をスルリと体の前に回すと、バッグは横向きになる。そのとき、側面についていた取り出し口が上を向くので、このままカメラなどを取り出す仕組みだ。これなら肩から下ろすことなく、機材を出し入れできる。


スリングショットAW100。モデルの身長は170cm
スリングショット200AW

スリングショット200AWの開口部

 100AWと200AWは、どちらかというとスナップ向きの軽量装備に適したサイズだ。100AWは、小型の標準ズームレンズを付けたエントリー向けデジタル一眼レフカメラ、200AWは標準ズームレンズを付けた中級デジタル一眼レフカメラに最適。ただし、バッテリーグリップを付けた状態だと収納は難しい。

 そのほか、50-200mmクラスの暗めの望遠ズームレンズ、クリップオンストロボ、大口径単焦点レンズなどを収納できる。開口部にはメモリーカード入れ、レンズキャップなどを一時的に入れておけるメッシュポケット、液晶モニターなど保護するマイクロファイバーなどを装備。デジタル時代に即したリュックといえる。

 なお、100AWと200AWは、メイン収納部に加えて上部におむすび型の収納部が設けられている。しかし形状が特殊なため、タオルや携帯ゲーム機を入れるぐらいしか用途がない。

 100AWにしても、200AWにしても、機材を入れたまま前に回すコンセプトを考慮すると、あまり大容量だったり、複雑な外見はありえない。実際、機材の収納に自由度は少なく、大口径ズームレンズや通常サイズのノートPCの収納は、まず不可能だろう。スナップ用途なら全く問題ないが、風景写真などのネイチャー系を狙う撮影旅行ともなると、日帰りですら収納力に物足りなく感じたものだった。

 同じことを考えていた人は多かったようで、ロープロには早速「もっと大きなサイズはないのか」、「ボディ2台をスリングショットで持ち運びたい」との意見が寄せられたという。それをもとに作られたのが、新製品の300AWだ。今度はプロ向けのハイエンドモデルや、バッテリーグリップを付けたデジタル一眼レフカメラが余裕で入る。レンズの収納力も200AWとは別物で、仕切りの工夫次第では、70-200mm F2.8クラスの大口径ズームレンズにも対応可能だ。


スリングショット300AW。普通のリュックタイプと変わらないサイズだ
内部には大量の機材が入る。この状態でスムーズに前に回せるのは驚き

開口部。バッテリーグリップを付けたデジタル一眼レフカメラが入る。前方のメディアポケットはとても便利

 それだけに300AWを最初に見たときは、「機材をいっぱいに入れると前に回らないのでは?」と思った。100AWや200AWに比べると、とにかくでかい。100AWや200AWで肩ストラップに留めていたハーネスは、幅広の腰ベルトになったほどだ。

 目一杯機材を入れて回してみると、これが意外にスムーズに回る。慣れれば前に回した状態で、器用にレンズ交換を行なうことができる。肩ベルトの形状と滑り具合は絶妙で、300AWを頻繁に前後に移動しても、全く不安は覚えなかった。

 実際に300AWを渓谷で使ってみると、その独自の機構に何度も助けられた。「機材は重いし、被写体は逃げない。撮るときは普通に下ろせばいいや」と安易に考えていたところ、地面が泥だらけだったり、水しぶきが激しかったりと、思ったよりリュックを下ろせないケースが多かったからだ。そんなとき、前に回すだけで機材を取り出せる300AWの使用感は、まるでショルダータイプのバッグを使っているかのよう。前に回した状態で上部にひじを押し付けると、ブレ防止にもなりそうだ。

 上部のおむすび型収納部も100AWや200AWよりも大きくなり、2日分程度の着替えなどを詰め込める。ここに交換レンズなどのカメラ機材を入れても良いが、前に回すと開口部が横に向くので、レンズなどは転がり落ちる可能性がある。取り出す際には注意が必要だ。頻繁に出し入れするものを収納するのは控えた方が良いだろう。

 300AWで気になったのは、機材の取り出し口が前方に大きく開くこと。というのも、利用者は上から見下ろす形になるため、内部の収納具合がさっぱりわからない。正面から横方向に入れた機材を目視するには、前に回した300AWそのものを「えいやっ」と上に傾けなければならないこの動作は、肩ベルトを体に合わせてぴったりと締めていると難しい。

 さらに、開口部を全開にした状態でうっかり体を前傾させると、仕切り板との隙間に余裕のある機材が次々とこぼれ落ちる。おむすび型収納部と同じ問題だが、こちらはメイン収納部なので気をつけねばならない。これらは100AWや200AWでも同じだが、サイズが小さく、機材が少なかったためか、あまり気にならなかった。ただしこれは、開口部の開閉を制限するストッパーを利用することで防ぐことができる。

 結局、ストッパーを活用し、開口部を上だけ開けて使える状態にしておくのがベストだろう。全開にせず、上から取り出す分には問題ない。ボディ+標準ズームレンズはそのままでも大丈夫だし、交換レンズも横入れではなく、よく使うものは縦入れにするなどの工夫で使いやすくなる。また、仕切り板は取り外しがしやすい堅さなので、仕切り板を外して機材を取り出すのも容易だ。

 そのほか、頻繁に前に回すことが予想されるときは、腰ベルトをリュック底面のAW(オールウェザーカバー)収納部にねじ込むのも良いだろう。

 なお、両肩で支える本物のリュックに比べると、左脇と右肩に早く疲労が溜まる気がしたが、慣れればそれほどでもなかった。使用者の体型や体力にもよるだろう。これでノートPCの収納部や三脚ホルダーの付いた「400AW」があれば最高なのだが、今度こそ前に回らない気がする。

【5月17日】開口部の開閉を制限するストッパーについて追記しました。



URL
  ハクバ
  http://www.hakubaphoto.co.jp/
  ロープロ
  http://www.hakubaphoto.co.jp/lowepro/

関連記事
ロープロ、ノートPC対応バックパックなど2007年モデル(2006/11/13)
ハクバ、ワンショルダータイプのリュック「ロープロ スリングショット」(2005/07/22)


( 本誌:折本 幸治 )
2007/05/17 01:12
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