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オールインワンUSB 2.0リーダー/ライター(左)と30MB/s Edition SDHC対応USB 2.0リーダー/ライダー(右)
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サンディスクのUSB 2.0カードリーダー「ImageMate」シリーズの新製品「オールインワンUSB 2.0リーダー/ライター」(SDDR-189-J20、実売3,480円前後)と「30MB/s Edition SDHC対応USB 2.0リーダー/ライダー」(SDDR-199-J20、同2,480円前後)が発売された。どちらも2008年9月に発表し、同月開催された「フォトキナ2008」にも展示していたが、「どんな環境でもより速く転送できるよう開発している」との理由から、発売時期を延期していた。
オールインワンUSB 2.0リーダー/ライター(SDDR-189-J20、以下オールインワン)は、最高転送速度34MB/秒を謳う製品。対応メディアはCF、SDHC/SDメモリーカード、microSDHC/SDメモリーカード、miniSDHC/SDメモリーカード、メモリースティック/PRO/デュオ/PROデュオ/PRO-HGデュオ、xDピクチャーカード/Type M+/H/M、MMCなど。UDMAに対応する。
30MB/s Edition SDHC対応USB 2.0リーダー/ライダー(SDDR-199-J20、以下30MB/s対応版)は、2008年9月に発売したSDHCメモリーカード「Extreme III 30MB/s Edition」の高速転送性能を引き出すカードリーダーとの触れ込み。読み出しで30MB/秒、書き込みで27MB/秒を実現するという。対応メディアはSDHC/SDメモリーカード、メモリースティックPRO、xDピクチャーカード/Type M+/H/M、MMCなど。
いずれも本体色は高級感のあるブラックを基調としており、従来のImageMateシリーズとは趣を異にするデザインが印象的。本体上面にはアプリケーションの起動を割り当てられる「転送ボタン」を備える。
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メモリーカードスロット。30MB/s対応版(上)は対応メディアすべてを1つのスロットでまかなう
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転送ボタン
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背面にはUSBミニプラグを備える
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本体を支えるスタンドは金属製。リーダー底部のマグネットで吸着する仕組みだ。スタンドで立たせた状態での横幅は11mmとスリムで、デスクの上にあっても特に邪魔という感じはしない。
本体上面の「転送ボタン」は、ボタンにアプリケーションの起動を割り当てられる。丁度キーボードやノートPCなどについているクイック起動ボタンのように使用できるため、よく使うアプリケーションを登録しておくと便利だ。
転送ボタンの機能を使用するにはサンディスクのWebサイトから専用ソフトウェアをダウンロードしてPCにインストールする必要がある。
また、このソフトウェアをインストールすることで、オールインワンもしくは30MB/s対応版で使用中のドライブレターのみ表示する「ドライブレターアプリケーション」が有効になる。
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スタンドとリーダー底部にはマグネットを備える
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側面には刻印風のロゴをあしらう
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転送ボタンの割り当ては、アプリケーションのパスを指定するだけというシンプルなもの
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ドライブレターアプリケーションを有効にすると、USBリーダーにメディアを挿入したときのみドライブレターが表示される(画像ではL、M、Nドライブ)
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■ リーダー速度比較
今回は、オールインワンと30MB/s対応版によるCF、SDHCカード、メモリースティックPRO-HGデュオの速度計測に加え、比較対象として、バッファローの「BSCRA38U2」(Turbo USB ON)による計測データも記載する。
テスト環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Quad@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。「HDBENCH Ver.3.30」のDISK計測で5回ずつ計測し、ReadとWriteの各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
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テストに使用したメディア
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バッファロー「BSCRA38U2」
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●CFでのテスト
使用したメディアは、サンディスク「Extreme IV」の45MB/秒モデルとレキサーメディアの322倍速モデル「CF8GB-300-810」。
| Extreme IV | CF8GB-300-810 |
| Read | Write | Read | Write |
オールインワン | 30,250.2 | 28,823.4 | 29,594.0 | 25,616.0 |
BSCRA38U2 | 38,178.6 | 22,092.2 | 37,178.8 | 28,714.6 |
Extreme IVを使用した場合、ReadではBSCRA38U2に分があったものの、WriteではSDDR-189-J20が約1.3倍ほど上回る結果になった。
その一方、CF8GB-300-810を使用したテストでは、Read、WriteともにBSCRA38U2を上回ることはできなかった。
●SDHCカードでのテスト
使用したメディアは、サンディスク「Extreme III 30MB/s Edition」とレキサーメディア「SDHC8GB-133-850」。
| Extreme III 30MB/s Edition | SDHC8GB-133-850 |
| Read | Write | Read | Write |
オールインワン | 19,407.6 | 12,991.4 | 19,488.2 | 15,675.0 |
30MB/s対応版 | 27,807.0 | 17,427.8 | 19,316.2 | 15,176.0 |
BSCRA38U2 | 22,346.5 | 13,959.6 | 22,377.6 | 17,074.0 |
Extreme III 30MB/s Editionを使ったテストでは、30MB/s対応版が公称速度の30MB/秒には及ばなかったものの、それにせまる速度を示した。Turbo USBを有効にしたBSCRA38U2との比較でも、読み出し・書き込みともに約1.2倍程度引き離す形となった。
その一方、SDHC8GB-133-850を使用したテストでは、読み出し・書き込みともにBSCRA38U2が頭一つ抜きんでた。
●メモリースティックPRO-HGデュオでのテスト
使用したメディアはソニー「MS-EX2G」。
| Read | Write |
オールインワン | 16,487.6 | 13,035.8 |
30MB/s対応版 | 16,218.8 | 12,834.2 |
BSCRA38U2 | 34,924.2 | 21,158.8 |
Turbo USBを有効にしたBSCRA38U2がImageMateを倍以上引き離した。
●xDピクチャーカードでのテスト
使用したメディアはオリンパス「M-XD1GH」。
| Read | Write |
オールインワン | 5,354.0 | 393.6 |
30MB/s対応版 | 5,188.8 | 1,019.2 |
BSCRA38U2 | 5,316.0 | 1,760.6 |
Readではオールインワンが最も高速だったが、WriteではBSCRA38U2に軍配が上がった。30MB/s対応版は、Readではオールインワンに一歩及ばないものの、書き込み速度では大幅に引き離した。
■ まとめ
オールインワンは、30MB/s対応版に比べてやや凡庸な印象だが、CFの読み出し速度ではTurbo USBを有効にしたBSCRA38U2を上回るなど、良好な結果を残した。
30MB/s対応版は、その名の通り、Extreme III 30MB/s Editionを使用した際のパフォーマンスは圧倒的。Extreme III 30MB/s Editionのユーザーなら迷わず買いだろう。
機能面では、転送ボタンやドライブレターアプリケーションなど、なくても特別困るわけではないが、あればちょっと便利な機能が小回りの利く印象。転送ボタンについては、変に機能を持たせるわけでもなく、単純に「押せばアプリケーションが起動する」というシンプルなところに、個人的に好感が持てる。
デザインは無駄がなくすっきりした印象で、総合的に見てバランスの良い仕上がりになっていると思う。
■ URL
サンディスク
http://www.sandisk.co.jp/
製品情報
http://www.sandisk.co.jp/Products/Catalog(1137)-SanDisk_ImageMateReader.aspx
■ 関連記事
・ サンディスク、34MB/秒モデルなどUSBカードリーダー2製品(2009/02/03)
・ サンディスク「Extreme III 30MB/s Edition」(2008/12/11)
・ サンディスクは45MB/秒の「Extreme IV」CFを発表(2008/09/25)
( 本誌:関根慎一 )
2009/03/04 12:04
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