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ベンロ「C-168m8」

〜中国ブランドのカーボン三脚を試す

旅行用に開発されたカーボン三脚、C-168m8。小型で軽量ながら耐荷重は8kg。脚のみで価格は6万1,845円。装着している雲台はB-0。重量は290g。価格は1万9,110円。高級セットだ

 カメラ量販店などで最近よく見かけるようになった三脚ブランドがある。中国の三脚メーカー、ベンロ(BENRO)だ。広東省に本拠を置き、創業は1996年。BENROブランドは2002年にスタートした。日本での発売は2008年からで、ワイドトレードが輸入総代理店となっている。

 カメラやカメラ用品はもちろん、様々な製品で、中国製というのはすでに当たり前。しかし中国ブランドは決して多くない。まして中国ブランドのカメラ用品は、日本ではとても珍しい。それも本格派のカーボン三脚だ。クオリティや使い勝手はどうなのだろうか。

 ベンロはカーボン三脚を中心にラインナップしている。そのなかで、トラベルシリーズは、その名の通り旅行を意識したカーボン三脚だ。ラインナップは耐荷重別に3種類あり、それぞれ4段と5段を用意している。ここでは中間に位置する4段モデル「C-168m8」を取り上げた。


三脚には専用ケースが標準装備。ショルダーストラップで肩にかけることもできる。バッグの中にはポケットもあり、レンチや小物が収納可能。ハンドグリップはウレタン状で持ちやすい
 旅行先で夕景や夜景を撮りたくても、三脚を持って行くのは面倒なもの。特に携帯性が気になる。C-168m8の格納高は375mmと小型だ。ショルダーストラップ付きの専用バッグも付属し、持ち運びは楽。重量も1kgを切る0.96kgと軽量だ。

 しかもトラベルシリーズは、国内ブランドの三脚には見られない、大きな特徴を持っている。それはジッツオのトラベラーシリーズのように、脚が180度回転することだ。エレベーターをいっぱいまで上げて、脚を180度回転させれば、通常の縮長よりさらにコンパクトになる。以前に筆者が初めてこのタイプの三脚を手に取り、ケースから出すと、雲台取り付け部が無いように見えたので、一瞬違和感を持った覚えがある。それだけ斬新だったということだ。また同時によく考えたものだと感心もした。


格納高は375mm。雲台を装着している状態だが、まるで雲台が無いように見える。脚が180度回転し、エレベーターと雲台を包んでいるようなスタイル。おかげでよりコンパクトに収納できる

脚が180度回転するのは便利な機構だ。ただ、こまめに移動する場合は、折りたたむのがやや面倒に感じることもあった


エレベーターを伸ばさない高さは1,125mm。小型4段三脚ながら、意外と伸びる エレベーターも上げた全高は1,310mm。B-0の高さは約87mmなので、1,400mm近くになる

C-168m8にはレンチが付属。雲台取り付け部のナットや、脚の取り付け部のナットなどがすぐにメンテナンスできる
 脚のロックグリップは大型のゴム。手のフィット感もよく、軽い力で操作ができる。空回り防止機構も搭載しているので、脚の細い部分を操作中に太い方のロックも一緒に回ってしまうことがない。スピーディーに確実なセッティングが可能だ。

 脚の出し入れはやや硬いようにも感じるが、スムーズと言っていいだろう。またエレベーターのロックも脚と同様のゴム。エレベーターはクランク式ではなく、ロックを緩めて手で上下させるのだが、こちらもスムーズに動く。操作していて中国ブランドを意識することは全くなかった。

 ベンロのカーボン三脚は、さらに特徴的な構造を持つ。それがカーボンファイバーの8層構造だ。多くのカーボン三脚は、カーボンファイバーが6層前後。しかしベンロは8層にすることで、より衝撃に強く、堅牢な三脚の開発に成功した。実際に脚をいっぱいに伸ばし、機材を載せても脚がたわむことがない。脚は決して太くないのだが、使っていると剛性の高さが伝わってきた。ベンロのクオリティは十分高い。


2006年の日本上陸後大きく注目されているベンロ。ロゴシールには、機種名も入っている BENROのロゴ部分が角度ロックレバー。開脚角度は2段の調節ができる。このレバーを上げたまま脚を開くと、180度回転する

脚のロックノブは大型のゴム製で、とても使いやすい。また空回り防止機構が採用されているのも親切だ 石突は樹脂製。砂地や雪など、特別の条件でなければ、滑りにくくて安定した使用ができる

エレベーターのロックノブも大型のゴム製。脚と同様、スムーズに操作できる 雲台の取り付け部は大ネジ(U3/8)。ただしネジを逆さまに取り付けると小ネジ(U1/4)になる。大ネジ、小ネジのどちらにも対応するので、気に入った雲台を取り付けられる


C-168m8に装着した自由雲台のB-0。ボール径は30mmあり、耐荷重は8kg。小型ながら堅牢だ
 C-168m8は、脚のみで雲台は別売。そこでここでは、ベンロの自由雲台、「B-0」を装着した。「B-00」に次ぐ2番目に小さい自由雲台で、コンパクトなC-168m8にピッタリだ。

 最も小さいB-00以外の自由雲台には、ロックノブが3つもある。ひとつはボールのロック。もうひとつはパン専用。そしてもうひとつが、ボール用ロックのテンションコントロールノブだ。

 なおB-00はボール用ロックとパン用ロックの2つのみ。ボール用のロックノブは大きく、とても使いやすい。しかもテンションが調節できるので、好みの固さに設定できる。テンションを緩めると手持ち感覚で撮影でき、締めると微妙な構図決定がやりやすい。


カメラはクイックシューで取り付ける。プレートのロックは大きなノブで、カメラを確実に固定できる

最も大きなノブがボールのロックノブ。どれだけ締め込んでいるかわかるように、目盛りが付いている

ボールのテンションを調節できるテンションコントロールノブ。こちらにも目盛りが付いていて、テンションの具合が視覚的に確認できる パン用ノブ。緩めると左右の回転のみできる。角度を示す目盛り付きで、パノラマ撮影に便利だ

シュープレートはB-0に付属の六角レンチで取り付ける。またB-0の三脚取り付けネジは大ネジだが、小ネジ変換のアダプターも付属。小ネジの三脚にも使用できる

 ベンロの雲台は、すべてクイックシュー式だ。プレートはロックノブで両脇からシューを締める方式。あらかじめカメラやレンズの三脚座にシューを取り付けておくことで、スピーディーな脱着ができる。ただクイックシューは好き嫌いがある。ちなみに筆者は、普段クイックシューはほとんど使わない。撮影状況によって様々な機材や複数の三脚を使い分けているので、個人的にはクイックシューはかえって面倒だ。できればクイックシューなしのモデルも発売してほしい。とはいえ、B-0自体はボールの動きやロックノブの操作は申し分なかった。

 C-168m8とB-0は、どちらも小型ながら耐荷重は8kg。これはフラッグシップクラスのデジタル一眼レフカメラに大口径超望遠レンズも載せられる数値だ。さすがにそれはバランスが悪いが、70-200mm F2.8を装着したミドルクラスのデジタル一眼レフカメラは余裕で固定できた。ただし、三脚と雲台を合わせた重量は1.25kgしかない。風の強い日は、載せる機材を軽くしたりセンターポールのフックにバッグ類を吊り下げて重しにするなど、安定性を重視させた方が安心だ。


身長約170cmの筆者が、実際にカメラを装着して構えている状態。完全なアイレベルには届かないが、使用上は特に問題なかった

センターポールの下側の先端はフックになっている。重り代わりのバッグなどを引っ掛けることで、風が強い日でも安定して三脚を立てられる

 購入時のセンターポールだと、ローポジションの際にエレベーターが地面につかえてしまう点が気になった。エレベーターを逆付けすると地面すれすれのポジションも可能だが、使いやすいとは言えない。オプションでローアングル用の短いセンタポールが用意されているが、エレベーターポールが2分割できる仕様だとさらに便利だろう。

 コンパクトで軽く、携帯性にすぐれたC-168m8とB-0は、やはり旅行に最適だ。しかし価格はC-168m8が6万1,845円、B-0が1万9,110円。性能は高い分、中国ブランドとは思えないほど高価だ。予算に余裕のある人でないと、気軽に購入はできない。旅先で本格的な作品撮りをしたい人におすすめだろう。


脚のみの最低高は275mm。ただエレベーターがつかえてしまうのが残念。エレベーターポールが2分割できれば、容易にローポジションが可能になるのだが。ローポジション用のエレベーターも用意されている センターポールを逆さまに付けると、地面すれすれのローアングルが可能になる。ファインダーが覗きづらいので、ライブビュー機能を持つカメラで行なうのがおすすめだ

アルミ製5段三脚のA-069m8と自由雲台B-00とのセット。価格は3万5,070円。使い勝手はC-168m8とほぼ同じだ。ただしB-00ではテンションコントロールノブを省略している。

 一方予算を抑えるなら、アルミ製の小型三脚も選択できる。5段の「A-069m8」とB-00のセットパッケージなら、標準価格は3万5,070円。重量はアルミながら雲台込みで1.18kgと軽く、耐荷重も6kgを誇る。脚の質感がカーボンとは異なるだけ。操作は雲台にテンションコントロールノブがないだけで、あとはC-168m8と変わりない。

 日本に登場してから、あっという間にジッツオやマンフロットに迫るほど認知度を上げているベンロ。改めて中国のパワーを感じた。


エレベーターを伸ばさない高さは1,195mm。エレベーターを上げた状態の全高は1,364mm(いずれも雲台あり)。格納高が334mmなので、いかに伸びるかがわかる

A-069とB-00のセットにカメラを装着して構えてみた。C-168m8と同様、身長約170cmではわずかにかがむ状態になるが、携帯性を重視した三脚としては上々だろう


URL
  ワイドトレード
  http://widetrade.jp/
  ベンロ
  http://www.benro.jp/
  製品情報(C-168m8)
  http://www.benro.jp/benro/c168m8.shtml
  製品情報(B-0)
  http://www.benro.jp/benro/head.shtml
  製品情報(A-069m8+B-00)
  http://www.benro.jp/benro/a069m8.shtml

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ベンロ、センターポールを倒せる三脚に4段モデル(2008/12/22)


( 藤井智弘 )
2009/03/02 11:34
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