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アクシーズクイン「2wayフィンガースルーミトン・プロ」
寒冷地で「待って撮る」人に最適
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2wayフィンガースルーミトン・プロ(14,700円)
アクシーズクインの「フィンガースルーミトン」シリーズは、アイデアが光る出色の製品で、冬の撮影にぴったりだ。手袋を2枚重ねで着用する人はけっこういると思うが、そもそも手袋は「重ね着」を想定してつくられていないので、指は動かしにくいし、締め付けられるし、1枚だけはずしたくても、重なったまま脱げてしまう。
寒冷地で素手になるのは危険だ。この原稿で「寒冷地」という場合は、零下10度以下を想定している。そのくらい冷えると、寒い冷たいというよりも、痛い。たばこ1本吸う間も我慢できないくらいだ。だが、たばこぐらい我慢するにしても、手袋をしているとやりにくい作業がたくさんある。写真撮影にともなう細かな作業ももちろんそうだ。したがって、手袋を着用していても、いざというときに脱がなければならなくなる。しかしそれだけは避けたい。そこで「フィンガースルーミトン」の出番だ。
「フィンガースルーミトン」は、フリースのインナーグローブに、ミトンのアウターをかぶせられる構造になっている。そのため、細かな作業が必要ないときはアウターをかぶせてジッパーを閉じておけばいい。ミトンは5本指の手袋と比べて保温性が格段に違う。そして撮影時はジッパーを開け、フリース製の5本指手袋をしたままカメラを操作する。このアイデアはすばらしい。
このシリーズで最高の保温力を誇るのが、「2wayフィンガースルーミトン・プロ」(14,700円)だ。アウターには牛革を使用し、耐久性はまったく心配なし。水が入りにくい構造のジッパーを開けると、防風フリース製のインナーをしたまま手を出せる。さらにすごいのが、親指、人差し指、中指の先が第一関節まで開くようになっているところ。防風フリースのインナーは薄手で、それだけでもかなり細かい作業ができるが、たとえばメモリカードやバッテリーの交換など素手でやりたくなる作業のときに、インナーの指先が開くとこの上なく便利なのだ。アウターには「-20℃」というゴールドの刺繍がある。つまり、零下20度まで対応しているということだ。ただしこれは個人差があるだろう。私はけっこう「耐寒性能」が高い人間なので、個人的には過去の経験から零下30度でも使えそうだ。
ジッパーを閉じた状態。保温力は高い
表革はしなやかだが、ミトンなのでカメラの操作はさすがに難しい
そこで側面のジッパーを開け、インナーグローブをはめた手を取り出す
さらにインナーグローブの親指、人差し指、中指は露出可能だ
デジタル一眼レフカメラとの組み合わせ例。コマンドダイヤルとシャッターボタンが操作しやすい
私の感想では、これを着用して動き回って撮るときよりも、1カ所にとどまって対象を待って撮るときに向いている。たとえば、日の出を待って風景を撮ったり、線路脇で列車をとるときなど。遠くに列車の姿が見えたらアウターのジッパーを開け、接近してきたらインナーをしたままの右手を出す。撮影後すぐにアウターの中に引っ込める。ダイアルを回したりボタンを押す程度ならインナーのままでも十分できるが、シャッターボタンの微妙な感触を大切にしているなら、撮るときだけインナーの指先をめくって人差し指を出せばいい。
私は「2wayフィンガースルーミトン・プロ」を、年末年始のヨーロッパに持っていった。出発前の天気予報では、滞在予定地すべてが例年にない暖かさで、はたしてこんなに保温力のある手袋を試せるのかと思った。ポーランドのワルシャワ、クロアチアのザグレブ、スロヴェニアのリュブリャーナの順にまわったが、日ごとに気温が上がっていった。試したのは最後のリュブリャーナで、気温は12度。着用していると、暑くてたまらない。手のひらにかなり汗が出ている。
スロヴェニアのリュブリャーナで試してみた
ところが、気温が高めだったことで、違ったメリットを見つけた。実は寒冷地では、予想以上に汗をかくものだ。特に手のひら、胸、脇など。厚い上着で身体を保温するのはいいが、動き回るとけっこう発汗する。その汗を冷やすのがまずいのだ。そこでアウトドアウェアメーカーの防寒着には、ジッパーを開けることで発汗にともなう内部の湿気を追い出せるようになっているものがある。
この仕組みを参考にして、「2wayフィンガースルーミトン・プロ」のアウターについているジッパーを、少し開けてしばらく着用した。すると、汗で濡れていたインナーと手のひらがけっこう乾く。というわけで、寒冷地でも2cmぐらい開けて着用するといいかもしれない。
今冬は世界規模で暖冬傾向が強く、「2wayフィンガースルーミトン・プロ」の真価をまだ試せていない。2月には中国の大連に行く予定で、ここなら必ず零下になるだろうと思いきや、長期予報では最高気温はプラス側にとどまり、最低気温も零下ひとケタ台だ。それでも上着を脱いでしまったリュブリャーナよりは「2wayフィンガースルーミトン・プロ」を試せることだろう。
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URL
アクシーズクイン
http://www.axesquin.co.jp/
製品情報
http://www.axesquin.co.jp/ftm.html
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( ケニー・オブライエン )
2007/02/01 01:20
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