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ソニー「GPS-CS1K」

とことん手軽にGPS+デジカメを楽しめるキット

左がGPS-CS1K。右はサイバーショット DSC-W50
 ソニーの「GPS-CS1K」は、「デジタルカメラとは接続できないけど、デジタルカメラの周辺機器」という不思議な製品だ。GPS-CS1K自身にできることは、GPSで自身の現在位置と日時、つまりGPSの世界でいう「軌跡」を記録するだけ。GPS-CS1K本体の操作部材は電源ボタンだけで、あとは電源や受信状態、軌跡データを貯めるメモリが満タンかどうかを表すランプがあるだけ。

 肝心なのは付属するソフト「GPS Image Tracker」で、GPS-CS1Kで記録した軌跡データとデジタルカメラで撮影した画像ファイルのExifに記録された撮影日時を照合して、「この画像ファイルはこの地点で撮影された」と割り出してくれるのだ。また、Exifに用意されたGPS情報欄に、割り出された位置情報を書き込んでくれる。

 GPSで撮影地点を記録して、撮影した画像ファイルに書き込む装置はいくつかあるけれど、どれも特定のカメラでしか動作しない。GPS-CS1Kの画期的なところはデジカメを選ばずにGPSを利用できるところだ(Exif 2.1以降に要対応)。

 GPS-CS1Kはソニー製品だから正式にサポートしているのはサイバーショットとハンディカム、α100だけだし、他社のデジカメ画像をGPS Image Trackerで照合しようとすると「動作保証対象外」の旨が警告される。しかし、筆者がニコン D50やパナソニック LUMIX DMC-FX01などで試してみたところ、ちゃんと照合できて、データの書き込みもできた。

 カメラの時計をきちんとあわせておかないと、日時を照合できない=正しい位置情報を書き込めないものの、手軽かつ安価(15,540円)にGPSデータとデジカメ画像の連携を実現できる。

 使い方は簡単。電源を入れてGPS衛星からの電波を受信して測地できる状態のGPS-CS1Kを持ち歩いて、撮影するだけ。GPS-CS1Kの大きさは全長87mm、直径36mmの円筒(実際には三角筒)だから、ズボンのベルトやかばんにぶらさげておけばよい。

 起動後に電波を捕まえるまでに1〜3分はかかるが、その間はGPS-CS1Kのアンテナがあるところ(GPS衛星のマークが印刷されているあたりだそうだ)を空に向けてじっと待つ。電波を受信できているかどうかは本体のGPSランプの点滅で知る。速い点滅が受信できていない状態、ゆっくりした点滅が受信できている状態を表す。


付属のカラビナでズボンのベルトループなどに吊るす
カラビナのストラップが長く、ズボンに吊るすとブラブラするのが気になった。というわけでカメラバッグに吊るすことに

GPS衛星のアイコンの下あたりに受信アンテナがあるそうな。測位中は空が開けているところでこのマークを上に向けて、GPSランプの点滅がゆっくりになるまで待つ
デジカメ側の日付と時計も合わせておく

 「GPS衛星からの電波を受信して測地できる状態」というのがちょっとやっかいなところで、当然地下や屋内では受信できない。乗り物の中でもなかなか厳しくて、バスの窓際に置いておけば受信できたが、車室の真ん中あたりに行くと受信できなくなる。受信できない状態から受信できるようになるまでもやはり1〜3分はかかる。乗り物を乗り継いで撮影行を続ける場合は、頻繁に受信しているかどうかを確かめ、受信していなければ空がひらけているところでGPS-CS1Kをかざして待つ、というのを繰り返すことになる。夏ならば炎天下に、頭上が開けているところで、じっとGPSレシーバーを持って立っていることになる。

 もうちょっと感度がよかったら、処理が速かったら、と望まないでもないが、GPS電波以外の補正手段なしで測地しているからこその安価さと手軽さだろうから、これはまあこういうものだと思うべきだろう。

 電源は単三電池1本。アルカリ乾電池で約10時間、ニッケル水素充電池で14時間もつ。1日中身に着けていたい、という向きには短いかもしれないが、電池残量の有無も本体のランプでわかるし、すぐに交換できるものだから、これでも問題はないはずだ。


電源は単三電池1本。アルカリ乾電池とニッケル水素充電池がサポートされる
GPS Image TrackerにGPSデータを付加したい画像を取り込んだところ。?マークが付いている画像は、対照すべきGPSデータがない日時に撮影された画像

対応機種以外のデジカメの画像を取り込むと、このような警告が表示されるが、GPSデータを付加することはできる リンク先はD50で撮影して、GPS Image TrackerでGPSデータを付加した画像。Exif ReaderなどでGPSデータの有無を確認されたい

 GPSデータが書き込まれた画像ファイルは、PGS-CS1Kに付属する地図ソフト「Super Mapple Digital Ver.7 for Sony」上にドラッグ&ドロップすることで、撮影地点にマッピングできる。画像の分布を見ているだけでも楽しめるが、マッピングした地図をBMP形式で書き出して、ブログに掲載するなどの利用もできる。

 Exifに記録された位置情報を元にマッピングしているわけだから、同じような機能を持つソフト、たとえば「カシミール3D」と「デジカメプラグイン」の組み合わせなどでもマッピングは可能だ。


Super Mapple Digital Ver.7 for Sonyにマッピングされた、GPSデータつき画像
カシミール3Dでマッピングした画像

 また、2006年8月以降に発売されたサイバーショットとハンディカムなら、同梱の画像管理ソフトウエア「Picture Motion Browser」からGPS Image Trackerを起動して位置情報を書き込み、地図にマッピングすることもできる(DSC-T30/W30/H5とα100はGPS-CS1Kに同梱されているアップデータをあてる必要があるが)。Picture Motion BrowserでのマッピングはGoogle Maps上に写真を配置するので、インターネットに接続した状態で行なう必要がある。しかしSuper Mapple Digitalが日本地図しか持っていないのに対して、Google Mapsは世界中の地図が使えるほか、Super Mapple Digitalよりも大きな縮尺を利用できるという利点がある。


画像管理ソフトのPicture Motion Browser
Picture Motion BrowserからGoogle Mapsに画像をマッピングしたところ。

 ところで筆者はかねがね、デジカメとGPSの組み合わせがあれば、写真の整理がもっと楽になるのに、と考えてきた。大量に溜まった写真から目的の写真を探すとき、現状では撮影日時やユーザーが付与したタグをキーに検索することになる。フォルダ名やファイル名をある規則でリネームして、写真の内容がわかるようにしている方もおられるだろう。

 しかし、タグだのフォルダ名だのの規則はいつのまにか破れてしまうこともあるし、なによりそんなことを考えるのは面倒くさい。撮った写真はどんどん溜め込んでおいて、後から必要なものをスカっと検索できるというのが理想だ。写真の中の顔を識別して、「写真に誰が写っているか」をキーに検索する技術なども検討されているようだが、日時以外で現実的かつ確実なキーは位置情報ではないだろうか。

 たとえば「保育園のお遊戯会の写真」がほしいと思ったら、お遊戯会の日付をうろ覚えでも、地図上で保育園の場所を指定したり、住所をキーに検索できれば、効率がよくなる。「横須賀のおばあちゃんの写真」がほしければ横須賀をキーに絞り込める。

 残念ながらGPS-CS1Kに付属するソフトでは、こうした使い方はちょっと難しそうだ。Super Mapple Digitalでは近いことができなくもないが、画像管理ソフトとして作られたものではないから、使い勝手がいいとはいえない。Exif検索機能がある画像管理ソフトならGPSタグも検索できるだろうが、検索前に住所を緯度経度に変換する手間が必要になる。このへんが使いやすい画像管理ソフトが登場すれば、GPS-CS1Kの価値はいっそう高まるのではないか。

 ともあれ現状でも、GPSと写真の連携をもっとも手軽に楽しめる製品であることに違いはない。地図上にマッピングされた画像を眺めているうちに、自分がどんなことに興味を持って、どんなふうに写真を撮っているのかが見えてくることもある。写真の新しい見方を獲得できるツールといえるだろう。



URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200608/06-0802C/
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/Peripheral/GPS/GPS-CS1K/

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( 本誌:田中真一郎 )
2006/08/31 00:01
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