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Canson「Montval Torchon」

~仏の名門製紙会社の画材調インクジェット用紙

高価な紙らしく、立派な箱に入っている
 写真のプリントといえば、日本では表面が平滑な光沢仕上げが一般的。インクジェットプリンタによるデジタル出力でも、プロアマ問わず、光沢用紙が選ばれる場合が圧倒的に多いのだそうだ。これが海外に行くと絹目調や画用紙風のように、表面に凹凸のある用紙のほうが支持されているとか。

 藤原新也氏がエプソン R-D1で撮影した作品展では、日本でまだ発売されていない「ベルベットファイン」という、やはり凹凸のあるタイプの紙にプリントされていた。氏はこの作品展で、「アナログ的な世界をデジタルでどれだけ表現できるか」に挑戦したと語っている。デジタル臭の払拭に、用紙も一役かっていたといえるだろう。

 今回取り上げる「Montval Torchon」(モンバル トルション)は、仏の名門製紙会社「キャンソン&モンゴルフィエ」による、インクジェット用アートペーパーだ。日本にはマルマン株式会社が輸入している。モンゴルフィエと聞いて「熱気球」を連想する人もいるだろう。1783年に初の有人飛行に成功したモンゴルフィエの熱気球は、紙でできていた。


用紙の色のせいか、想定した色合いとは異なる結果になるのが面白い 紙は硬く厚いが、プリンタにトラブルを起こすほどではない。表面の凹凸の質感が独特の趣をかもし出す

 キャンソンはさまざまな質感の用紙を揃えているが、Montval Torchonは緩やかな凹凸と、丈夫な表面が特徴で、「水彩画の複製に最適」とされている。染料にも顔料にも対応し、2,880dpi対応が謳われている。また、無酸紙なのでアーカイバルプリント(保存用プリント)にも使えそうだ。

 斤量(紙の重さ)は1平方mあたり280gと厚手のインクジェット用紙と同じくらいなのだが、これでプリンタを通るのかと思うほど硬い。色はややクリームがかっている。4辺の切断面がシャープでないのも、手作りのような趣があって楽しい。

 田園風景や植物をプリントすると似合いそうな用紙だが、あえて都会の夜景をプリントしてみた。いかにもデジカメで撮影したような硬く冷たい写真が、表面の凹凸で柔らかさと温かみを得た。また、紙の色のせいか、蛍光灯の緑かぶりや夜空、暗い部分が予想もしない発色になり、面白い。

 気軽なスナップでも、用紙しだいでアートっぽく仕上がってしまう。10枚で1,995円、1枚当たり200円近い用紙だからおいそれとは使えないものの、一度試すとやみつきになる面白さだ。なお、サイズはA4のみとなっている。



URL
  Canson
  http://www.canson.fr/
  マルマン
  http://www.e-maruman.co.jp/

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藤原新也とR-D1による写真展「フェルナンド・ペソアの午後」開催中(2005/01/07)


( 田中 真一郎 )
2005/02/17 00:43
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