トピック

ポートレートで“自分の好き”を追求したい!写真家が最新の機材を使う理由とは?

魚住誠一×高田メタルの対談動画(前・後編)がYouTubeで公開中

魚住誠一さん(左)と高田メタルさん(右)。ポートレート撮影にくわえ、音楽活動という共通点もあり親しい2人

ポートレートを得意とする写真家でありバンドマンとしての側面ももつ魚住誠一さんと、ミュージシャンでありカメラマンとしても活躍する高田メタルさんとの対談動画(前・後編)が、デジカメ Watch Channelで公開された。アイドルやモデルのポートレートについて並々ならぬこだわりを持つ2人が、お気に入りの作品を紹介しながら“自分の好き”を語り合う。

本対談はProGrade Digital提供による人気シリーズ動画の6本目となる。2人を知っているファンはもちろん、ポートレートやアイドルの撮影に興味のある方はぜひご視聴いただければと思う。今回は動画で語られている内容をピックアップして紹介したい。

前編
後編

【前編】ポートレートへのこだわりと、愛用の機材について語る

最初のトークテーマは「モデルが輝くベストな“瞬間”を撮影したい!」。2人がお気に入りの作品を交互に紹介していく。高田さんが撮影した女性ストリートミュージシャンの写真がモニターに映し出されると、「自身もミュージシャンである高田さんならではの作品。モノクロ写真のようなコントラスト感がすごく良い」と早速、魚住さんから板についたようなコメントが。それもそのはず、実はかつて高田さんが魚住さんの撮影セミナーに参加したところから交流が始まったそうで、こと写真に関して2人は師弟のような関係でもある。

背景の帽子のイラストとの位置関係も絶妙
EOS R5 Mark II/RF28-70mm F2.8 IS STM/44mm/マニュアル露出(F4.0、1/125秒)/ISO 160/WB:オート/モデル:花梨りこ/撮影:高田メタル

2番目のトークテーマは「使用している機材について」。現在、魚住さんはソニーのα7R V、高田さんはキヤノンのEOS R5 Mark IIをメインに使用しており、2人には使用頻度の高い85mmの単焦点レンズとセットでスタジオに持参してもらった。

魚住さんが同レンズで撮影した作品を紹介しつつ、最近は開放絞りF1.4の単焦点レンズでも、あえてF2.2からF2.8くらいまで「ちょい絞り」して撮影していることを解説。開放でなくとも美しい背景ボケを得られるコツがあると力説する魚住さんに、高田さんも大いに触発された様子。早速、自身の作品ではどのくらい絞って撮影しているかを解説に取り入れる。2人の実直な関係性がうかがえるワンシーンだ。

ポートレート撮影で単焦点レンズは開放絞りで使うべき、という常識を見直したいという

魚住さんの撮影スタイルを変えたProGrade Digital製CFexpressカード

魚住さんがカメラのメモリーカードスロットから、ProGrade DigitalのCFexpress Type A IRIDIUM(イリジウム)960GBを取り出した。α7R Vは約6,100万画素というトップクラスの有効画素数を持ちながら、最大10コマ/秒で被写体を追従・連写できる高性能機だ。

カメラに見合う高性能なCFexpressカードを使用することでそのスペックを完全に引き出せるようになり、魚住さんの撮影スタイルが変わったという。連写の合間に発生する書込み待ち時間により、撮影が中断されることもないそうだ。

魚住さんが、水しぶきとともにモデルの表情を切り取った高速連写の作例をコマ送りで確認すると、すべてのコマに高解像度による高い描写力が感じられ、かつ多数の選択肢の中からベストな1枚を選べることのメリットが大いに伝わってきた。

モデルの顔に水しぶきが掛かり過ぎない、ちょうど良い瞬間をセレクトした
α7R V/FE 85mm F1.4 GM II/85mm/マニュアル露出(F2.0、1/13,200秒)/ISO 400/WB:オート/モデル:福江もね/撮影:魚住誠一

一方、高田さんは同じくProGrade DigitalのCFexpress Type B IRIDIUM 1.6TBを使用しているそうだ。高田さんのメイン機材であるEOS R5 Mark IIは約4,500万画素かつ、約30コマ/秒という高速連写を誇る最新鋭機。こちらもメモリーカードに相応の性能が求められることはいうまでもない。

こだわり派の2人がともにProGrade Digitalの最新ラインナップであるIRIDIUMシリーズを使用していることは偶然ではなさそうだ

【後編】2人が今取り組んでいるテーマや、ポートレート撮影の小ワザを紹介

3番目のトークテーマは「ポートレート×推し活」。アイドル好きとして有名な高田さんが10年ほど前に最初にハマったのは「ももいろクローバーZ」だとか。“推し”のライブに参戦し、ステージや特典会などで撮影し始めたことからポートレートにのめり込んでいったと、高田さんは目を輝かせる。

そして、自分なりの表現を試行錯誤していった結果、個別にモデルさんへ出演を依頼し、じっくりと1対1のポートレート撮影を行う割合が多くなってきたという。現役のミュージシャンでありながら、今ではアイドルのオフィシャルカメラマンを務めるほどにカメラマンとしても評価を得ている、高田さんの探求心は尽きることがないようだ。

高田さんいわくライブ撮影では100-300mm F2.8が“伝家の宝刀”だという
EOS R5 Mark II/RF100-300mm F2.8 L IS USM/200mm/マニュアル露出(F2.8、1/640秒)/ISO 1000/WB:オート/モデル:結城りな/撮影:高田メタル
トワイライトタイムの雰囲気を活かし、片手で外部フラッシュを構えて撮影
EOS R5 Mark II/RF50mm F1.4 L VCM/50mm/マニュアル露出(F1.4、1/125秒)/ISO 1600/WB:オート/モデル:大野舞/撮影:高田メタル

最後のトークテーマは「自分流・ポートレート撮影の小ワザ伝授」ということで、視聴者に向けて、最近のポートレート作例を中心に2人が使った「小ワザ」を紹介していく。

魚住さんの桜を狙った作例では、1人立つモデルの背景となっている河川沿いの美しい桜並木が、透き通るような朝の空気感とともに表現されている。

どのようなテクニックを使ったのかといえば、電車の始発に合わせて朝5時台に集合し、とにかく人のいない時間を狙って撮影することだ。また早朝の澄んだ空気感は女性ポートレートに適しており、それらがこの作品の静謐な雰囲気に繋がっているという。

高田さんも何度かチャレンジしたことがあるそうだが、「起きれた試しがない」との苦いコメントに笑いが巻き起こった。

昼間は多くの人で賑わう目黒川の撮影スポットにて、朝6時過ぎに撮影
α7R V/FE 35mm F1.4 ZA/35mm/マニュアル露出(F1.4、1/320秒)/ISO 200/WB:オート/モデル:HONO/撮影:魚住誠一

動画の終盤で、魚住さんは自身の撮影経験を振り返りつつ「特に現代のフォトグラファーは、新しい機材を使いこなすことを求められている」と語った。カメラ本体はもちろんのこと、それを取り巻くレンズやメモリーカード、カードリーダー、編集用のPCなど、挙げればキリがないほどに、我々が日々接している製品は進化し続けている。

それらの「テクノロジーを味方にして、新しい自分だけの表現を求めていってほしい」と魚住さんは続ける。その言葉には、ポートレートに限らず、様々な撮影現場を経てきた魚住さんならではの説得力がにじみ出る。高田さんもそれに深くうなずきつつ、貪欲に“自分の好き”を求めていきたいとトークを締めくくった。

ベテラン写真家の魚住さんでさえ、新しいメモリーカードによって撮影スタイルが変わったという

連動企画のポートレートフォトコンテストを開催

弊社インプレスが運営する写真投稿&共有サイト「GANREF」で、今回対談いただいた魚住誠一さんと高田メタルさんを選者に迎え、ポートレートフォトコンテストを開催する。

受賞者にはProGrade Digital製メモリーカードが進呈される(CFexpress Type A/CFexpress Type B/SDXCメモリーカードから選択可能)。

参加方法はGANREFに自身で撮影したポートレート作品を投稿し、特設ページより申し込みを行う。応募締め切りは4月11日(金)。5月20日(火)にデジタルカメラマガジン誌面とGANREF特設ページにて結果発表を予定している。

ポートレート撮影を始めたばかりという方も、腕試しに応募してみるのはいかがだろうか?

【ProGrade Digital】過去の対談動画

【ルーク・オザワ × 深澤 明「愛すべき飛行機写真の魅力」】
前編
後編
【山本春花 × 立花奈央子「愛すべきポートレートの魅力」】
前編
後編
【SHOCK EYE × 別所隆弘「愛すべき風景写真の魅力」】
前編
後編
番外編
【熱田護 × 福田典嗣「愛すべきF1写真の魅力」】
前編
後編
【中井精也 × 山﨑友也「愛すべき鉄道写真の魅力」】
前編
後編
GANREF編集部