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High-FIVE「EOS R5 Mark II」で挑む感動の撮影体験
アップスケーリングと高速連写を駆使して福田幸広さんが写す生き物たちの決定的瞬間
- 提供:
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
2024年10月22日 07:00
5本の指を高く掲げて手を合わせる。キヤノンの「EOS R5 Mark II」は、結果を見て思わずハイタッチをしたくなるような、感動的な撮影体験ができるカメラに仕上がっている。EOS R5を超える存在として進化を遂げた次世代機が生き物たちの撮影にどう活躍するのか、福田幸広さんがフィールドレポートする。
1965年、東京生まれ。日本大学農獣医学部卒。イギリスBBC Wildlife Photographer of the Year 2014【両生爬虫類部門】ファイナリスト作家。高校1年の時、タンチョウに憧れ北海道の地を訪れたことがきっかけで写真家の道を志す。「山もいいけど、海もいい」をモットーに、海でも山でも分け隔てなく自分の撮影したいものがあればそこへ行き、時間をかけて撮影を楽しんでいる。現在は「動物たちの幸せの瞬間」を大きなテーマに1年のうち300日以上をフィールドで過ごしている。写真集・写真絵本など著書多数。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年11月号』より転載・加筆したものです。
高画素と高速AFが融合したEOS R5 Mark IIは約1億7,900万画素機として撮影できるのが最大の利点
これまではAF性能が最高とされた約2,410万画素のEOS R3やEOS R6 Mark IIと約4,500万画素の高画素機であるEOS R5を併用してきた。その中でいつも思っていたのはAF性能と高画素が合体したカメラを使いたいということ。それをかなえてくれたのが、EOS R5 Mark IIだ。約4,500万画素の高画素機でありながら、AF性能が格段に進化している。
生き物の撮影では冒頭のアオバトの写真のようにどんなに超望遠レンズを駆使しても相手にプレッシャーを与えずに撮影距離を詰めるには限界がある。よりアップで迫力ある写真にするにはトリミング以外に方法がなかったが、雑誌の見開きなどの使用ではたとえ高画素機であってもトリミングの範囲次第では画素数不足に陥る。
ここでも、R5 Mark IIはカメラ内アップスケーリングという機能でこの悩みを完全に払しょくしてくれた。撮影後に画素生成できるので、ほぼ1億7,900万画素機として撮影できてしまうからだ。これで、R5 Mark II一択で撮影に臨めるというものだ。
POINT 01.静止画としても切り出しやすい8K RAW動画を撮影可能
オオサンショウウオの産卵行動は動画で撮りたい貴重なシーンだ。しかし、写真家にとって静止画も必須。どちらを優先して撮影すべきか迷うが、8K動画として記録しておけば、約3:2に切り出しても約2,600万画素程度の静止画を得られる。
さらにEOS R5 Mark IIは8K/30pのRAW記録と8K/60pのCanon Log記録を使い分けられる。画質優先なら静止画と同じく編集耐性が高いRAW形式で記録、動きを止めるのが主の場合は60pにしてシャッター速度を上げるなど、目的に合わせた選択がしやすくなった。
POINT 02.カメラ内アップスケーリングで動物たちの表情に迫る
撮影現場で「良し」と思ったカットでも、帰宅して冷静に見直すともっとアップに撮れば良かったと思うことがある。シカの親子のスキンシップを写した下写真もその一例。子ジカは気持ちが良くなったのか目をつむって舌を出した。2枚目の写真ははっきりとその様子が伝わるようトリミングをしたもの。アップスケーリングの1億7,900万画素は画素不足の心配をせずに自由なトリミングができる。
POINT 03.ニューラルネットワークノイズ低減で月をクリアに
満月の日にツバメのねぐら入りを撮影。ツバメが月をバックに飛ぶシーンが狙いだ。高速で飛ぶツバメをシャープに写すには、1/1,000秒以上のシャッター速度が必要。そのためにはISO感度を上げなくてはならない。今回はISO 6400で撮影したが、ニューラルネットワークノイズ低減は秀逸でこの程度の感度は難なくクリアに処理される。
POINT 04.プリ連続撮影で決定的瞬間を逃さない
プリ連続撮影はシャッターボタンを押したタイミングから最大15コマ分前までさかのぼって記録される機能だ。動物や鳥の撮影で、いざというときに役に立つ。アオバトの水飲みは、いつ大きな波が押し寄せるかの予測が難しく、チャンスを逃してしまうことも多いシーンだが、プリ連続撮影で良しと思った直後にシャッターを切ったら、プリ記録されていた部分がOKカットだった。
POINT 05.視線入力と被写体検出で素早く野鳥に迫る
処理能力の強化で視線入力によるフォーカス位置の選択がEOS R3よりもスムーズになった。被写体検出やトラッキングと組み合わせることで、ファインダー内の占有率の高い被写体の撮影では非常に使いやすい。下の写真はハヤブサをスローシャッターで撮影したものだが、見つめるだけでピントが合う。未来の撮影のあり方の一端を担う機能として注目している。
撮影自由度の向上が創造性を刺激する
テスト機からEOS R5 Mark IIを使い続けてきたが、苦手なシーンを探すのが難しいくらいのオールマイティーなカメラだった。僕のお気に入りは、カメラ内アップスケーリング。被写体となってくれる生き物は種の違いや、繁殖期などで神経質になることがあり、距離を詰められないことがある。
それでも力強いアップのシーンが撮りたくなることがあるからだ。トリミングの自由度が上がれば撮影後のイマジネーション次第で数パターンの作品を出力できる。アップスケーリングは元画像のピントが甘いと成り立たない機能だが、R5 Mark IIはピント精度が大幅に向上しているので、その点も安心だ。
ここぞというシーンを思いっきり連写し、背面モニターで結果を見てどれを選ぶか迷うくらい、ほとんどのカットにバッチリピントが合っていると、どんどん撮影が楽しくなる。その感覚を読者の皆さんにも味わってほしい。