トピック
戦闘機の海外演習をOWC「Atlas Ultra」CFexpressで撮る
膨大な画像データを受け止めてくれた“高速書込・大容量・信頼性”
- 提供:
- OWC
2024年6月7日 07:00
飛行機撮影と野鳥撮影を専門とする筆者にとって、メモリーカードに求める性能は「高速書込」「大容量」「信頼性」の3つである。加えて現在使用しているカメラはニコン「Z 9」と「Z 8」の2台で、どちらも有効画素数4,571万画素の高画素かつRAW撮影時の連写速度は約20コマ/秒を誇るモンスターマシンだ。
飛行機や野鳥の撮影は、一般的な撮影に比べると極端にシャッターチャンスが少ないこともあり、その貴重な瞬間をできるだけ高画質で、できるだけ多くのコマを残しておきたいものである。約4,500万画素ともなると1枚あたりのデータ量はとてつもなく大きく、しかも高速連写するとなるとそれを受け止めるメモリーカードの性能というのはとても重要だ。
筆者は記録画質を14bitロスレス圧縮RAW+JPEG FINE★に設定してRAWとJPEGを同時記録しており、1枚あたりのデータ量はおおむねRAWが50MB、JPEGが20MBで合計70MB。約20コマ/秒で記録すると1秒あたり1400MBにもなる。カメラから一気に押し寄せる大量のデータをメモリーカードが受け止められないと、連写が止まりシャッターチャンスを逃すことにつながる。ゆえにカメラのパフォーマンスを存分に生かせるかどうかは、メモリーカード性能にかかっているといっても過言ではない。
海外取材における大容量メモリーカードの優位性
2024年4月上旬、ギリシャ空軍主催の航空演習「イニオホス2024」の取材のためアテネへと飛んだ。海外取材時はミニマムな機材でマキシマムの成果を得られるよう、海外取材時の荷物選びは相当シビアにならざるを得ない。
もちろんメモリーカードも例外ではなく、大容量のものを揃えることで枚数を減らしたい。今回の取材用カメラはニコン「Z 9」と「Z 8」の2台で、メモリーカードにはOWCの「Atlas Ultra」をチョイスした。ギリシャ神話の巨神アトラスの名を冠したメモリーカードをギリシャに持ち込むなんて、縁起が良くて負ける気がしない(笑)。
「Z 9」のダブルスロットには「Atlas Ultra CFexpress 4.0 Type B 2TB」を2枚挿し、「Z 8」には「Atlas Ultra CFexpress 4.0 Type B 1TB」と「Atlas Ultra SD V90 512GB」をセット。主スロットと副スロットに同じデータを書き込むバックアップ記録とした。
とくに海外取材では撮り直しできないシーンがほとんどで、データの消失は避けなくてはならない。今回はカメラに挿した4枚のカードのほか、予備として1TBのCFexpressカードを3枚ほどカードケースに忍ばせておいた。
戦闘機の低空飛行訓練を撮影
ギリシャに到着して最初に向かった先は、飛行場ではなく山の中。峡谷を見下ろす岩場から低空飛行訓練を行う戦闘機を撮影するためである。
しかし訓練予定は事前に知る手立ては無く、来るか来ないかすら分からない戦闘機を待ち続けねばならない。ベストショットを夢見て何度も素振りするも、いっこうに戦闘機は来ない。
日が傾き諦めかけたその頃、谷奥から轟音が響いた。約3秒後に目に入ったのは、目線の高さを飛ぶギリシャ空軍のF-16Cである。
続いてもう1機のF-16Cがやってきて、余韻に浸る間もなくサウジアラビア空軍のタイフーンF2、スペイン空軍のF/A-18A+、ルーマニア空軍のF-16AMが2機ずつ飛来し、さらにフランス海軍のラファールMが飛来し、短い時間に10機もの戦闘機を撮影できた。
興奮のあまり連写しまくったが、「Atlas Ultra CFexpress 4.0 Type B」の高速書込のおかげでリズムを崩すことなく撮影できた。仮に連続撮影可能枚数の表示が0になっても、ほんの少し連写の手を緩めるだけですぐに連写性能は復帰するのが頼もしい。
初日にして大勝利を収めたことに気をよくして翌日もこの谷に訪れたが、なんと結果はスカ。厳密には2機のタイフーンF2が飛来したが、高度が高く撮影対象にはならなかった。
戦闘機40機の離陸を連続撮影
ギリシャ3日目はイニオホス2024スポッターズデー(訓練公開日)だ。演習参加機の発進基地であるアンドラビダ基地内に入り、滑走路脇で戦闘機の離着陸を撮影できるという貴重な機会だ。
ホストのギリシャ空軍からはミラージュ2000-5EG、ラファールEG、F-16Vバイパー、F-4E AUPファントムIIが、その他サウジアラビア空軍のタイフーンF2、カタール空軍のラファールEQ、フランス海軍のラファールM、スペイン空軍のF/A-18A+、ルーマニア空軍のF-16AMなど、魅力的な機体が次々に離陸する。
たいていの編隊で各4機ずつ、1度に30〜40機が離陸していくためシャッターチャンスが途切れない。離陸機1機あたりに撮影する枚数はまちまちだが、仮に20枚撮影したとすると40機で800枚にもなる。そして1時間後に訪れる着陸ラッシュ。離陸ほどは連写しないとはいえ、目の前に飛行機が来れば条件反射的にカメラを向けてしまうのが飛行機ファンの悲しい性である。
撮影後のバックアップ
1日の撮影が終わり宿に戻ると、バッテリーの充電と撮影データのバックアップ作業が待っている。この日のスポッターズデーで撮影したショットは、カメラ2台で約4,000枚、270GBにものぼった。今回は十分な容量のメモリーカードを用意できたので、PCにバックアップ後もメモリーカード内のデータを消去することなくそのまま撮影を続けられたので、精神的な安心感が大きかった。
ところでCFexpressカードの規格はCFexpress2.0からCFexpress 4.0へと大幅なスピードアップを遂げており、もちろん「Atlas Ultra」もCFexpress 4.0に対応済みだ。
今回の取材に使用した「Atlas Ultra CFexpress 4.0 Type B」では、最大読み取り速度3650MB/秒、最大書込速度3000MB/秒、最適継続書込速度1500MB/秒を誇る。しかしながら現時点でCFexpress 4.0に対応しているデジタルカメラはまだ登場しておらず、従来のCFexpress 2.0カードでも撮影時の書込速度自体は変わらない。CFexpress 4.0の書込速度を体感するには、次世代ハイエンドカメラの登場が待たれる。
一方USB4またはThunderbolt4ポートのある対応PCであれば、対応カードリーダー「Atlas USB4 CFexpress 4.0 Type B Card Reader」による最大5000MB/秒の高速転送が実感できる。
筆者のノートPCはまだ高速転送には対応していないのと、今回CFexpressカードとSDXCカードの2種類のメモリーカードを使用したため、カードリーダーは両カード対応の「Atlas Dual CFexpress + SD Card Reader」を使用した。
メモリーカードから最大1032MB/秒という十分な速度で転送できるのと、USBケーブル一体型で本体内に埋め込めるためケーブルを紛失する心配が無いのが海外取材ではありがたい。
「Atlas Ultra」で記録したギリシャ取材を終えて
今回のギリシャ取材で撮影したのは全体で約1TBで、それぞれのカメラに装填したメモリーカードを1度も交換することなく撮影を終えた。
安定した記録を約束してくれた「Atlas Ultra」メモリーカードは、パフォーマンスの高さはもちろんのこと、耐屈曲性、耐衝撃性、耐ESD性、耐UV性、耐X線性と、高い信頼性を誇っており、筆者がメモリーカードに求める性能である「高速書込」「大容量」「信頼性」の3つを十分に満たしていると実感した。
飛行機写真に限らず、高速連写が必要な被写体というのはたいていシャッターチャンスが安定しないものである。そのいつ訪れるとも知らず待ち続けたシャッターチャンスが、目の前に繰り広げられたとき、撮影者は胸の高鳴りの分だけシャッターを切る。それを受け止めてくれるのがカメラであり、メモリーカードである。
「Atlas Ultra」メモリーカードは、そんな撮り手のパッションをしっかりと受け止め、いくつものベストショットを記録してくれた。