トピック
ポートレート写真に圧倒的なインパクトを与えるRFレンズ
大きなボケ味と圧縮効果が魅力のキヤノン「RF135mm F1.8 L IS USM」
- 提供:
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
2024年5月29日 07:00
前回は「ポートレートのバリエーションが多く撮れる焦点距離は」というテーマで、限られたシーンで取り回しの良いレンズを比較検証した。
今回は「ポートレートにインパクトを生み出す1本」を探してみたいと思う。50mm、85mmがスタンダードになるポートレートにおいて135mmは完全に望遠域のレンズ。そのため、肉眼で見たのとは違う印象的な人物写真が撮影できる。今回は、写真家の清田大介さんにRF135mm F1.8 L IS USMがいかにポートレートレンズとして魅力的かというポイントを解説してもらった。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年6月号』より転載・加筆したものです。
圧倒的な引き寄せ効果による背景描写が得意
RF50mm F1.2 L USM、RF85mm F1.2 L USM DS、RF135mm F1.8 L IS USMのそれぞれの開放絞りで、全身とバストアップを撮影したときの背景の見え方について比較してみた。
135mmの場合、奥の木を引き寄せて葉をぼかしながら密集して描写できるので、モデルを背景から浮かび上がらせる効果が高い。他の2本に比べて開放F値は暗いが、焦点距離が長いためボケ量はむしろ多いように感じる。全身を収めて撮影した場合、撮影距離は10mほどになり、スタジオでの用途よりも屋外でさまざまな背景とのコラボレーションが期待できる。EOS Rシリーズの瞳トラッキングと手ブレ補正のおかげで、ピント合わせにシビアになる必要もなく、積極的に明るいF値を使える。
表現1;美しい前ボケでモデルを彩る
前ボケはモデルに視線を誘導する効果的な要素。135mmはその撮影距離からきれいな前ボケを作りやすい。前景、中景、後景を3層のレイヤーとして考えるのがポイントだ。ポートレートの場合は中景がモデルとなり、前景が前ボケ、後景が後ろボケとなる。大きい前ボケを作るためにはF値は開放絞りとし、レンズの前面に前景を配置する。画面全体にボケとなった色がかぶるので、肌や衣装のじゃまをしない淡い色や薄い色の被写体を選ぶ。カメラマンは前後に動きながらかぶり具合を調整する。
表現2:背景を大胆に圧縮してモデルを引き立てる
背景に何が写っているかという情報を圧縮効果で弱めると、絵画のようなポートレートが撮影できる。135mmは圧縮効果が強力で、アウトフォーカスとなる背景をぼかしながら引き寄せてくれる。前ボケと同じように肌や衣装のじゃまをしないきれいな色を背景に選ぶと失敗が少ないが、逆に暗い被写体であっても立体感が生まれる。モデルと背景が溶けないように観察したい。モデルと背景の画面上のボリュームは5対5ぐらいの配分になるように構図を作ると、モデルが浮かび上がる印象が強くなる。
まとめ:肉眼を超えた写真ならではの表現が大口径135mmの魅力
RF135mm F1.8 L IS USMは非日常を表現するのに最適なレンズ。EOS R5との組み合わせなら約8段分の手ブレ補正効果があるので機動力もアップする。望遠レンズは顔をクローズアップすることに注力してしまいがちだが、背景と前景を入れることでインパクトを生み出せる。自分が動いてよく観察しながら撮影しよう。
モデル:三橋くん