【記録メディア転送速度テスト】ウィンテックインダストリーズ「FileMate Professional 64GB」

  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。
FileMate Professional 64GB

 エバーグリーンが9月2日より直販サイト「上海問屋」で販売している米ウィンテックインダストリーズ社の「FileMate Professional」シリーズは、同社のラインナップ中、フラッグシップにあたるCF。上海問屋では64GBの「3FMCF64GBP-R」(2万1,999円)と32GBの「3FMCF32GBP-R」(1万3,999円)を販売している。国内販売はしていないが、ラインナップには128GBの「3FMCF128GBP-R」も存在する。

 90MB/秒の読み出し速度と、45MB/秒の書き込み速度を謳う。また、UDMA mode6に対応する。保証期間は2年間。

 容量に対する価格は他社製品と比べて大幅に安く、サンディスクやレキサーといったブランドと比べると、64GBの3FMCF64GBP-Rでも他社の16GB製品より安価となっている。


ニコン「D700」による書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、RAWデータ(ファイルサイズ約8MB)とJPEGデータ(ファイルサイズ約300KB)の同時記録で連写し、レリーズ回数を調べた。途中でバッファがフルになってもシャッターボタンを押し続けている。また、パワーバッテリーグリップなどのオプションは使用していない。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに、撮影開始から30秒間のレリーズ回数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズは装着せず、ボディキャップを装着した。
  • 露出はマニュアルモードで、シャッタースピードは1/2,000秒に固定。

各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)
製品名容量発売元区分レリーズ回数
CompactFlash 600X16GBPQICF68.8
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF67.6
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF67.0
TS16GCF60016GBトランセンドCF66.4
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF66.2
FileMate Professional 64GB
(3FMCF64GBP-R)
64GBウィンテックインダストリーズCF63.6
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF56.0
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF56.0
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF55.8
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF51.4
CombatFlash 8GB
(DDCFCOMBAT-8GB)
8GBデルキンデバイセズCF50.4


USBカードリーダーでのテスト

  • 「CrystalDiskMark Ver.2.2.0」の連続書き込みと連続読み出し(Sequential)で5回ずつ計測し、各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
  • テスト環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Quad@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。
  • USBカードリーダーはバッファローの「BSCRA38U2」。Turbo USBはON。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
CompactFlash 600X16GBPQICF34,10440,784
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF33,97041,644
TS16GCF60016GBトランセンドCF33,53241,382
CombatFlash 8GB
(DDCFCOMBAT-8GB)
8GBデルキンデバイセズCF32,74439,218
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF32,60040,742
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF30,77038,334
FileMate Professional 64GB
(3FMCF64GBP-R)
64GBウィンテックインダストリーズCF28,50041,865
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF26,42636,114
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF20,63835,660
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF19,04036,374


ExpressCard型CFアダプターでのテスト

  • 使用ソフトおよび計測方法はUSBカードリーダーと同様。
  • テスト環境は、Windows 7 Professional、Core i5 M540@2.53GHz、メモリ2GB、SATA200GBのノートPC。
  • ExpressCard型CFアダプターはサンディスク「エクストリーム・プロExpressCardアダプター」。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF78,94298,323
TS16GCF60016GBトランセンドCF73,82378,635
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF72,39289,935
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF72,16691,291
FileMate Professional 64GB
(3FMCF64GBP-R)
64GBウィンテックインダストリーズCF51,67589,565
CompactFlash 600X16GBPQICF46,16783,140
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF43,61843,099
CombatFlash 8GB
(DDCFCOMBAT-8GB)
8GBデルキンデバイセズCF39,20656,222
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF32,53359,871
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF19,14745,463


まとめ

 USBカードリーダーおよびExpressCard型CFアダプターによる計測では、やや中庸な印象を受ける一方、デジタル一眼レフカメラによるレリーズ回数は、サンディスクのExtremeを抑え、他社のフラッグシップモデルに肉薄する実力を見せた。

 他社製品と比べて特別高速というわけではないが、その水準は決して低くなく、高速な連写を繰り返すのでなければ、実用上不都合を感じることはないだろう。また、容量に対する価格を考えれば、コストパフォーマンスは十分に高いといえる。安価に大容量メディアを利用したいユーザーには魅力的な一品と言えそうだ。






2010/10/20 11:46