特別企画

写真画質はSC-PX1Vだけじゃない! もう1つのフラッグシップA3ノビプリンター

写真家・小林淳がエプソン「EW-M973A3T」を選ぶ理由

エプソン EW-M973A3T

写真家がプリンターを選ぶ際、A3ノビのラージフォーマットに対応しているかが、1つの大きな基準となる。従来、A3ノビの写真画質というと、ハイエンド機であるプロセレクションSC-PX1Vが真っ先に候補に挙がっていた。

しかし、写真愛好家にとってうれしい、新たな選択肢となる機種が登場した。エプソンEW-M973A3Tは、A3ノビサイズの用紙に対応しながらもスキャンとコピー機能を搭載した良いとこどりの複合機タイプ。写真家のみならずハイアマチュアユーザーにぴったりの本機の魅力を写真家・小林淳が紹介する。(編集部)


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小林淳

岐阜県生まれ。一級建築士として働きながら、家族の記録と地元の魅力を伝えるためにカメラを持つ。近年では行政との共催で写真展を開催。東京カメラ部201910選


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EW-M973AT3とSC-PX1Vの比較


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理由1:最新インクが美しい作品プリントを実現

EW-M973A3Tで使用するのはエプソン最新のClearChrome K2 Plusインク。顔料のマットブラック、染料のフォトブラック、グレー、シアン、マゼンタ、イエローの6色による鮮やかな色彩再現が写真を美しい作品に仕上げてくれる。

EW-M973A3Tで使用する計6色のインク
最新のインクにより暗部の再現性に優れた仕上がりが得られる

理由2:エコタンク(70ml大容量)搭載でランニングコストを大幅シェイプ!

L判プリントは1枚約7.6円、A4モノクロ文書は約0.7円というハイコストパフォーマンスを誇るプリンター。インク代に縛られることなくプリント作業が行えるので、色みの調整を追い込んだり、仕上がり別に何通りかプリントしたりして後から最高の1枚をチョイスするなど、写真家の制作スタイルに寄り添ってくれる。

インクボトルは70mlの大容量。インクの残量はサイドの窓から確認することができる

理由3:Wi-Fi対応で事務作業もこなせるA3ノビ複合機

建築士という仕事柄、書類などをスキャンしてPDFデータとしてパソコンに取り込み、先方にメールなどで共有したいシーンはよくある。在宅勤務やテレワークの機会が増えている中で、スキャン機能を搭載した複合機は、自宅に必需品だと感じている。

スマートフォンに保存していた写真データを、Epson Print Layoutからプリント。パソコンを立ち上げることなく時短プリントが可能だ
4.3型の大型タッチパネルで画像の細部が確認できる。色彩を自動で補正したり、好みの明るさに調整したりPCレスでのレタッチも可能

写真用紙クリスピア<高光沢>:鮮やかに美しく豊富な色彩情報

光沢用紙のプリントを手に取って率直に感じたのは、これまで使用していたColorioシリーズよりワンランク上の仕上がりのプリント作品が制作できるということ。

この「彩色千輪菊」と呼ばれる花火はその名のとおり、彩り豊かで写真家に人気の花火だ。夜であり、さらに光の情報量が多い花火の写真は、ハイライト部分とシャドウ部分の描写が重要になる。

EW-M973A3Tでプリントしてみると、花火や都市夜景のハイライト部分が鮮やかな色彩で表現できており、夜空や街の暗部は引き締めつつも黒つぶれせず、階調をしっかりと表現することができているので奥行きのある1枚に仕上げることができた。

花火部分の赤や青などの彩度の高い色彩は、一般的にこってりとした仕上がりになりがちだが、EW-M973A3Tの場合は輝きのある発色となり、繊細でシャープに表現されたことにも驚いた。これは染料インクの発色の良さと写真用紙クリスピア<高光沢>の高い光沢性で表現できたものだ。

写真用紙クリスピア<高光沢>。透明感のある白さが生きる高光沢の用紙。色の再現範囲が広く、ClearChrome K2 Plusインクとの相性も良い
染料インクはフォトブラック、シアン、イエロー、マゼンタ、グレーの5色。鮮やかな色再現を行う

染料5色インクが実現する鮮やかで豊かな色再現

特にグリーンの発色が良く、桜の花の優しくほのかなピンク色の発色がとても上品。桜の花や線路脇の生える草に良い光が当たっているが、それらのディテールは細かく繊細に表現している。高画素データのポテンシャルを十分に引き出してくれるインクだと言える。

Advanced-MSDTによる滑らかな階調表現

鮮やかな朝焼け空のグラデーションはプリントでの表現は難易度が高い。エプソンの最新インク技術である「Advanced-MSDT」はプリントに応じてインクのサイズを細かく調整し、最大5段階で打ち分けてくれる。その結果、滑らかかつ繊細で美しい朝焼けが生まれた。

Velvet Fine Art Paper:黒の締まりが浮かび上がらせる奥行き感

経験上、モノクロ写真をアート紙に表現するのは非常に難易度が高く、これまでは特に暗部の表現に苦戦してきた。モノクロ写真のプリントは暗部の階調が最も重要となるが、EW-M973A3Tは深くてコクがある黒色を出力し、繊細でなめらかな階調を表現してくれた。これは顔料のマットブラックインクによる効果が大きい。

上の作品は、廃墟のような雰囲気のビルの前を人が歩くシーンを正面から撮影したもの。平面的な構図の中に立体感が生まれたのは、暗部が引き締まって階調豊かに黒色が再現されているから。光の当たっている部分と影の部分に注目してみると、まるで3D画像をみているかと思うほどだ。

モノクロ写真とVelvet Fine Art Paperの相性も抜群で、より落ち着いたトーンでシックな仕上がりが大変気に入っている。長年苦戦してきたモノクロの悩みが解決され、自分のプリントテクニックがワンランクアップしたように感じた。

Velvet Fine Art Paper。コットン100%で凹凸のある手触りが作品性を高める用紙。ディテールの再現性が高く、モノクロ表現に使用されることも多い
Velvet Fine Art Paperへのモノクロプリントでは顔料ブラックと染料グレーが、深い黒と滑らかな階調を表現

顔料ブラックと染料グレーが再現する黒の締まり

黒つぶれが起きやすいシャドウ部の階調表現に注目してみると、当たっている光の強さによって変化するグラデーションが忠実に再現できていることに驚く。よく、モノクロ写真は階調で見せると言うが、文句ない階調再現が画面の中に立体感を生み出してくれている。

Epson Print Layoutで余白を調整する

「画像サイズと余白の設定」機能が非常に便利。余白サイズを決めるスライダー左右に動かすとプレビューと連動するするため、余白サイズを容易に決めることができる。

※©®TMなどの商標はすべて省略しています。

制作協力:エプソン販売株式会社

小林淳

岐阜県生まれ。一級建築士として働きながら、 家族の記録と地元の魅力を伝えるためにカメラを持つ。近年では行政との共催で写真展を開催。東京カメラ部2019 10選