特別企画

待望の新世代「FlashAir」をプロ写真家が早速体験!

記録・転送が高速化 モデル撮影で使ってみた感想は?

撮影:島田敏次
EOS 5D Mark III / Planar 85mm F1.4 / 1/500秒 / F2 / ISO100 / WB:4,300K

無線LAN搭載SDカード「FlashAir」の第4世代となるSD-UWAシリーズ(W-04)がいよいよ6月17日に発売となる。前モデルのSD-WEシリーズ(W-03)から2年でのモデルチェンジとなるが、東芝メモリの担当者曰く「すべてが新しくなった自信作」とのこと。

そこで、現行製品SD-WEシリーズ(W-03)からFlashAirを撮影に使い、東芝メモリ製メモリカード「EXCERIA(エクセリア)」ブランドのアンバサダーもつとめている写真家の島田敏次さんの撮影に同行し、使いこなしのポイントなどを伺った。

6月17日に発売される無線LAN搭載SDメモリカード FlashAir SD-UWAシリーズ(W-04)。

今回FlashAir SD-UWAシリーズ(W-04)を使ってもらった島田敏次さん

神奈川県川崎市出身、日本広告写真家協会正会員。1988年日本大学芸術学部写真学科卒。同年に株式会社博報堂フォトクリエイティブ(現:博報堂プロダクツ)入社。2000年に独立。2004年、有限会社テントゥエン設立。

第43回朝日広告賞/第二部K部門賞、第45回朝日広告賞/第二部B部門賞、第63回毎日デザイン賞/第三部部門賞、第58回日経広告賞/E部門 準部門賞、第59回日経広告賞/環境広告賞、第39回APAアワード広告作品部門入選など受賞。

2017年より東芝EXCERIAアンバサダーの一員に。EXCERIAアンバサダーは、東芝のパーソナルストレージ製品を通じ、記録することの大切さや、写真、映像の魅力を発信していくプロフォトグラファー。現在6名がメンバー。

EXCERIA Ambassador

格段に速くなったFlashAir SD-UWAシリーズ(W-04)でモデル撮影を敢行!

FlashAirを使い始めたきっかけを教えてください。

コマーシャルフォトのカメラマンなのでテザー撮影(=デジタルカメラとPCをUSBケーブルで接続し、PCの画面で確認しながら行う撮影)をすることが多いのですが、ある時PCを持ち歩くことのできない撮影がありました。

「なにかいい方法はないか」と調べたとき、FlashAirを見つけたのです。元々RAWデータを飛ばすという使い方ではなく、単純にチェックだけをしたいというものだったので、ダブルスロットのカメラならCFとSDで使い分けられるし、ちょうどいいなと感じて使い始めました。

今回の撮影の意図を教えてください。

今回は新しいFlashAirの進化を身をもって体感したいなと、外に出て色んな条件で実際に試すことができるポートレート撮影を行うことにしました。

イメージとしては、彼女じゃないけどもガールフレンドとちょっと遠出してみて、最初はちょっとぎこちない雰囲気の写真しか撮れなかったのが、だんだん打ち解けてきて、最後はカメラの前でいい表情をしてくれるようになった……というような流れを意識して撮影を進めました。

FlashAir SD-UWAシリーズ(W-04)をいち早くロケで使ってもらった

モデルの衣装を選ぶときのポイントは?

今回は6月という撮影の時期や海に近い街中のロケーションということもあり、雑多な色がまわりにあったり、またその色が濃くなってくる季節の中で、モデルさんがそれらの色に埋没してしまわない、浮き立つ色としてプレーンな色もしくは白だろうということで、シンプルだけど清潔感のある白いワンピースを衣装に選びました。

ポートレート撮影のコツがありましたら教えてください。

一番大切なのはモデルさんとの信頼関係です。それはカメラを構えている時だけじゃなく、撮影の前から後まで色んな意味で気遣いを忘れないことです。

そのために、撮影中も積極的にコミュニケーションを取り、撮影のイメージをしっかり伝えていくこと。そのツールとして、FlashAirとタブレット端末をカメラバッグに忍ばせておけば、カメラの小さなモニターを通してコミュニケーションするよりもずっとスムーズですね。

ただ、あくまでもコミュニケーションを円滑にしてくれるツールですから、頼りすぎることなく丁寧なコミュニケーションを心がけたいですよね。

余談ですけど、FlashAirのアプリを彼女のスマートフォンに入れておくと、ちょっと離れたところから撮るようなシーンでも「今の写真はこんなだよ」とわざわざ近づいて見せなくてもいいのでスマートですよね。

読み出し&書き込み速度が速くなった!

手前が最新のSD-UWAシリーズ(W-04)。奥がSD-WEシリーズ(W-03)。

無線LAN搭載という「飛び道具」があるとはいえ、SDメモリカードとしての性能も使い心地に影響する大事なところ。

SD-UWAシリーズ(W-04)の書き込み・読み出し速度は、東芝のSDメモリカードでUHS-Iインターフェイスを採用している製品の最上位モデル、EXCERIA PRO(SD-KUシリーズ)に相当し、スピードクラスは「U3」とトップクラスの性能を誇る。

読み出し速度は最大90MB/s、書き込み速度は最大70MB/s。容量も最大64GBまで揃っているので、5,000万画素級の高画素機や高速連写が売りのカメラでも性能に不足を感じることはないだろう。

下の動画はSD-WEシリーズ(W-03)への画像書き込み速度を計測したときのもの。使用カメラはFUJIFILM X-T2。約10コマ/秒の連写で生成されたRAW+JPEG(計20ファイル、計408MB)を書き込んだところ、34.7秒かかった。

次はSD-UWAシリーズ(W-04)を使用。同じ条件で、こちらは6.8秒で書き込みを終了した。W-03と比較してW-04は5倍の書き込み速度(約1/5の所要時間)が出ている結果となった。

無線転送が速い!

SDメモリカードそのものの速度向上もさることながら、無線LANの転送速度がアップしたのもSD-UWAシリーズ(W-04)のトピック。

この動画はSD-WEシリーズ(W-03)からタブレットに画像を転送したときのもの。3回撮影してその3枚がタブレットに表示されてから、最後の1枚を選択するまでを計測した。転送の開始から終了までの時間は21秒だ。

次はSD-UWAシリーズ(W-04)からタブレットへの転送を計測。同じ条件だが、今度は4.5秒で終了した。東芝ではSD-WEシリーズ(W-03)より「無線転送が2.9倍速い」と謳っているSD-UWAシリーズ(W-04)だが、筆者の実験では約4.6倍という結果になった。

SD-WEシリーズ(W-03)に比べていかがでしたか?

驚きました。格段の進化です。カード書き込み速度/読み出しデータ転送速度が速くなったことで、撮影のテンポがよくなったのは非常にいいですね。また無線転送スピードが速いので安心して複数の端末から繋げるようになりました。

SD-WEシリーズ(W-03)の時は、最初はパッパッパッとテンポよく転送されてきても、枚数を読み込んでくると速度が落ち着いてくることがありました。タブレットなど周辺デバイスの進化もあると思いますが、通信の安定度も含めてSD-UWAシリーズ(W-04)ではそういうところまですべてクリアされていて、使い方を考えてあげる必要もなくなりました。

私の検証ではSD-WEシリーズ(W-03)より書き込み速度で約5倍、無線LANの転送速度は約4倍出ていました。

私の感覚だと10倍ぐらい速いと言いたい(笑)。待たされないというのは、そのくらいストレスを感じなくなりますよね。

SD-WEシリーズ(W-03)ではリズムよく撮影してから「ひと休み」という感じで、タブレットを手にすると「まだ読み込み中です…」なんてことが多かったのですが、SD-UWAシリーズ(W-04)だとタブレットを受け取ったときにはもうサムネイルがバーッと出ていて、チェックをしてまたすぐ撮影に戻るという流れが作りやすいので、撮影のリズムを妨げません。

また、比較的Wi-Fiの多い環境でも安定して繋がっていたのは、新しいLSIの力といえそうです。海岸や山間部だけでなく、Wi-Fiが飛び交う都市でも快適に使えました。

FlashAirの使いこなしのコツを教えてください。

私がEOS 5D Mark IIIでFlashAirを使う場合は、デュアルスロットのCF側にRAWを、SDメモリカード側をJPEG(SMALL)に設定してFlashAirを挿しています。撮影したカットの雰囲気や現場レベルのピントチェックなどはJPEG(SMALL)で十分。こうなるとSDメモリカードの残量も気にする必要がないし、転送も素早く行われバッテリーにも優しい。大事なのは撮影のテンポを邪魔しないことです。

また、今回FlashAirの書き込み/読み出し速度は速くなりましたが、デュアルスロットに挿すCFの方も、それに見合った高速なもので揃えておかないと、結局どちらかが足を引っ張ってしまうことになると思います。

カメラ内蔵の無線LAN機能に対して、どんな利点が考えられますか?

カメラ内蔵の無線LAN機能は、リモート撮影や1〜2枚を選んでの転送には便利ですよね。一方でFlashAirはSDメモリカードなのでカメラを選びません。

複数のカメラを使っていてもメーカーごとに携帯端末へアプリを入れる必要がなく、携帯端末でFlashAirとの接続を一度設定してしまえば、その後はどのカメラでも設定を変えることなく入れるだけで使えます。

私のようにスマートフォンはAndroid、タブレットはiPadなんてこともできるし、MacやWindowsからでもブラウザでアクセスでき、接続する環境を選びません。

またFlashAirは最大7台まで同時接続が可能です。特にSD-UWAシリーズ(W-04)では転送速度が速くなり、複数の端末で受信していてもより快適に扱えます。

アシスタントやヘアメイクさんのほか、クライアントさんやアートディレクターさんなど撮影は大人数になることもあるため、1台の端末を多くの人で回し見するよりも、それぞれが端末を手にして随時見られるというのはスマートですよね。カメラマンとモデルさんとの間にわざわざ周りの人が入っていかなくていいのもよいです。

バッテリーの消費についてはいかがですか?

撮影時は転送が止まらないように、カメラのスリープ機能をオフにしてFlashAirと常時接続しています。(ミラーレスカメラではなく)電力消費が少ない一眼レフカメラということもあると思いますが、今回の撮影ではバッテリー1個で十分でした。プロですから当然複数個のバッテリーは用意していますので、FlashAirを使っているからといってバッテリー消費が気になるというほどではありません。今回は300〜400カット撮影しましたが、バッテリー残量は半分以上ありました。

画像を受信するタブレット側も、使い方としては無線LANでネットサーフィンするのと似たようなものですから、神経質になる必要はないでしょう。

島田敏次×FlashAir SD-UWAシリーズ(W-04)ギャラリー

撮影に同行して感心したのは、島田さんの撮影のテンポと無駄のなさ。また、モデルとの頻繁なコミュニケーションにより、最初は幾分固めだったモデルの清水彩花さんの表情も、撮影の終わりの方には自然な笑みに変わっていた。

ロケ中、絶大な威力を発揮していたのがFlashAir SD-UWAシリーズ(W-04)。タブレットの組み合わせは強力で、プレビューが出るまでの速度が高速化したこともあり、ピントや構図のチェックをすばやくこなせていた。特に島田さんはマニュアルフォーカスレンズを多用して作品撮りを行っていたので、タブレットの大画面でピントチェックをする場面が多く見られた。彩花さんもどんな風に撮られているかをしっかり把握できたので、安心感があったとのことだ。(編集部)

撮影:島田敏次
EOS 5D Mark III / Planar 85mm F1.4 / 1/500秒 / F2 / ISO100 / WB: 5,500KB / ローコントラストフィルター
撮影:島田敏次
EOS 5D Mark III / Planar 85mm F1.4 / 1/500秒 / F2 / ISO100 / WB:5,500KB
撮影:島田敏次
EOS 5D Mark III / Planar 85mm F1.4 / 1/500秒 / F2 / ISO100 / 5,500K / ピクチャースタイル「ポートレート」コントラスト低
撮影:島田敏次
EOS 5D Mark III / Planar 85mm F1.4 / 1/500秒 / F2 / ISO100 / WB:5,700
撮影:島田敏次
EOS 5D Mark III / EF85mm F1.2L II USM / 1/400秒 / F2.8 / ISO100

こんな人におすすめ!

撮影画像をタブレットやスマートフォンへ転送してSNSへアップするというのはもちろんのこと、複数のカメラでWi-Fi連携をスマートにこなしたい方や、旅先で撮影した写真を同行する家族や友人のスマートフォンへその場で転送なんて使い方も実に便利ですね。さらに、会議の資料をFlashAirに忍ばせておけば、7台まで同時接続してパソコンのブラウザで共有なんていうこれまでにない使い方も考えられます。

モデル:清水彩花(https://twitter.com/ayakashimizu_
ヘアメイク:あき(kind inc /http://www.kind-mgmt.com/
撮影協力:道楽や ねこん家(http://www.nekonchi114.com/

川村一也