自分の色を表現する。私のColor PENcil
シンプルに表現できる写真の世界に惹かれて〜鈴木さや香さん
色づかいへのこだわりに応えてくれる“カラープロファイルコントロール”
(2016/5/25 07:00)
いま人気のミラーレスカメラ「OLYMPUS PEN-F」。クラシカルなフォルムに最新機能をこれでもか!と詰め込んだ意欲的なカメラです。そんなPEN-Fと新進気鋭の若手写真家が出会ったとき、いったいどんな作品が生まれるのでしょうか。この連載では、若手写真家の撮り下ろし作品を交えながら、PEN-Fの印象や写真への想いなどを語ってもらいます。
記念すべき第1回目は、広告写真の世界で活躍する鈴木さや香さん。カメラ雑誌やイベントでも人気の写真家です。さて、鈴木さや香さんの「Color PENcil」は、一体どんな色なのでしょう。(編集部)
写真・キャプション:鈴木さや香
イラスト:ナカムラエコ
現在、どのような写真関連の仕事をされていますか?
主な仕事は商業写真の撮影です。企業の広告用や商品パッケージやパンフレット、アーティストのCDジャケット、宣材などです。その一方で作家としても写真展などで作品も発表しているため、カメラメーカーからの仕事を受けたり、写真雑誌に寄稿したりしています。最近はワークショップの講師なども増えて来ました。
写真を撮るようになったきっかけは?
祖父が8mmフィルムをいつも回していて、お正月には親戚を集めてスクリーンでの上映会を開いていました。父もカメラが好きで身近に色んなカメラがたくさんありました。ただ、小さなころの私は現実を切り取るよりも、ファンタジーな世界が好みだったので、絵本や水彩画で頭の中の世界を描くことに夢中でした。写真という現実の肯定を楽しく感じられるようになったのは、社会人になってからでした。
影響を受けた写真家、写真集、メディアは?
父の本棚には画集がたくさんありました。ワシリー・カンディンスキーやフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー、パウル・クレーは、色使いやデフォルメの仕方が大好きでした。
写真集では、藤原新也さんの『メメント・モリ』です。知り合いのカメラマンからプレゼントされて。その時、私はテレビやCMといった映像の仕事をしていた時だったので、写真と文字で綴るという、映像とは違いシンプルな魅力にとても魅かれました。音楽も、編集も、整音も何もいらなくて、時間と自分の気持ちで成り立つ世界があると知り、写真の道に入りました。他にも好きな写真家はたくさんいます。
その影響は自分の作品のどんなところに現れていると思いますか?
画家たちの影響は色使いのこだわりとして出ていると思います。大胆で繊細な彼らの絵には遠く及びませんが、画集を見ると無性に写真を撮りたくなります。
また、例えば自分は作り手であるけれども、それは人間の為だけでなく自然と共に在るべきだという生き方に、強く影響されていると思います。『メメント・モリ』からは、シンプルなものは強いという信念は今も変わらず、当時に心つかまれたままです。
PEN-Fのカラープロファイルコントロールについて。
繊細な部分をわかってくれるカメラだなと思いました。私は被写体を見つけたら「絶対にこうやって撮る」というイメージが先行するタイプなのです。それは、モチベーションやテンションに直結します。だから、頭で描いた通りに撮れると、その次はもっともっと高揚した状態で物事(被写体)を見られるのです。
思い描いた頭の中を出すのに大切な要素のひとつは、やはりカラーとコントラストです。後でどうにかするのではなく、撮影したときの高揚をその場できちんと表現できることは、私にとってはとても幸せなことです。幸せな気分は、絶対的に写真に現れます。
写真封筒はどのようなきっかけで生まれたのですか?
写真封筒を作り始めたのは3年くらい前の事です。お仕事を頂いた会社に請求書を郵送する手段として、茶封筒ではなく、自分の写真で作った封筒で送ってみたのです。せっかく写真の仕事をしているんだから文章ではなく、何か写真で感謝を……と閃いたのでした。
思いのほか反応がよく、喜んでもらいました。「写真はなかなか買えないけど封筒なら買えるね」って言われて。商品化してみようと思いました。写真を買うことというのは、写真集やポストカードを買うのとは違って、とても敷居が高いなと思います。きっと日本人のほとんどの人々がそうなのでは? と感じていますが、加工することによって、身近なアートとしてまた違う魅力で写真と向き合える気がしています。
今後取り組みたいシリーズやテーマは?
とても心が動く町があって、そこの変化を撮っていきたいです。これまでは人物や物など個々の被写体の変化に興味がありましたが、今は被写体の集合体である町の流れや熱気、劣化などに興味があり、私の目線で撮っていきたいと思っています。
写真展の開催や写真集の発売など、告知があればぜひ!
飯能市役所による勉強会
講師として登壇、「町と写真」についてお話します。
- ・日時:2016年6月12日(日)15時〜17時
- ・会場:飯能市役所 本庁舎別館 2階会議室
- ・参加費:200円
- ・申し込み:メールにて担当者(白須)まで。omusubikorokoro.0902@nifty.com
女性写真家4人による写真展示・販売「fotomar」
- ・日時:2016年7月22日(金)・23日(土)・24日(日)
- ・会場:下北沢ギャラリーおばあちゃん家
https://www.facebook.com/fotomarobaachanchi - ・参加写真家:植田修子、金森玲奈、コムロミホ、鈴木さや香
デジタルカメラマガジン2016年6月号では、鈴木さや香さんがあみだしたOLYMPUS PEN-F「カラープロファイルコントロール」テクニックが掲載されています。あわせてごらんください!
協力:オリンパス株式会社