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DJI Osmo Mobile 8P
リモコン採用で本領発揮 基本機能も優秀なスマホ用ジンバル
2026年5月17日 12:00
先日レビューした「Osmo Pocket 4」が好調なDJIから、今度はスマホ用電動ジンバルの新製品「Osmo Mobile 8P」が登場した。
先代「Osmo Mobile 8」は、前モデルの「Osmo Mobile 7」に「Apple DockKit対応と水平無制限回転」が追加された程度のマイナーアップデートという印象だったが、今回は使い勝手が大きく変わってくるメジャーアップデートと言ってよいだろう。
今回試用したのはクリエイターコンボ。Osmo Mobile 8P本体に、多機能モジュール2とMic Mini 2一式が付属している。
最大の目玉は着脱式のリモコン
基本性能は従来機種Osmo Mobile 8を踏襲しているが、大きく変わったのは着脱可能なワイヤレスリモコンが搭載された点である。
既に他社製スマホ用電動ジンバルにはリモコンを採用した機種も存在していたが、これはユーザーの使い方の変化による流れなのだろう。
本来スマホ用の電動ジンバルは、移動しながらでも手ブレを抑えて滑らかな映像を撮影するのが目的だった。
ところが近年ではよりカジュアルなVlogなどでの用途が増え、自撮りやライブ配信に使用するユーザーが多くなってきている印象だ。電動ジンバルをカメラマン代わりとして、1人でも扱いやすい方向に進化しているのだ。
ジンバルの基本性能は従来モデル譲りであるが、コントローラー部には1.4インチのタッチスクリーンが搭載されており、操作性やモードの視認性が大幅に向上した。
上からスワイプすると各種設定、右からスワイプするとスマホ画面のミラーリング、左からスワイプするとトラッキングカメラ映像の表示、下からスワイプするとジンバルの調整など。
スマホアプリと接続しなくても詳細な設定が本体だけでできるのは嬉しい。
リモコン自体にもバッテリーが搭載されており、本体装着時に自動的に充電される。
そして、そのまま取り外して小型リモコンとしても使えるようになるのだ。
これにより離れた場所からジンバル本体や撮影の操作ができるだけでなく、スマホの画面をミラーリング表示してライブビュー確認も可能。
よりキレイなアウトカメラを使った自撮りでも画角を確認できるという訳だ。
これがジンバルの使い方を大きく変える進化といえる。
これは1人での撮影時にかなり重宝する。
三脚に固定してレポートしたり、商品レビューの手元カメラとして使ってみたり、隣の部屋から遠隔操作してみたりと、スマホカメラの用途が広がるだろう。
ローアングルやハイアングル撮影時も手元で画角を確認しながら調整できる。
Osmo Pocketシリーズの自由さとOsmo Nanoの便利さを、スマホカメラで手軽に実現できる新しいジャンルのガジェットに進化したとも言えそうだ。
本体左側にあったズームダイヤルはなくなってしまったが、リモコン左側のボタンを押すことでジョイスティック操作をジンバル回転からズーム操作に切り替え可能だ。
ズームも遠隔操作できるようになったということだ。
「3系統トラッキング」で進化した追尾性能
Osmo Mobile 8Pでは3種類のトラッキングを利用できる。
1つ目がDJI MimoアプリのActiveTrack 8.0。
トラッキング性能はスマートフォンの性能に依存するが、一番多機能なトラッキングが可能となる。
複数の被写体を自動検出したり、遮蔽物のあるような複雑なシーンでも動きや方向変換を自動検出して被写体を見失いにくい。
デュアルカメラ強化モードでは広角と望遠を連携して被写体をトラッキングし、フレームアウトしても自動で再捕捉してくれる。
2つ目が多機能トラッキングモジュール2。
人物・ペット(犬・猫)に加え、物体や車両などの指定した任意の範囲を追尾できるようになった。
コントローラー部の画面操作によってDJI Mimoと同様の操作で被写体を指定できるので、スマートフォンの標準カメラや普段使っているカメラアプリやライブ配信でのトラッキングの自由度が格段にアップした。
3つ目がスマートフォンのネイティブトラッキング(DockKit / HarmonyOS)を利用したもの。
多機能モジュールなしでもiPhoneや対応Androidの機能で多くのカメラアプリやライブ配信で被写体追従が可能となるが、現時点でトラッキング可能な被写体は人物のみとなっている。
トラッキングだけじゃない「多機能モジュール2」
前モデルの多機能モジュールはスマホクランプに接続するものだったので、MagSafe対応マウントでは使えなくなってしまうという欠点があった。
本モデルではジンバルのロール軸に固定するデザインに変更され、MagSafe対応マウントでも問題なく使えるようになった。
LEDライトの明るさや色温度の変更も4段階から8段階へと自由度が増し、コントローラー部の画面操作によって設定しやすくなった。もちろんこれらも遠隔操作が可能だ。
ハンドジェスチャーによるトラッキングのON/OFFや録画開始停止も約3m以内で反応。
その他の機能
360°無限水平回転(パン軸)により、オービットショットやダイナミックな旋回撮影を自由自在に行える。
クリエイターコンボには「DJI Mic mini 2」が付属するので、遠隔操作でトラッキングしながらも音声は明瞭に記録できる。
従来モデル同様に角度調整可能な最大215mmの延長ロッドとミニ三脚を内蔵。
内蔵ミニ三脚が82mmに延長され安定感が増した。
反面、それぞれ1本ずつ引き出して展開しなければならないのは少し手間に感じる(8は3本同時に引き出せた)。
20種類以上の映画風フィルターで手軽に印象的なシーンを撮影できる他、上級者にはLUTファイルの導入で思い通りのスタイルで撮影できる。
シネマティックレンズモードでは映画のような特殊撮影が簡単にできる。
- 低速シャッター:暗所シーンで光や影の流動感を表現
- アクション:ランニングやジャンプなど大きなアクションに適したモード
- ドリーズーム:トラッキング機能を活用してスムーズなドリーズーム撮影が可能
- ワイド:2.35:1のシネマスコープアスペクト比での撮影
ジンバルのパン軸に緑色のリングライトが搭載されており、設定の「アクティブトラックインジケーターの表示」をONにすると、トラッキング中はリングライトが点滅して知らせてくれる。
まとめ
着脱式画面付きリモコン「Osmo FrameTap」が搭載された効果は大きい。Vlog、料理動画、旅行記録、ダンス、商品紹介など、1人で高品質な映像を撮るクリエイターのワークフローを進化させてくれる製品である。
スマホ動画のクオリティを高めたい人にとって、非常に使い勝手の良い選択肢と言えるだろう。
良い点
- リモコンが非常に便利で、1人撮影時の表現の幅が広がる。
- 手ブレ補正とトラッキングの組み合わせにより、高品位な映像を簡単に撮影可能。
- 未使用時にロール軸をロックできるようになり、持ち運びしやすくなった。
- 内蔵ロッド・三脚・モバイルバッテリー機能により荷物を最小限に抑えられる。
- 初心者でも直感的に操作でき、Mimoアプリの編集機能も充実している。
気になる点
- 多機能モジュール2の表裏付け替えが、従来のマグネットよりも手間がかかる。
- 物理ズームダイヤルがないため、ジョイスティック操作の切り替えが必要。
- 内蔵ミニ三脚は一度に引き出せず、3本を独立して引き出す必要がある。










