マニュアルレンズギャラリー

SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical III

スナップ撮影に使いたい超広角レンズ

デジタルカメラだからこそ使いたいマニュアルフォーカスの交換レンズ。自分の意思と努力と根性でピントを合わせる撮影行為には、不思議とAFにはない魅力があるものです。本連載で、描写性能はもちろん、プロダクトデザインなどなど、MFレンズならではの拘りを感じてもらえればと思います。

使いこなしは難しいかもしませんが…

コシナ・フォクトレンダーのスーパーワイドヘリアーは焦点距離を15mmの超広角とするのがお約束。その歴史はわりと古く、Lマウント(スクリューマウント)用の「SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5」が初出です。発売は1999年と前世紀のことで、その後、Mマウント用としてII型が登場し、III型となった本レンズでミラーレスカメラデビューを果たしています(2023年にニコン Z マウント用も発売)。

焦点距離15mmを使いこなすのはなかなか難しいものですが、F4.5という開放F値から察するに、使用用途は星景写真などではなく、スナップ、建築、風景といったところでしょうか。

いや、工作精度に優れた趣のある本レンズの佇まいからすれば、狙いはやっぱりスナップなのではないかと思います。被写界深度が非常に深い超広角レンズだけに、ノーファインダーでの撮影も挑戦したくなります。

難しいだけに、使うほどに味わいを感じることができる超広角の世界。楽しんでみたくなりますね。

外観

作例

III型の最新レンズだけあって、15mmという超広角でも描写性能は画面の隅々まで素晴らしく優秀です。ミラーレスカメラ用となって大変使いやすくなりました。

α7C II/SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical III/15mm/絞り優先AE(1/160秒、F8.0)/ISO 400

主な仕様

焦点距離:15mm
最小絞り:F22
画角:110°
最短撮影距離:0.3m
最大径×全長:φ66.4×62.3mm
重量:298g
電子接点:あり
Exif情報:対応
5軸ボディ内手ブレ:対応(5軸対応ボディに限る)
口径比:1:4.5
レンズ構成:9群11枚
絞り羽根構成:10枚
最大撮影倍率:1:15.4
フィルター径:φ58mm
レンズフード:レンズ一体式
フォーカス拡大機能:対応
レンズ補正選択:可能
その他:絞り切替機構付き
希望小売価格:税込11万5,000円

曽根原昇

(そねはら のぼる)信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌等で執筆もしている。写真展に「イスタンブルの壁のなか」(オリンパスギャラリー)など。