気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

パナソニックLUMIX DMC-GX7【第4回】

取材用ストロボと、休日に便利なキルトポーチ

 今回は、新たに購入したばかりのクリップオンストロボと、ミラーレスカメラユーザーに広くオススメしたいキルトポーチについて紹介する。

ワイヤレスフラッシュにも対応

 GX7の魅力のひとつである拡張性として、クリップオンストロボを装着可能な点がある。EVFとストロボを同時に使用できれば、より一眼レフライクに取材カメラとして使える可能性が高まる。

GX7は調光補正を撮影画面→ダイヤル押し込み1発で呼び出せて(Mモード除く)快適

 以前のマイクロフォーサーズ機で使用していたのは、オリンパスの「FL-36R」(生産終了、2010年当時2万円強)という中型ストロボ。オリンパスとパナソニックは、互いのストロボでも動作確認を行なっており、以前から「カメラはパナソニックだけどストロボはオリンパス」というユーザーは多くいた。オリンパス製はパナソニック製のものと同等の基本仕様を持ちながら、オリンパス製のみ同社ワイヤレスフラッシュシステムに対応しており、店頭での入手性も高いというのがよく理由に挙がっていた。

右がFL-36R。左はニッシンジャパンDi466(後述)

 私の所有するFL-36Rについても、パナソニック公式のDMC-GX7動作確認で検証済みの記載があり、実際に問題なく使用できている。こうした公式情報は機材購入にあたって大変ありがたい。

 さて、GX7はワイヤレスフラッシュに対応している。試してみたところ、オリンパスのクリップオンストロボをワイヤレスモードに設定して、ワイヤレスTTL発光とグループごとの調光補正が可能だった。メニューもわかりやすく、対応ストロボを持っている方はぜひ試してみてほしい。オリンパス機の特権だったワイヤレスフラッシュが、ボディ内手ブレ補正機構に続いてGX7には搭載されている。

カメラ側とストロボ側で使用チャンネルを合わせる
グループごとの発光量、調光の方法を設定する
GX7の内蔵ストロボをコマンダーに、でオリンパス製ストロボをワイヤレスTTL発光させられた

ニッシンのストロボを買い増し

 私のストロボの主用途は、イベント取材時の撮影。ステージの登壇者を望遠撮影する時など、内蔵ストロボでは心細く、またチャージにも時間がかかる。

 今回新たに購入してみたのは、ニッシンジャパンの「Di466フォーサーズ用」だ。価格は1万2,480円とお手頃。マイクロフォーサーズ機にも対応するシンプルな中型ストロボだ。

左がDi466、右がオリンパスFL-36R。Di466のシンプルな操作部が特徴的
左のDi466はバッテリーマガジン方式を採用

 Di466は単3電池4本で動作する。上で使用したFL-36Rは単3電池2本で駆動するため(現行で同クラスと見られるFL-600Rは4本になったが)、同社上位機に比べてコンパクトではあるものの、せっかちに撮影するシーンでは、チャージにちょっと待たされるような感覚があった。狙い通り、Di466はチャージが速く連続撮影も快適だ。

 FL-36Rと並べると、わずかに背が低く重心も(電池本数が多い分か)下にある。クリップオンストロボは、低重心のほうが特に小型軽量なミラーレスカメラでは扱いやすいと感じる。重量が電池の本数分増える程度で、大きさほぼは変わらない。FL-36Rに比べ、ズーム動作音が多少気になる程度だ。

 背面の調光補正ボタンがとても直感的で使いやすいのと、中型ながらキャッチライトパネルがついているのも嬉しい。これも専業メーカーならではの配慮とこだわりだろうか。

わかりやすい調光補正ボタンを用意。ダイレクトに操作できありがたい

 2台の選択は、求める機能によるだろう。Di466は小型で連続撮影も可能だが、ワイヤレスフラッシュには対応しておらず、発光部が動く方向も上下のみ。いっぽうFL-36Rはワイヤレス対応、左右回転も可能なため、凝った撮影には純正ストロボのほうが便利だろう。

 だが、私のイベント取材という用途に限って言えば、ワイヤレス発光は行なわず、発光部を左右に回転させる必要もないので、チャージが速く調光補正が素早く行なえるDi466のほうがありがたい(価格も半分程度)。どちらも長所がハッキリしているので、今後も並行して使っていくつもりだ。

アイデア勝利のキルトポーチ

 私がGX7とレンズを持ち出すとき、いつも愛用しているのがオリンパスの「キルティングクッションケースCS-43」(実勢価格2,470円前後)だ。

 一見よくあるキルトポーチなのだが、中に仕切りが1枚あって、レンズ2本、レンズとストロボ、レンズとモバイルバッテリーといった2つのアイテムを別々のスペースに入れることができる。マイクロフォーサーズカメラに限らず活用できそうなアイテムだ。

キルティングクッションケースCS-43。コンパクトに畳める
広げたところ。仕切りが1枚入っている。マチはない
ボディとレンズが中でこすれ合わない。深さは20cmほど

 これを手持ちの散歩バッグに入れてみたところ、カメラバッグに入っているクッションボックスのようで大変具合がいい。ポーチなのでクッションボックスのように芯はなく、収納にも多少の融通が利く。仕切り1枚でここまで活用の幅が広がるとは目から鱗だった。

ポーチを手持ちのボディバッグに入れてみたところ、スリングタイプのカメラバッグのような使い勝手になった。

 2年ほど前までミラーレスカメラ用のバッグは選択肢がほとんどなく、ビリンガムやアルティザン&アーティストのライカ用バッグを共用するなどしてきたが、最近ではミラーレス用カメラバッグも割と一般的な存在になってきた。それでもなお、カメラバッグ以外のバッグにカメラ機材を使いやすく馴染ませるのもテーマのひとつとして面白く、いろいろとアイデアを探っているところだ。

本誌:鈴木誠