オリンパス・ペンライトE-PL2【第1回】

液晶モニターとアートフィルターで購入を決意

Reported by 北村智史


 前々から欲しいなぁと思いつつ、なかなか踏ん切りが付かなかったマイクロフォーサーズである。何しろ根が古い人間なので、写真を撮るときにファインダーを覗かないのは落ち着かない。といって、EVF内蔵モデルを選ぶんだったら一眼レフでもいいんじゃないのかって思えてしまう。その上、使ってみたいと感じるレンズが少ないこともあった。

ゲットしたのはブラックボディとM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6のフード付き。ユーエヌのH&S本革ストラップを付けてみた

 そんなこんなで出しそびれたままになっていた手をそうっと伸ばし直してE-PL2を買った理由は、液晶モニターとアートフィルターである。オリンパスのペンシリーズの液晶モニターは、これまでずっと23万ドットのままだったのが、E-PL2でようやく46万ドットになった。まあ、よそのメーカーでは92万ドットが当たり前になりつつあるところで46万ドットというのはいまいち盛り上がりに欠ける気もするが、ドット数倍増はやっぱりうれしい。従来の23万ドットのに比べたら月とすっぽん、雲泥の差。ライブビューの映像を見てもドットが目立ってうとましく感じるようなことはないし、メニューの文字も滑らかできれい。

 3:2比率になったのも個人的には歓迎したい。フォーサーズ/マイクロフォーサーズの画面比率は4:3なので、これは一見不合理に思えるかもしれないが、4:3比率の液晶モニターに16:9比率の動画を表示すると、えらく小さくなってしまう。なので、3:2比率のほうが無駄が少ない。といったあたりが3:2比率にした理由なのではないかと思っているのだが、4:3比率よりも3:2比率のほうが好きなので、だったら3:2比率を基本にしてしまおうかとも思っている。

 アートフィルターに「ドラマチックトーン」が加わった(というか、「ジェントルセピア」と入れ替わった)のもポイント。「ポップアート」、「ラフモノクローム」、「トイフォト」はバリエーションが増えたし、「アートエフェクト」が使えるのも気に入っているところ。これまでのペンシリーズは、モードダイヤルを「ART」位置に合わせないといけなかったが(プログラムAEでオートホワイトバランス、感度オートになってしまう)、E-PL2の場合はアートフィルターがピクチャーモードに統合されたおかげで、好きな設定でアートフィルターが利用できる。E-5でも体験したが、これは本当に快適で便利。ありがたい進化なのだ。

 それから、コントロールダイヤルが装備されたこと。これも決め手になった。E-PL1/1sはボタンオンリーの操作系なので、露出補正をするには十字ボタンの上ボタン(露出補正ボタン)を押して十字ボタンの左右ボタンで補正値の設定という、ちょっと面倒くさいやり方だった。一方のE-PL2は、カスタムメニューの「ダイヤル機能」の設定をちょいといじってしまえば、ダイヤルを回すだけで露出補正が可能。ただし、ダイヤルといってもサイズが小さいので、そんなに使い勝手はよくはないし、ボタン操作も可能なので、露出補正しようとして絞りを変えてたりとか(ダイヤルを回すつもりが押しちゃってたりするのだ)、慣れてないこともあって、こんがらがることもしょっちゅうですけど、ボタンオンリーよりはいい。

 で、ボディカラーはあれこれと考えたあげくに普通にブラック。レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6をチョイスした。正直、そろそろプラスティックマウントのレンズから離れたいなぁというのがあって、でもパンケーキならパナソニックのLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.をと思っていたこともあり(M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8だと画角的にM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6とかぶっちゃうこともあるし)、広角ズームが先になった。

 メニューのカスタマイズのこととか(けっこういじりがいがあって楽しい)、アートフィルターのバリエーションなんかも遊べそうだし、EVFのVF-2とかマクロアームライトMAL-1とかのアクセサリー類も試してみたい。とまあ、そんな感じでいろいろとお伝えしていくつもりである。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
ぐるぐるな階段というのは見るとやっぱり撮りたくなる。シャッター速度が1/4秒でも広角だし、手ブレ補正もあるから感度はそのまま
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/4秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 13mm
品川駅近くにいくつか並んでいる風変わりなこの建物は、地下の駐輪場の入口。1か所で200台ほどの自転車を収容できるらしい
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F8 / 0.7EV / ISO200 / WB:オート / 18mm
まわりにあるビルの窓ガラスの反射が入り乱れてて、何かちょっと面白い
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/640秒 / F8 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 9mm
何気なくシャッター切ったら1秒オーバーだったりして、あわてて絞りを開いて撮りなおした。手ブレ補正があるからと油断しすぎです
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / プログラムAE / 1/6秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 9mm
喫茶店だったかの側面。なんか、処理がずさんな気がする。でも、凹凸の感じがよく出ててすごい
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / プログラムAE / 1/10秒 / F4 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 9mm
3:2比率で撮ると9mmは35mm判換算でだいたい18.7mmくらい。超広角としてはまあまあ使いやすい画角だと思う
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 9mm
運河に架かる橋の上にあったオブジェ。帆船のマストと帆をイメージしたものっぽい
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/2,000秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 9mm
橋脚に取り付けられているハシゴ。誰かにぶつけられたのだろう、ぐんにゃりと歪んでいた
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/1,250秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 18mm
長さ49.5mm、わずか155gという小型軽量レンズだけど、少し絞れば四隅までくっきりシャープ。買ってよかったと思えるレンズ
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/640秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 9mm


北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2011/2/7 00:00