気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

PENTAX Q7【第10回】

イルカショーで連写性能を試す

 今回は、「02 STANDARD ZOOM」とQ7で連写性能についてレポートしたいと思います。

 02 STANDARD ZOOMは、Q7装着時に23-69mm相当(35mm判換算)の画角になるズームレンズです。今回も前回に引き続き和歌山県・南紀白浜にあるアドベンチャーワールドで撮影してきたカットで解説させて頂きますが、標準からちょっと広角寄りな画角は、広い範囲を写したいこのような旅行スナップには最適のレンズだと言えます。

 カメラの設定は、絞り優先AEで絞り開放にしホワイトバランスはオート、測光モードは分割測光、ISO感度はイルカの作例はISO800、最後のアニマルアクションのアシカの作例はISO320に設定しました。AFモードはシングルでメインの被写体にピントを合わせて、露出補正はしていません。

 この設定で「連続Hi(約5コマ/秒)」の連続撮影を行いました。撮影状況は、観客席に座って手持ちという“観光スタイル”です。

 上記の設定はすべて、これまで1コマ撮影をしていた時とほぼ同じです。ショーの途中に連写を使いたくなったときにドライブモードだけを変更して撮影したら……を想定しました。

 ビッグオーシャンという施設の大きなプールで行われる「マリンライブ」は、ダイナミックなパフォーマンスがいっぱいのイルカとクジラのライブショーです。クライマックスには沢山のイルカがこれでもか! というくらいジャンプしまくって圧倒されます。上から4点の作例はこのショーを撮影しました。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
ショーのクライマックスに一斉にジャンプするイルカたち! 圧巻です!!
イルカの輪くぐりはパフォーマンスの定番ですね。尾をくねくねしながらくぐって真っ直ぐに入水する様が撮れました。
中央のイルカがボールにタッチして入水するまでを追いました。
群れになってジャンプするイルカ。最初のカットと2枚目のカットの明るさがガクンと違うのが気になりました。

 水中から飛び出てくるイルカを連写で捉えるので、スタートは画面中央付近に被写体が来てからが多くなりました。その分、ピントは合わせやすかったです。何度も通い詰めればショーの流れが分かってイルカが出て来そうな位置に置きピンもできたのでしょうが……。2回見たのですが、すみません、そこまで覚えられませんでした。

 最後の作例は、アニマルランドで開催される「アニマルアクション」を撮影しました。こちらは、アシカを始めとした様々な動物たちが出演するコミカルなショーです。

 この時は、客席のお客さんがアシカにリングを投げて首でキャッチしてもらうパフォーマンスだったのですが、残念ながらキャッチできず水にドボン。リングがステージまで届かなかったようですね。アシカ君にはかわいそうだけど、投げられたリングの動きと水しぶきの様子がわかりやすかったので、このカットをセレクトしました。

写真を追うとアシカがちゃんとリングを目で追っているのが分かります。

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 総体的に連写にしてはキレイに描写されていて、特に中央付近のピントの合った箇所は観賞に堪え得る解像感でした。撮っていても問題なくシャッターは連続で切れていました。

 今回は旅行カメラとしてのテストがテーマだったので、1コマ撮影と同じ設定での連写撮影で被写体を写し止めることはあまり考えませんでしたが、連写撮影が思ったよりも快適だったので、いずれ、もっとシャッタースピードを稼げる設定で瞬間を写し止めるようなスポーツシーンの撮影をしてみたいと思います。

(協力:アドベンチャーワールド

水咲奈々

(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com