OLYMPUS OM-D E-M5の発売記念キャンペーンでもらったフォーサーズレンズアダプターMMF-3が手元にあるのだけれど、それを使ってみようというのが今回のお題である。キャンペーンのプレゼントとして32GBのSDHCメモリーカードも選べたのに、古スペックのヤツだったからっていうんで、実売価格換算が高いほうを選んだ結果のMMF-3である。手に入れてから、やっぱSDHCカードのほうがよかったかなぁって思ったときには後の祭り。
なにせ、フォーサーズのレンズはもともとあまり持ってなかったし、手放しちゃったのもあるしで、残ってるのはシグマの50mm F1.4 EX DG HSMやAPO Macro 150mm F2.8 EX DG HSMくらい。といって、持ち腐れにするのももったいないし、一度くらいは使ってみようと考えた次第である。
もっとも、50mmは思い切りM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8とスペックがかぶってる。焦点距離は5mmしか違わないし、開放F値も大差はない。まあ写りの違いはあるだろうけれど、重さの違いは無視できない。45mmがたったの116gなのに対して、50mmは530gもあるのだ。
ちなみに、シグマのWebサイト上の数字はシグママウントのもので、530gというのはフォーサーズマウントの数字である。フォーサーズマウントのはフランジバックが短い分ちょっと重いのだ。でまあ、細かいうんちくは置くとしても、およそ4.6倍の重さ。ちょっとやる気をそがれる数字である。
E-M5のキャンペーンで手に入れたMMF-3。フォーサーズのレンズをマイクロフォーサーズのボディに装着できる。 |
一方の150mmは、手持ちのレンズとのバッティングはないし、等倍まで寄れるという強みもあるが、それなりに大きくて重い。最新型のOS(手ブレ補正)付きのに比べれば軽いとはいえ、920gは十分に重い。
シグマのAPO Macro 150mm F2.8 EX DG HSMをE-P3に取り付けたところ。見た目からしてバランスがよろしくない。 |
これでボディがパワーバッテリーホルダーHLD-6付きのE-M5なら何とかなりそうな気もしないではない。このセットなら重さ的にもまあまあ釣り合いそうだし、ホールド性もいい。EVF(電子ビューファインダー)も内蔵している。カメラを顔に押し付けて安定させることができるし、ワキもしっかり締められる。半押し中に手ブレ補正を働かせるオプションまで用意されているので望遠には強い。
HLD-6付きのE-M5に取り付けたところ。このくらいのバランスなら文句はない。 |
が、E-P3だとEVFをつけない限り、モニター画面を見ながら撮るのが基本である。腕を伸ばした状態で機材の重さを支えなくてはいけない。なので、機材が重いとしんどいことになる。なのに、300mm相当の画角で、しかも等倍まで寄れる。そのうえ重さはボディとレンズとマウントアダプターの3点セットで1,331g。
ついでに、AFも使いづらい。シグマのフォーサーズ用レンズは、どれもコントラストAFには対応していない。シャッターボタンを半押しすれば、一応レンズは動いてくれる。けれど、駆動スピードは遅いし、ピントが合うともかぎらない。合うときもあるが、どちらかというと、合わないときのほうが多い。合うときにしても、クケケケケケッみたいな音を発しつつだったりすると、うーん、これならMFのほうがいいや、って気になってしまう。
で、結果として、中途半端に腕を伸ばしたワキあまあまの体勢をとらなきゃいけない時間が長くなっちゃうわけだ。ちょっとした筋トレ気分である。問題は、運動不足の腕力が、1.3kgの重さに負けてしまうこと。見つけた被写体を、どっち側からどのくらいの大きさで撮ろうかとか考えているうちに、腕がぷるぷるしてきちゃうんである。
元気なうちはまだしも、ちょっと疲れてくると、構図やフレーミングを考えたり、フォーカスリングを回してピントを合わせたりするあいだ中、ずっと画面がぷるぷるしてしまう。抑えたくても抑えられない。フルタイムぷるぷるである。
ピントをきちっと合わせるために拡大表示しようものなら、さらにひどくなる。画面のぷるぷるまでいっしょくたに拡大されるからだ。ピント合わせの精度なら、拡大倍率は高いほうがいいわけだが、倍率と同時に上がる画面のぷるぷる度との兼ね合いで5倍が精いっぱい。それ以上は、ぷるぷるすぎてなにがなんだか分からない状態になって、ピント合わせどころではなくなってしまうのだ。
そんなこんなで400枚ちょっと撮って、手ブレに被写体ブレにピントがアマいのをぽいぽいしたら、残ったのが4割くらい。ちょっとずるをしてISO感度を1段上げているものの、ファインダーレスのE-P3で撮ったのを考えればまあ悪くない結果だと思う。E-P3にボディ内手ブレ補正機構がなければ、さらに歩留まりは低かっただろう。
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2012/8/27 15:12