D600 / AF-S NIKKOR 70-200mm F4 G ED VR / 約8.2MB / 6,016×4,016 / 1/500秒 / F4 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天日陰 / 175mm |
ニコンFXフォーマット対応の望遠ズームレンズ「AF-S NIKKOR 70-200mm F4 G ED VR」を持って紅葉真っ盛りの栃木県の塩原へ出かけました。エリア内に点在するハイキングルートを辿りながら被写体を探したのですが、歩きながら撮影を楽しむスタイルのときはあまり重い機材は持ち歩きたくありませんよね。今回は小型軽量のFXフォーマットモデル「D600」と組み合わせたので、フルサイズでの画角が得られながらも、軽快に撮影ができました。
D600に装着。発売は11月下旬。価格は19万9,500円 |
手ブレ補正機能が強力で、しっかり構えれば、なんと1/8秒でもシャープに撮ることができました。いつも風景撮影で望遠レンズを使うときは三脚を使用しているのですが、今回はところどころ手持ちで撮影してみました。カメラとボディのバランスがいいので構えたときに安定感があり、三脚が使いにくい足場の不安定なところで遠くの紅葉を狙ったり、出くわしたチョウをとっさに捉えることもできました。三脚使用時は手ブレ補正をオフにしないと誤作動してブレてしまうので、手持ちと三脚を使い分けるときはスイッチの切り替えを忘れないようにしてください。
画質は写真を拡大してみると、驚くほどシャープ。葉の1枚1枚も細かく解像しているし、幹の質感も忠実に再現しています。クローズアップ撮影ではモミジの葉脈まで細かく描写されていました。絞りを2段絞ったF8付近で最もシャープ感が高く、F5.6、F8、F11、F16では大差なく高い画質が得られます。逆光でもクリア。色収差もかなり軽減されています。開放ではやや周辺の光量落ちが見られましたが、比較しなければ気が付かない程度。逆にF22まで絞ると少しコントラストが低下するので、極端に絞り込まないようにし、被写界深度を優先に考慮して絞り値を選べばいいでしょう。
絞り羽根枚数は9枚の円形絞りを採用し、絞り開放ではボケが丸く写りますが、1段絞るとやや角張ります。また、周辺では開放から少し絞り込んでもレモン型になりました。
このレンズと比較するのが「AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8 G ED VR II」でしょう。絞りの開放F値がF2.8とF4とで一段の違いがあります。それにより全長や質量、そして価格が異なります。比較すると70-200mm F4のほうが約26.5mm短く、約690g軽い。また胴も細く、手持ちで撮影するときに掴みやすかったです。価格には10万円ほどの差があり、一段の絞り値の違いでこの価格の違いは悩みどころ。
この70-200mm F4は最短撮影距離が1mと短めで、最大撮影倍率は1/3.6倍とクローズアップ撮影にも威力を発揮します。モミジをクローズアップした写真を見ていただければ、ふんわりとぼかせることがわかるはず。ボケ表現を多用するなら1段の違いは気になるところですが、風景撮影では絞り込むことが多いので、むしろ軽量という点が大きなプラス要素となるのではないでしょうか。
ピントリングやズームリングの操作は程よいトルク感があり、手先にもフィットします。AFもスムーズで、操作にストレスはありませんでした。別売りの三脚座リング「RT-1」を装着すると縦横の変換が容易にできます。
この先、紅葉から雪のシーズンへと移り変わってきます。スノーシューやクロスカントリースキーを履いたまま雪原を手持ちで撮るといったシーンでも活躍しそうです。レンズの性能に助けられつつ、自然に親しみながら、少ない装備で軽快に、シャープに撮る。そんなネイチャーフォトの楽しみ方ができそうですね。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
D600 / AF-S NIKKOR 70-200mm F4 G ED VR / 約6.6MB / 6,016×4,016 / 1/2500秒 / F4 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天日陰 / 200mm |
D600 / AF-S NIKKOR 70-200mm F4 G ED VR / 約8.1MB / 6,016×4,016 / 1/250秒 / F4 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:晴天日陰 / 160mm |
2012/11/15 00:00