交換レンズ実写ギャラリー
ニコンAF-S DX NIKKOR 18-140mm F3.5-5.6 G ED VR
バランスの絶妙な高倍率ズーム
Reported by 大浦タケシ(2013/9/26 08:00)
ズーム比約7.8倍の高倍率ズーム。DXニッコールの高倍率ズームとしては4本目となるレンズである。ちなみに、それぞれの主だった違いはテレ端の焦点距離で、105mm、200mm、300mmそして今回の140mmとなる。
いずれもワイド端の焦点距離(18mm)や開放F値(F3.5-5.6)は同じだ。個人としては、そこまでバリエーションがなくてもいいように思えないこともないが、高倍率ズームを本当に必要とするニコンユーザーにしてみれば、選択肢は多いに越したことはない。何より選ぶ楽しみも増えるというものだろう。
鏡筒のつくりは、同じ高倍率ズームの「AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR」と同様、距離目盛り窓の省略されたシンプルなもの。距離目盛り窓を備える「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II」および「AF-S DX NIKKOR 18-300mm F3.5-5.6 G ED VR」の2本のほうが高級感からいえば当然上回るが、想定されるユーザー層を考えると問題になることは少ないだろう。質感については他の3本の高倍率ズームと同じとなっている。
ズームリングの操作感は、他の高倍率ズームと似たり寄ったりでまずまずの印象。ズーミングの途中でトルク感が極端に変わるようなこともなく、スムーズな操作性である。フォーカスリングにしても同様で、ワンクラス上のレンズのような高級感あるものではないものの、クラスを考えればこれはこれで不満のないものといえる。
重量は490g。日常使用するレンズとしてはそれなりの重さであるが、高倍率ズームであることを考えると納得しうるレベルといってよい。むしろD7100との組み合わせなら約1,255g、D5200とならば約1,045gなのでハンドリングはそう悪くない。フィルター径は67mmだ。
フィルム時代、高倍率ズームというと描写よりは利便性に重きが置かれることが多かったが、このところのものはバランスのよいものがほとんどだ。本レンズも例外ではなく、その描写は光学特性的に有利な倍率の小さいズームなどと遜色なく、シャープネスやコントラストなどどれを取ってみても不足を感じさせない。画面周辺部の描写にしても極端に劣るように思える部分などなく、それはズーム全域で同様である。さらに筆者の過去の経験から高倍率ズームは偏芯しやすいように思えるが、本レンズはそのようなこともなく安心して撮影に臨むことができる。
35mmフルサイズ換算でのテレ端画角は、焦点距離にして210mm相当。現在の高倍率レンズの尺度からいえばさほどでもないかも知れないが、日常使うには十分な画角。むしろ、鏡筒の大きさや重さ、価格などを考えると絶妙のように思える。また、最短撮影距離もズーム全域で45cm(撮像面から)と、高倍率ズームとしては頑張っているほうである。唯一不満に思えたのが別売となっているフードで、最初から付属していれば高倍率ズームとしての商品的な魅力もさらに高まったといえるだろう。
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