デジカメアイテム丼
“カメラバッグに見えない”の新境地
(ONAレザープリンスストリート)
Reported by 本誌:鈴木誠(2015/3/24 10:00)
CP+2015で展示されていたONAのカメラバッグ新製品「レザープリンスストリート」に心奪われた筆者は、さっそく国内代理店のイデアミクスからサンプル品をお借りしてみた。
米ニューヨークでデザインされたONAのバッグは、2013年からイデアミクスが日本総代理店として取り扱いを開始。筆者の身近なところでは、銀座のライカ直営店や新宿のマップカメラなど、ライカに強いイメージのある店舗で姿を見かける。
新製品のプリンスストリートは、11型のMacBook AirとM型ライカおよびミラーレスカメラを持ち歩くのにピッタリなサイズ。今回紹介するレザータイプ(税別5万7,000円)のほか、ワックスキャンバス素材(税別3万9,000円)のものもある。
以前から筆者は13型MacBookが入る「ブリクストン」のワックスキャンバスモデルを愛用してきたが、電車通勤でMacBook Airとカメラ1台を持ち歩くぐらいの筆者には、多少大柄に感じられた。そこで、小さくなったプリンスストリートの登場を喜んだわけである。このサイズなら、電車のシートに座っても自分の身幅にちょうど収まる。
このレザーモデルで見るべきは、やはりスクラッチ加工を施したエイジングの度合いだ。最初からキズや汚れを気にせず使えるし、使い込んでも「くたびれる」のではなく、風合いの変化として楽しめることだろう。
ONAのバッグに共通する特徴として、カメラバッグ感のない外装から一転、内部は機材をしっかり守る仕様になっている点がある。中仕切りにまでしっかりクッションが備わっているため、手荒に扱わない筆者にとっては過保護にさえ感じるほど。それでも、万が一のことを考えると「このバッグで持ち歩いていれば安心」という感覚に繋がる。
レザー外装で内側もしっかりしたクッションも備えているため、どうしてもナイロン製に比べればバッグ自体に重さが出てしまう。そこで、十分な幅のショルダーストラップと、しっかりしたショルダーパッドのコンビネーションが心強い。
趣味のアイテムとしてカメラに接している筆者としては、カメラバッグにも“使い分け”を提唱したい。ナイロン製などの軽量バッグは少しでも遠くまで歩きたい時には心強いが、日常生活の中で気分をちょっと底上げしたい時には、こうした贅沢仕上げのバッグがお似合いだ。
ONAのレザーバッグは「カメラバッグ」として見れば身構える価格だが、使い込むほどに育っていく風合いや、愛用のカメラ機材をカジュアルに擬態させる面白さを考えたら、決して高い買い物ではないと思う。趣味人は一度手に取ってみてほしい。