デジカメアイテム丼
携帯性重視の一脚、ウルトラスティックシリーズが登場!
改めて一脚の使い方をおさらいしてみよう
Reported by 佐々木啓太(2015/8/7 07:00)
一脚は三脚の脚を一本だけにして、雲台がついているようなものと考えるとわかりやすい。三脚のようにしっかり安定させるというよりは、安定を補助するために使われるものだ。
最近は小型軽量のものがラインナップされ、安定性と携帯性をバランス良く備える製品も出てきた。
今回はあらためてその利点と使い勝手を検証したい。
目線まで伸びるのにここまで短い!
一番の利点は、三脚よりコンパクトで持ち運びに便利なことだ。特に今回紹介するウルトラスティックシリーズは、「ダイレクトコンタクトパイプ」を採用しているので、脚を伸ばしたときにロックのためのレバーなどの部品がないことから、とてもスッキリしている。
同じくベルボンの「ウルトラ」シリーズなど、ダイレクトコンタクトパイプを採用する三脚を持っている人ならわかると思うが、このシリーズ、脚を伸ばしたり縮めたりするときの操作は独特なもの。おかげで一般の製品より伸縮比が高く収納性に優れるのだが、慣れてしまえば、一度に全て脚が伸び縮みするので、素早く楽に扱える。
一段目には、発泡ゴムがついているので握りやすい。安全のためにストラップを腕に通した状態で使うのがオススメ。
2段目には調整用のグリップがついているので、構えた状態で高さを微調整するのも楽だった。
ちなみにプロの現場では、一脚は基本的には超望遠レンズを使う現場での使用例が多い。
モータースポーツのプロカメラマンに取材したときは、流し撮りをするときに一脚を腰の辺りで固定して安定してレンズを振れるようにしているという話を教えていただいた。
雲台はどうするか
今回使った一脚は、いずれもあらかじめ雲台もセットになっている。脚と合わせた雲台がセットになっているので、初めて一脚を購入する人にはこうしたセットがオススメだ。
雲台を使わず本体に直接カメラやレンズ(の三脚座)を取り付けることも可能。流し撮りが多いスポーツ撮影の現場で良く見るが、その状態では基本的に水平にしか構えることができないので注意されたい。
雲台と脚はネジで固定されているので使っている間に緩むことがある。微妙に緩んでいると安定感が悪くなるので定期的にチェックしたい。これは三脚でも同じ。
基本的なテクニック
使い方を補足したい。一脚を使っているときは、カメラもしくはレンズの上から少し負荷をかけたほうが安定した構えができる。
立ちながら使っているときは、一脚と自分の脚で三脚のように三角形を作ると安定させやすい。一番大切なのは周りの人の迷惑にならないこと。コンパクトといっても伸ばしている状態ではある程度長さがあるので、使用中は細心の注意を払って、移動時には縮めるようにしたい。
花のマクロ撮影は根気との闘いなので、三脚を使って待っているシーンをよく見かける。これは場所も必要で三脚の脚が一本だけ柵の内側に入っているという残念な結果になることもある。そんなときに一脚を使うともう少しスマートに撮影できる。
ポートレイト撮影のときは表情を作ってもらうために声をかけることがある。そのときに一脚を使っていると構図を安定させやすい。ミラーレスカメラの中には瞳優先AFが搭載されているカメラもあるので、構図をしっかりと決めてピント合わせはAFというた条件では使い勝手がいい。
その他、運動会で望遠レンズを使うときも安定感が増すのでピントも合わせやすくなる。一番小さなM52は1段目と2段目を使って自撮り棒やハイアングル撮影でも使いやすいと感じた。
まとめ:進化した製品であなたも一脚「再」デビュー!
実は筆者自身も今回のレポートを通して、改めて一脚の可能性を再認識したほどだった。使いやすい一脚を使っているときの安心感はなかなかのものだ。
今回試用したウルトラスティックのように縮長が短く、かつ全高が確保されているのは最新設計の賜物だ。軽量で短く、1本持っていると現場でも使いやすいと感じた。これを機会にあなたも改めて一脚デビューしてみるのはいかがだろうか。
(制作協力:ベルボン株式会社)