シェイプシフター(三脚装着時) |
筆者は17インチのMacBook Proを自宅のメインマシンとして使用しているが、年に1度は外に持ち出す必要に迫られることがあり、その度に適当なバッグがなくて悩んでいた。年に1度のためにわざわざ専用のバッグを買う気にもなれないからである。
かといって、手持ちのバッグに無理矢理入れたのでは外部からの衝撃に対して不安が残り、どうせならノートPC用のケースとしても使えるカメラバッグはないかと考えていた。
今回試用したシンクタンクフォトの「シェイプシフター」は、サイドジッパーでカメラ収納部を畳むことでスリムに変形する、リュックタイプのカメラバッグだ。もちろん、17インチMacBook Proの収納にも対応。銀一の取り扱いで、価格は3万7,800円。
具体的には、カメラ機材を収納した状態の厚さが約18cmのところ、カメラ機材を抜いて収納部を畳むと約8cmになる。その状態でも、17インチクラスのノートPCと小物類を入れて持ち運ぶことが可能。この状態で、MacBook Pro用のバッグとしても使えると踏んだのである。
早速、カメラ機材一式と三脚を取り付けて外に出てみた。腰に当たる部分の分厚いクッションが荷重をうまく支えるようになっており、ウエストベルトやチェストベルトを併用しない状態でもリュックに振り回されるような感覚はなかった。また、側面にポケットなどの出っ張りがなく、人ごみでもすれ違う人を気にすることなく歩ける。
三脚を装着して背負ったところ(カメラ機材収納時) |
カメラ機材を抜き、マチを畳んだ状態の着用例。厚さが半分以下になる |
腰周りのクッション部分はベルクロで開閉するようになっており、内側にウエストベルトが収納されている。また、別売の「プロスピードベルト」などを通すこともでき、いずれの場合もより歩行安定性を高めることができる。
腰の部分に分厚いクッションを備える | チェストベルトとウエストベルトを利用した着用例。使用しない状態でも歩行安定性は高い |
メインとなるカメラ機材の収納部には、中仕切りではなく個別の収納ポケットを設けている。ポケットの大きさから見るに、カメラのボディとレンズを常に取り外した状態で収納することを想定しているようだ。ポケットにクッション性のある素材を採用し、バッグの外装を薄く軽量な素材とすることで機材保護と機動性との両立を図っていると思われる。本体重量は約1.73kg。
機材収納部には、一眼レフカメラボディ2台、交換レンズ3本を収納できる。ボディ収納用のポケットは、キヤノンEOD-1DシリーズやニコンD一桁シリーズなどのプロ機も入るサイズだ。反対側にはクリップオンストロボなどのアクセサリーを収納できる。製品情報ページにはキヤノン機、ニコン機の収納例が掲載されているため、そちらも参照されたい。
カメラ機材収納部 | 実際に収納してみたカメラ機材の例。カメラボディは上から「α700」、「α200」。レンズは上から「Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5」、「70-300mm F4.5-5.6 G SSM」(いずれもフード付き) |
クリップオンストロボ「HVL-58AM」などをメッシュポケットに収納。素早く出し入れできる |
背中側のPC収納部は、17インチのMacBook Proが縦横に隙間を残して収まるサイズ。内寸は約30.5×48×4cm。かなり余裕があるため、外部からの衝撃が心配な場合はインナーケースを併用することもできるだろう。
余裕のあるPC収納部。17インチのMacBook Proを底まで入れたところ | ジッパーは側面まで開き、出し入れしやすい |
また、バッグの外側にもポケットを用意する。正面上側には携帯電話、カード類、鍵など身の回りの小物を収納するのに適したポケットを備え、下側には大きなポケットを配置した。
手前のポケットにiPhone 3GSと携帯電話を収納してみた | 正面下側のポケット。手前に2段のマチなしメッシュポケットを装え、奥にもポケットがある |
上部のポケットには付属品のレインカバーが入っていた。バッグ本体から独立しているタイプで、このタイプには「不要な時にバッグから出せる」、「濡れたら風呂場に吊るして乾かせる」といった利点がある。
レインカバーはバッグにかぶせたあと、コードロック付きのゴムバンドで固定する仕組み。コードロックが備わっているため、使い込むうちに万が一ゴムバンドがへたってきても安心である。
レインカバーを広げたところ。袋の部分に収納する | 二重のゴムバンドでレインカバーを固定 |
製品情報ページによると、機材を抜いてカメラ収納部をジッパーで畳むことにより「大きなバックパックを空荷で持ち歩く無駄が省ける」というのがシェイプシフターのコンセプトだという。多くの製品がプレスパスホルダーを備えるなど、報道向けの製品をデザインするシンクタンクフォトならではのアイデアなのだろう。
プロの仕事を意識した製品でありながら、撮影旅行用の大容量カメラバッグ兼、いざという時の大型ノートPC用バッグという2つの顔でも活躍してくれそうな、懐の広い製品である。現場仕様の使い心地を休日にも味わってみたい。
ネームタグとして使えそうなプレスパスホルダー |
2010/5/19 00:00