エツミ「キーポッド」

手のひらに収まるキーホルダータイプのミニ三脚

キーポッドの使用例

 エツミが2009年12月に発売した「キーポッド」は、コンパクトデジタルカメラに使用できるキーホルダータイプのミニ三脚。ブルー、ピンク、グリーン、ホワイト、ブラックの5色をラインナップしている。価格は735円。

 このキーポッドの特徴は、先端にキーリングを備え、キーホルダーとして持ち歩けるという点。カメラ側の三脚ネジ穴が本体中央にある機種に適合し、同社では「室内でのセルフタイマーやリモコン撮影に威力を発揮する」としている。

 カメラは、キーリングの付いたキャップを外した部分のネジに取り付ける。キャップもネジで留まっており、知らぬ間に三脚部分を紛失してしまう危険性は少なそうだ。カメラネジは1/4インチのため、ほとんどのコンパクトデジタルカメラに対応する。


キーホルダーとしての使用例キーリングの付いたキャップを取り外すとネジが現れる

 脚部は2段式で、55mmまたは80mmの高さで使用できる。足はロッドアンテナのような構造だが、使用中に足が縮んでいってしまうようなことはなかった。左右2本の足を後方に押し広げて設置する。

 アングル調整は自由雲台の要領で行なえる。中央の固定されている足を回転すると、雲台部のボールがゆるむ仕組みになっている。

雲台部。指でつまんで締めることができる足の伸縮は先端の石突きを引っ張って行なう。ロック機構はない

 耐荷重はコンパクトデジタルカメラの多くをカバーする300g。なお、重量が範囲内でも三脚穴の位置が重心から大きく外れている機種ではバランスがうまく取れないこともあるかもしれない。加えて、風や振動の少ない場所で使用するのがよいだろう。オートパワーオフの作動など、不意にレンズが沈胴する際の重心移動にも気をつけたい。

 しかし、耐荷重の範囲内であればよほど無理なアングルを取らない限り、それなりの安定感が得られる。石突きはラバー製で、テーブルの上などでも滑りにくい。

左からキヤノン「IXY 400F」、シグマ「DP2s」、リコー「GR DIGITAL III」を装着。いずれの機種も撮影時重量は300g未満オートパワーオフと共に倒れそうな例。足を置く位置にも気をつけたい

 筆者は夜間の道路わきを歩いていて、ふと手近な設置物にコンパクトデジカメを置いてスローシャッター撮影をすることがある。直置きではアングルの調整ができないため、設置物の上面が入ってしまったり、余計なものをフレームアウトさせるのがなかなか難しい。しかし、キーポッドのおかげで荷物を増やすことなくアングルの自由度が広がった。

 また、テーブル上などでのマクロ撮影もひとつの活用シーンだろう。腕や肘をついてカメラ支えるよりも、確実にブレを防止できそうだ。

 いずれのシーンにおいても、キーホルダータイプで「常に身に付けていられる三脚」というポイントが大きい。ポップな見た目も持ち歩きを容易にさせてくれる。価格も手頃なので、まずはコンパクトデジカメを買ったばかりの友人にプレゼントしてみようと思う。

カラビナなどを利用してベルトループにぶら下げておいても、三脚部分だけ取り外して使用できる小さくても立派に三脚


(本誌:鈴木誠)

2010/4/8 00:00