写真展レポート

女優・秦瑞穂さんの“2つの夢”が叶った場所

「秦瑞穂×福島裕二写真展 -素-」 AtelierY -青山-にて9月20日まで

タレント・女優の秦瑞穂さんと、写真家の福島裕二さんによる写真展「秦瑞穂×福島裕二写真展 -素-」が9月10日からAtelierY -青山-で開催されている。ここでは、自身の写真展は初めてという秦さんにお話を聞いた。

B0サイズの特大プリントを含む56枚で表現された秦さんは、テレビなどのメディアで見る姿とはまた違った一面を見せていた。憧れの福島さんによる撮影と、自分だけの写真展という2つの夢を叶えた秦さんのリアルな姿を見られる機会となっている。会期は9月20日まで。

「一度に2つの夢が叶った」――秦瑞穂

――簡単に自己紹介をお願いします。

普段はグラビアのほか、お芝居やテレビのお仕事もしています。長野県出身です。デビューが15歳で、翌年に上京してからはグラビアが最初の仕事でした。グラビアから始まったので、写真を撮ってもらう機会が多かったですね。最近だと温泉番組(秘湯ロマン)のレポーターをやらせてもらっています。

――今回の写真展のきっかけは?

マネージャーさんやお仕事の関係者から「写真展に興味ありますか?」と言ってもらったのがきっかけでした。写真を撮ってもらうのが好きで10代の頃から「いつかは写真展をやりたい」という夢がずっとありました。なので、お誘いをもらったときにぜひお願いしますと答えました。

以前にオムニバスの写真展に参加したことはあったのですが、自分だけの写真展に憧れがあったので、夢の1つが叶うと思いました。

――福島さんとの接点は?

今回のお話をいただいてから初めて福島さんにお会いしました。ただ、SNSなどでタレントさんが福島さんに撮ってもらったという写真を見ていて、私は一方的に知っていました。それが素敵な写真なので、私もいつか福島さんに撮ってもらいたいなと思っていたんです。

ですので、今回の写真展で撮ってくださるカメラマンさんの名前を聞いたときには驚きました。あの福島さんですかと……。それで、自分の写真展の開催と、福島さんに撮ってもらえるという2つの夢が一緒に叶ったという感じですね。

でも、ずっと憧れがあったからこそ凄く不安な気持ちもありました。自分の中で写真展のハードルが高くて、話を聞いたときも本当に大丈夫かなと心配でした。お客さんがどう思ってくれるのかというのもあり、期待と不安が入り交じっていて、いまもフワフワしています(笑)。

――写真を撮られることについて。

今までは水着グラビアが多かったので、スタイル良く見せたいとか綺麗な表情を切り取って欲しいという、自分の中で作り上げるというイメージがありました。

今回福島さんに撮ってもらう中で、それが崩れたというか良い意味で無くなりました。自然体で良いんだなと。もっと気を張らないでカメラの前に立って良いんだと思わせてもらったのが初めてで、新鮮な経験でした。新しい自分を見られた感じです。

――一番見て欲しいところは?

展示のタイトルが「素」なんですが、福島さんの写真ってその場の雰囲気や息づかいが伝わるような作品だと思っているんです。撮影後にデータを見たときも、写真からこんなに伝わるものがあるんだと驚きました。写真の力ってすごいと改めて思いました。

撮影の途中からはメイクをあまりしないようにしましたし、衣装も自前で揃えていますので、作り込んだ私とは違う普段の“素に近い私”というギャップを見て頂けたらと思います。

――お気に入りの1枚は?

展示会場で一番ラストに飾ってある笑っている写真ですね。それが今回の撮影のラストカットなんです。それでちょっと気が緩んでいるというか、安心したような雰囲気が気に入っています。その展示の前にはランジェリーの写真が並んでいて、そのあとに配置されているという順番も含めて良いとおもっています。

お気に入りの1枚と

――撮影はどんな感じですか?

間が1カ月くらい空きましたが、計2日間で撮っています。初日はお互い探りあいという感じもあって、ちょっと緊張もありました。後半になってくると、メイクも落としたりして素に近い自分にしていきました。

福島さんは気さくに話しかけてくれるので、安心してすぐに打ち解けられました。福島さんからは、ポーズや表情を作らなくてよいと。撮られているって意識しなくていいと言われていました。「その時思ったことを出してくれれば十分だから」みたいな感じでした。

でも、それが逆に難しかった部分もあります。どうしてもカメラの前に立つと、15年やってきた「勝手に作ってしまう」ところがあるので(笑)。それを徐々に無くしていくように心がけました。

――撮影を終えて新しい発見はありましたか?

自分の素を出すのは怖い面もあったのですが、こうして素敵な写真がたくさんできたので自信になりました。これからもグラビアの仕事は続けていきたいので、そちらでも今回得られたプラスの経験を活かしていけたら、グラビアも変わっていけるのかなと感じています。

――最後に読者にひと言お願いします。

本当にずっと夢だった事が2つ叶った写真展です。大変なご時世の中ではありますが、ちょっとした息抜きに来ていただいて、見てくださった方がなにかを感じてもらえる場所になったら良いなと思っています。私もほとんど在廊していますので、ぜひ見にいらして欲しいと思います。

写真集や図録などの物販コーナーも

写真展概要

会場

AtelierY -青山-
東京都渋谷区神宮前3-5-2 EFビル 地下1階

開催期間

2021年9月10日(金)~9月20日(月)

開催時間

平日:15時00分~20時00分
土日祝:11時00分~20時00分

休館

木曜日

秦瑞穂さん在廊日

9月13日を除く全日程で在廊予定。
在廊時間は秦瑞穂さんの公式Twitterアカウント(https://twitter.com/MizuhoHata)で要確認

トークショー(予約制)

日時:9月19日(日)17時00分~18時00分
参加費:2,000円(事前予約)/2,500円(当日予約)

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。