写真展

新山清写真展「サブジェクティブ・フォトグラフィー」-ヴィジュアル世界の冒険-

(ブリッツ・ギャラリー)

©新山清“朝顔,1962”

新山清(1911-1969) は、戦後期にアマチュアリズムを貫いて活躍した写真家です。死後45年以上を経て、いま新山は欧米アート写真シー ンで"サブジェクティブ・フォトグラフィー"subjektive fotografie"(日本語訳"主観的写真")の重要な写真家として再評 価が進行中です。本展でも、欧米同様に彼の優れた作家性に焦点を当てて作品を紹介いたします。

展示作品はすべてが銀塩モノクロ作品です。撮影当時に本人によりプリントされた貴重なヴィンテージ・プリントと、作家遺族の管理の上で制作されたエステート・プリントが、パート1とパート2で合計約45点展示されます。

(展示情報より)

©新山清“垣根, ca.1950”

©新山清“ひれ,1956”

会場・スケジュールなど

  • ・会場:ブリッツ・ギャラリー
  • ・住所:東京都目黒区下目黒6-20-29
  • ・会期:2016年5月12日(木)~ 6月4日(土)・2016年 6月17日(金)~ 7月9日(土)
  • ・時間:13時〜18時
  • ・休館:日曜日・月曜日
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1911年愛媛県生まれ。東京電気専門学校卒業。1935年に理化学研究所に入社。パーレットカメラの同人会のメンバーとして写真家活動を開始し、作品を多くのサロンや国際的写真雑誌に発表。ロンドン・パリ・サロンで数点が入選、雑誌アメリカン・ポピュラーフォトグラフィー、フォトモンドのコンテストに入選。その後、全日本写真連盟や東京写真研究会での活動を通して日本のアマチュア写真家育成に携わる。1957年に旭光学に入社し、東京サービスセンター所長に就任。1969年5月13日、凶刃に倒れ急逝。

サブジェクティブ・フォトグラフィー

サブジェクティブ・フォトグラフィーは、ドイツ人写真家オットー・シュタイナート(1915-1978)の企画によって、1951年にザ ールブリュッケン国立美術工芸学校で開催された同名展覧会と、翌年に刊行された同名写真集において提唱された 写真表現についての考え方のことです。同名写真展は、1951年, 1954年、1958年に3回開催されています。 これは、1920~30年代に登場した、ラズロ・モホリ=ナジ、マン・レイ、アルベルト・レンガー=パッチェらによる、新しい 写真のリアリズムとフォトグラムやフォトモンタージュのような造形美を追求した、いわゆる「新興写真」を発展継承した 運動でした。
シュタイナートは、サブジェクティブ・フォトグラフィーは、非対称的(ノン・オブジェクティブ)な、画面の抽象的な構成を 中心とする実験写真なフォトグラムから、深みのある、美学的に満足できるルポルタージュまで、個人的な写真創造 のあらゆる局面を含んだ枠組みを意味する。と語っています。

日本では、サブジェクティブ・フォトグラフィーは"主観主義"と訳されます。1956年には「日本主観主義写真連盟」がア マチュアとプロの写真家とで結成。彼らの活動は当時流行のリアリズム写真に対抗するものでした。56年末にはサン ケイカメラ誌主催の「国際主観主義写真展」が、東京、日本橋高島屋で開催。同展には、その後に写真界で活躍する、 奈良原一高、一村哲也、石元泰博、植田正治、大辻清司らが参加しています。しかし、日本での運動は写真技法の 方法論が優先されます。残念ながら50年代末には勢いをなくしていきます。

キッケン・ベルリンは、2013~2014年にかけて、"サブジェクティブ・フォトグラフィー(subjektive fotografie)"、"サブジェ クティブ・フォトグラフィー2(subjektive fotografie2)"という2回のグループ展を開催。オットー・シュタイナート、ウィリア ム・クライン、マイナー・ホワイト、ハリー・キャラハン、クリステル・ストロムホルム、アーロン・シスキン、ソウル・ライタ ー、フレドリック・ソマー、本庄光郎、杵島 隆、新山 清など約20名以上がセレクションされています 。

(本誌:河野知佳)