写真展告知

田川梨絵写真展:不可逆、そして摂理をのぞく

母の死。

それが私の始まり。

母が亡くなり、私の目の前から消えた。

母が亡くなり、34年経った今でも「死んだ」とは何か分からない。

母が亡くなり、新しい家族の形を得た。家族とは何なのか。

なぜ母はここにいないのか?

家族とは、血のつながり?

血のつながりとは?

血とは?

これまでの私は

血のつながらない妹を通し、母を見る私を見てきた。

都市の中に答えのカケラを見出そうと探しにも行った。

だがそこに明確な答えはまだ見えていない。

目で見え把握できる範囲を探求してきたが、

依然としてよく分からないのだ。

だから思考する範囲を変えてみたいと思った。

そう、今まで見ていないところに答えがあるのではないか。

そもそも、見るスケール、把握するスケールを変えると

異なると認識しているものも等価と思えることはいろいろ存在する。

初めて夜の地球の画像を見た時、私にはカビの繁殖に見えた。

普段私というものがあって、物事を見、認識している。

それは富士山を点で書けないということ。

でも例えば小さい世界を見た時、ある意味俯瞰的に捉えられる。

そして総体的に認識できる。

普遍的に見ている私を取っ払い、全てのスケールを俯瞰的に捉えたとき、

1つの法則が見えてくる。

それが摂理というのであれば、そこに私の答えがないだろうか。

写真展情報

会場

OM SYSTEM GALLERY
東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル地下1階

開催期間

2023年3月16日(木)~3月27日(月)

開催時間

10時00分~18時00分(最終日は15時00分まで)

休館

火曜日・水曜日、GW・夏季・年末年始の長期休業

作者プロフィール

1999年より自身の混沌とした内面を表現する事を作品のテーマとし、一人の少女を撮り続けた作品を発表。
「ムキダシノココロ」(2004)、「過呼吸」(2005)、「アイシテル」(2006)。「ムキダシノココロ」にて第6回富士フォトサロン新人賞/奨励賞を受賞。
2009年より視点を都市にも向け、自身の持つ死生観をその都市に映し出す「私の手の中に花を摘む」プロジェクトを始める。「湿度の定着」(2013)、「シンカイ ヲ オヨグ」(2013)、「装束の行進」(2019)、「均一的棒グラフ」(2019)。
2013年、女優 綾瀬はるか氏を撮影。その作品73点は表参道ヒルズにて「綾瀬はるか写真展」として展示される。また同作品は2013年12月に山手線をジャックし、初の電車写真展を開催。上記写真展は、交通広告グランプリ2014企画部門「最優秀部門賞」を受賞。
大阪芸術大学写真学科講師
Recon PHOTO SCHOOL 主宰